出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

スペイン10日間の旅【11】グラナダ編~アルハンブラ宮殿(パラドール・デ・グラナダ)

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パラドール・デ・グラナダ概要

まずパラドールとはなんぞやという話ですが、スペイン全土にチェーン展開する国営ホテルです。お城や宮殿や修道院といった歴史的建造物を改装したものや、景勝地に新しく建てたものがあります。グラナダのパラドールは、アルハンブラ宮殿内の修道院を改装したホテルです。その様子は後ほどご紹介します。

 今回のツアー(といってもほぼ宿泊と交通の手配だけ)には元々、宿泊先をパラドールに変更するオプションがありました。予約した当初はグラナダ2泊ともパラドール泊で希望を出したのですが、予約状況から2泊目しかパラドールは予約できず。

そんな結果、1泊目は市街地のシティホテルに泊まり、翌日は観光へ向かう前に朝一でパラドールまで大きい荷物を預けに行くという行程になりました。前回の終わりから時間を半日ほどさかのぼり、お話はそこからスタートです。

 

パラドール・デ・グラナダへのアクセス

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(9:07)

バスに乗ってアルハンブラへ到着するも、よく分からないまま降りたところはチケット売り場最寄りのバス停(アルハンブラ-ヘネラリフェ2バス停)でした。そこから城内へ入ろうとすると、その先はヘネラリフェに通じる有料エリアだということでスタッフに止められました。「パラドールに行きたいんだけどどこから入れるのか」と英語で聞くも、面倒くさそうに西の方を指さされるだけ。

ぞんざいながらも指された西の方と、スマホで地図を確認したりその場で日本人の旅行記を確認したりした結果判明したのは、アルハンブラにはチケット無し(無料)で入れる区画があり、パラドールもそこからアクセスできるということです。

アルハンブラの無料エリアには、車両ゲート(Puerta De Los Carros)か裁きの門(Puerta de la Justicia)から入ることができますパラドールに最も近い門は車両ゲートになります。ちなみに裁きの門は道が階段状になっており、徒歩でのみ入城可能です。

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(9:25)

チケット売り場から歩きはじめ、城壁を右手に見つつその沿道を西へ進んでいると、しばらくしてパラドール(PARADOR)を示す案内が。

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(9:25)

示された通りの方へ進み坂道を上る。

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(9:27)

その先に現れるこれが車両ゲートです。徒歩でも通れますし何かを提示する必要もありません。

車両ゲートの門を抜けて、アルハンブラの中に入り開けた広場のような所に出たら、右に見える通り(小さめの土産屋が並んでいます)を進むとパラドールに着きます。

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(9:31)

これがパラドールの入口。市街地でタクシーを拾ってパラドールを指定すればここの門まで一気に乗せていってくれるようなので、坂道を大荷物で歩きたくない方や道に自信のない方はタクシーの利用をお勧めします。

バスでも車両ゲートから少し下った場所に停まることはあるようなのですが、バスの系統によってそこに寄ったり寄らなかったりがあるようなのでここでは紹介しません。というかよく分かりませんごめんなさい。

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↑これが今回の足取り。周囲がなんとなく分かるまでは市街地からタクシーを拾っていくのが無難だと思います。

 

パラドール・デ・グラナダ(Parador de Granada)

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(9:31)

15世紀に建てられた修道院を改装したというその情報だけでもわくわくなのに、門をくぐった先から期待値がうなぎのぼり。

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(9:32)

ここが今晩の我々の宿です。まだ朝だけど。

フロントに顔を出し、今晩の宿泊客であることとチェックインするまで荷物を預かってほしい旨を伝えました。今回の旅行中、スペインのホテルのフロントは100%英語が通じました

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(9:51)

(※話には関係ありませんが、しばらくの間城内で見かけた猫の写真を並行してお届けします)

フロントのおじさまは日本語の挨拶程度ならできるようで、求められるままパスポートを提示するといくつか日本語を話しました。しかし業務的な会話は英語です。頭が追いつきません。

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(9:52)

以降、英語のやり取りダイジェストです。

おじさま「君たちはハネムーンかい?

ぼく「そうです」

おじさま「素晴らしい、それならいい話をしよう。君たちが支払い済みで今予約している部屋はこの値段だ」

(手書きされた料金は2名1室300ユーロ台だった気がするが、我々は日本円でまとめて旅行会社に払っているのでよく知らない)

おじさま「この部屋は簡易ベッドで展望もある訳じゃない。だがしかし、今晩はたまたまスイートルームが空いているんだ

(おじさま、500ユーロ弱の金額を隣に書く。こっちも正直よく覚えてない)

おじさま「追加でこれだけ払ってくれれば、今ならスイートに切り替えることができるよ。ホテルに1室しかない広い部屋で、ベッドルームは塔の上、しかもキングサイズだ」

ぼく「……追加料金は差額分だけカードで払えますよね?」

おじさま「もちろん」

ぼく&嫁「行くっきゃない」

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(9:53)

多少の時間を要したのはいくつかの確認だけで、2人とも迷うことなくスイートへのランクアップを固めていました。せっかく来たんですもの。万が一ここで渋ったりなんてしていたら、僕は実家に帰って報告した暁にはスペイン好きの母にぶん殴られていたことでしょう。

それにしても、東洋人2人組のためにわざわざ英語でこんな提案を持ち掛けてくれたフロントマンがつくづく親切すぎてありがたい限りでした。

しかも、朝一で荷物を預けにフロントへ顔を出したのも幸運でした。その晩の他の客が先に来ていたら、きっとそのおじさまはその人たちへ同じようにスイートルームを提案していたことでしょう。

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(9:54)

とりあえずその場ではスーツケースを預けるだけ預けて、我々はグラナダ観光へと繰り出しました。AMに市街地の観光、PMにアルハンブラを一通り回り、パラドールへ戻った我々はいよいよチェックイン。預けていたスーツケースを運んでもらいながら、スイートルームとご対面です。

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(19:39)

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(19:40)

リビングルーム。階段はベッドルームに通じています。

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酒やらコーヒーやらがこれ見よがしに並べられていましたが、怖かったので一切手を付けていません。

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バスルーム。トイレがシースルーなのが気になりますが、バスタブとシャワーブースが別に存在する贅沢な配置。

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(19:56)

海外で日本並みのアメニティを目にしたのは後にも先にもここぐらいです。もしやこの色はと思って見てみると、すべてHERMESと書いてありました。

最後がベッドルームです。

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(19:40)

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リビングから階段を上った先は塔の中で、まるまるベッドルームになっています。つまりベッドルームは四方向すべてに窓があるのです。

ベッドの上に置かれているのはバスローブ。ものすごくごわごわもこもこでした。モノが良すぎて着ているととても暑かったです。

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(19:41)

窓の外はアルハンブラ。だってここはアルハンブラの内側ですから。

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(19:42)

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ベッドルームからヘネラリフェが見えるお部屋。

 

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(19:58)

部屋の外に出ましょう。この専用階段の先が我々のスイートルームです。

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廊下。たのしい。

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(20:03)

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(20:04)

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中庭。

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中庭に面したところに謎のアラビアンルームがありました。これ、客室が質素でも共用スペースで十分くつろいで遊べるのでは。いやスイートはスイートで最高ですけどね。

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(20:10)

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(20:12)

correosというのは郵便局のことです。そうつまりこのライオンの口はポスト。

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(20:13)

ドアのコンコンするところ。

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(20:14)

この右上の塔、さっきベッドルームから真横に見たやつだ。

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(20:13)

ところでこのホテル(元修道院)、イサベル女王の墓があります。イスラム勢力最後の都市だったグラナダを陥落させたのがこのイサベル女王の時代。そして、飾り立てないようにとの遺言通りにこの場所に埋葬されたんだとか。

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(20:16)

あれっでも前に王室礼拝堂に御棺があったような……というのも、後になって移されたんだそうです。最初に埋葬されたのはこのアルハンブラ修道院なんだそうです。

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天井がナスル朝宮殿風ですね。敵対勢力の様式なのにちゃっかり残したり使ったりしがちなスペイン。

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ちなみにホテル内のレストラン(カフェ)と、このイサベル女王のお墓は宿泊客でなくても入ることができます

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日が暮れたので飯にしましょう。

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界隈に夜まで営業している飲食店はありません。というかアルハンブラ界隈に飲食店はありません。ので、ホテルのレストランへ。この暗いカフェスペースの向こうにレストランがあります。

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テラス席。もちろん屋内スペースもあります。屋内の席で食べましたが写真を忘れました。

予約などはせずに行ったのですが、「予約は? してない? したらちょっと待っててね?」といった感じで予約するのがどうやら普通っぽいリアクションをされましたが、コース料理などを食べる気が無ければ予約なしでも特に問題ありませんでした。

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(21:24)

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(21:25)

とりあえずメニューからなんとなく肉料理を選んで食べました。文字だけのメニューって日本語でもよく分からないのに、英語じゃなおさら意味不明ですよね。パエリアとかベッタベタなメニューもないのでもはや夕飯ガチャ。でもハズレはありませんでした。