出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

房総半島暴走の旅【3】

 



【第三章】海、地球、湖



日の出を走行時に迎えたいので5:30頃に起床です。


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3階だかのテラスから。
空が白んできていますがまだ日は出ていません。
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太平洋を拝みながら浸かれる足湯がありますが今回は時間が惜しいのでパス。
宿もといスーパー銭湯を後にします。


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こいつがロッカーの鍵であり個人を識別するタグでもある。
館内の買い物の時にこいつを提示したりバーコードを読ませるだけで、退館時にまとめて後払いするというシステム。
スーパー銭湯ではごくごく一般的な仕組みですが、支払いを気にせずに色々飲み食いしそうで怖くないですかこれ。


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ということで、『太陽の里』でした。富士山麓を走ったときのスーパー銭湯より広々していて居心地は良かったです。
駐車場がすべて屋外ですがそれはまあ別にいいかなという。


さて、現在地は千葉県長生郡長生(ちょうせい)村。
千葉県唯一の村であり、沿岸部はいわゆる九十九里浜の南側になります。

九十九里浜の沿岸を貫くのが「九十九里有料道路」。
地図で見るからにがっつり海沿い&ゴリゴリの直線道路なので、走らずにはいられません。


昨晩来た道を3kmほど引き返して、九十九里有料道路の始点へ。
二輪料金220円を払って料金所を通過すると、まもなく一つ目の休憩所が右手に。


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改めまして一宮休憩所からおはようございます。

10月下旬にもなると明け方は肌寒く、ましてや剥き身で走っていると普通に寒いです。
冬用グローブを出すくらいには寒いです。
お腹冷やして痛くなるくらいには寒いです。

自販機であったかい飲み物を買ってお腹を温めつつ、明け方の太平洋を拝みます。


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とりあえず寒い。
こんな時間ですが休憩所には人の姿が4~5ほど。

ちなみに、この休憩所に入るための道には砂浜の砂がたくさん飛来・堆積していまして、タイヤがとられそうでものすごく怖かったです。


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駐車場の脇に、網を引く漁師のおっちゃん像がありました。

ので、


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同じポーズで一枚。
三脚を持参していたので、独りできゃいきゃいと撮影していました。
ちなみにお腹は冷えたままです。


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ベンチで海をぼーっと眺めるのもいいのですが、せっかくなら走りつつ景色を楽しみたいので先に進みます。
朝日を浴びながら直線を突っ走るのはやはりとてつもなく楽しかったです。
……お腹は冷えてごろごろしていましたが。



九十九里有料道路は料金所からしばらくは防砂林に視界を阻まれているので、その間景色はあまり臨めません。
道自体はほぼ直線なので気持ち良いんですけどね。

そして、防砂林を抜ければ、


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あーーーーーーーきもちーーーーーーーーーーー

開けた視界の中をだらーっとまっすぐ走ることができます。


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振り返っても同じような光景。
視界の限り自分だけ。
時間帯のせいか対向車さえもたまにしか来ず、最高に景色の貸切状態です。


さて、こんな良い道な九十九里有料道路ですが、現在(2015.11)は全線を走行することができません。


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先の震災を踏まえての津波対策工事で、北側半分が通行止めに。
惜しまれながらもほぼ中間に位置する白里ICで一般道に戻ります。


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降りたら降りたで砂浜にとても近い駐車場があってそれはそれで良い感じだったんですけどね。
砂浜に近いというか、もはや一部砂浜に埋まりつつある。


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ちなみにですが、お腹を冷やすくらいの気温ではあるため、直線でノンストップハイスピード走行の結果手がものすごく冷たくなるわけです。

持ってて良かった冬用グローブ。
使わないかなと思っていましたが、日が高くなるまでしばらく装着しました。



有料道路を降りた後は、弧を描く海岸沿いににゅーんと伸びる県道30号を30km以上ひた走ります。

地図で見るとこの道もなかなかに真っ直ぐで期待していたのですが。
道幅は広くないし、そこそこ住宅地の中を抜けるし、交通も信号もちょいちょいあるので、正直そこまで楽しめる道ではありませんでした。

ツーリングマップルではツーリングにおすすめの道の表示がありますが、海が見えるわけでもなく完全にただの移動。
何が言いたいかというと、写真がないのです!


白里ICから1時間弱走り続け、屏風ヶ浦が近づいて来たあたりで国道126号に合流。
すると道はぐいぐい上っていきます。

6kmほど国道を走ったら、右折して「銚子ドーバーライン」と呼ばれる道へ。

○銚子ドーバーライン 画像検索結果

かつては有料道路だったようですが、10年以上前に償還は済んでおり、現在は無料で通行可能な県道になっています。


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この道がまた最高なんですよ。

九十九里有料道路がひたすらに平らでまっすぐなのに対し、こちらは緩やかにアップダウンする直線。
峠に差し掛かった瞬間に広がる景色の良さに、思わず叫びながらスロットルを開いていました。

……叫びましたが恐らく誰にも聞こえていないので堪忍してください。
例によって、一番景色のいい地点では後続がいて停まれなかったので、写真は他にありませんハイ。


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滅茶苦茶楽しかった記憶の道に限って、走っていた時間はほんの数分だったりするから恐ろしい。
ドーバーラインを終着点まで走り、だだっぴろい駐車場に停めます。


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やって来たのは「地球の丸く見える丘展望館」という素敵な名前の施設です。

入館料が少々お高めのようで寄るか迷いましたが、せっかく来たのでどれどれ地球の丸い様子を目の当たりにしようではないかと思いました。


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……ですよねー。

そこそこ先を急ぎたいので今回は待たずに断念して次へ向かうことに。


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展望館こそ営業時間外で入れませんでしたが、建物のすぐそばに「日比友愛の碑」という、日本とフィリピンはズッ友だよ的な碑がありまして。
余談ですがこの碑はフィリピンの方を向いているそうなのですが。


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そこからの眺めでも十分に地球が丸く見えたりします。

気持ちのいい天気だったことも相まって、しばらくここで無心に景色を眺めていました。
そうまさに、


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空、海、風、
わたし……って感じでした。


ちなみにこの山(高神愛宕山)には、三角点が存在します。


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三角点というのは測量の際に基準となる地点を表した石です。
何気なく四方を他の石にガードされている。


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銚子の人たちはみんなこの界隈をこうやってエリア分けして解釈しているんだろうか。


ところで、駐車場から先ほどの「地球の丸く見える丘展望館」までは3分ほど登り坂や階段を上がる羽目になるのですが、途中にはよく分からない庭園が存在します。


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海風のすさまじさを物語る枝ぶりの樹。


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あるいはキャンプファイヤー予定地……かと思いきや、流木を使って波をイメージした作品らしい。
よく燃えそうである。


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よくわからん看板だ、名前も変だし……いやみなまで言うな、読みが「ホームラン」なのは察しがつく。


愛宕山を離脱し、今度は正真正銘の突端部である犬吠崎へ。
ここの移動は完全にスマホのナビ頼み。


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灯台の前には真っ白いポストと「郵便は世界を結ぶ」という言葉が。
なんだろう、何かしら郵便にゆかりのある場所なんですかね犬吠崎。


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灯台の周りをぐるっと歩ける遊歩道があったのでまずはそちらを歩く。
ススキが群生する中に歩道が通されています。

全方位のうち270度くらいが海っていう光景はなんか違和感というか凄みというか、行けるところの端まで来たんだなー感がすごい。


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で、これが噂の灯台ですよ。
今となっては高さそのものは大したことないのかもしれないけれど、周りに灯台以外の高い建造物がないので存在感はすごい。色も真っ白ですし。


さて上るよ。入場料は200円だよ。


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階段の段数は99らしいです。
九十九里にちなんでいるそうです。安直な……。

上り始めて5分とかからずに頂上に到着。


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ひょおおおお地球が丸いよ絶景だよ……水平線が弧を描いている……。

それにしても風強い。
カメラは首から提げていたのでそのまま構えるだけで済むものの、ツイートしようとスマホを出そうにも風が強すぎていつ吹っ飛んでいくか分からないので断念。


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手前の広場が恐らく日本の本土で一番最初に日の出を見られる場所ですな。

しばらくぼーっと見ていられるいい景色でしたが、風が強くてちょいと怖いのでそこそこに引き上げます。


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利根川沿いを上流に向かって走る。
県道50号から国道355に乗ります。

ちなみに現在地はすでに茨城県

もはや房総半島ではない。
しかし僕には行かなければならない場所があるんです。


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霞ヶ浦に差し掛かったところで国道を逸れて、湖畔の狭い道にシフトします。

自転車と歩行者だけの道かと思いきや、バイクでも走れる道だった。
たまに自動車ともすれ違うけど、これ車同士じゃすれ違うのきついだろうな……。


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狭いながらも舗装はしっかりされていて走りやすい。
くねくねしたり緩やかにアップダウンしたりする道をぼてぼてと走ります。

ただし歩行者は結構いるので注意が必要。
そして路肩は一旦突っ込むと嫌な結末しか見えない場所ばかりです。


こうして湖畔の道を10km強走り続けたのですが、途中で道がひときわ湖側へ張り出した場所がありました。
非常に開放感があったので撮影。

しばらくお付き合いください。


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ひととおり写真を撮って満足した後も、しばらくその場でぼーっと座り込んで湖面を眺めているなど。

しかし、そうこうしているうちに目的地で行われているイベントは着々と進行していました。
国道に復帰後はさらに茨城県内を北上します。


【第三章】九十九里浜→銚子編 ~終~