出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

房総半島暴走の旅【2】




【第二章】八犬伝灯台、いわし丼



富浦を完全にスルーして次に差し掛かったのは館山。
ここに今回の目的のひとつがあります。

館山の市街地の南方にある城山公園の入り口にバイク駐輪場という名の歩道を見つけ停車。
小高い山を10分ほど登ります。
出先での徒歩移動の多さはバイクを購入検討していた頃から想定していたので、僕はバイクに乗る時はトレッキングシューズを履いています。
歩き易さや防水性はもちろん、くるぶしが隠れるので足の保護にもなるのです。


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はい到着。館山城です。
といっても現存天守ではなく1982年によそのお城を模して作られたもの。ここ館山に城は存在していたものの、当時の様子は不明なようです。
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○Wikipedia 館山城

この天守閣は山のふもとにある市立博物館の別館として機能していて、通称が『八犬伝博物館』。

ここ旧安房国を治めていた里見氏をモチーフにした江戸時代の物語「里見八犬伝」の展示が行われています。
小学生の時にジュニア版を好んで読んでいたことがあるので、ここは外せないと目的地のひとつにしました。


○館山市立博物館


最終入場30分前でしたが入るよ。
入館料は300円。同じチケットで博物館本館にも入れますが行っていませんというか時間もありません。


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おおうマジか……八犬伝は好きだけど、うーん……

館内(天守閣)の展示は例によって撮影禁止。
八犬伝に関する江戸時代の発行物から、現代のメディアミックスの模様までが展示内容です。

そして、天守閣最上部はもちろん展望スペース。


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これが結構いい景色なんだ。
向こうの方には鋸山も見えます。


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で、気付けばもう陽が傾きだしていると。
バイク旅としてはこれからが本領発揮な道ばかりなのにだいぶ時間が押してしまったよ。


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いやでもここもいい景色なんですよなあ。


また10分かけて山を降り、駐輪場所へ戻ります。


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気付けば昼食を取っていない。
駐輪場そばにある売店を目にすると、お腹が空いているような気もするけれど空いていないような気もする。ということで、急いでいるので食べなくてもいいやと走りを優先。ゆっくり食べることは日が落ちてからでも可能ゆえ。

ここから、館山の西側に突出した半島部分をぐるっと海沿いに走りました。
日没間際のいい時間帯だったこともあり、このあたりの景色が最高でした。
橙色に染まる海岸線の景色の中を走るのが楽しすぎたので、写真はありません。
ツーリングをすると、えてして印象的な景色というのは走行中であって、一番の瞬間が写真に収められないのがもどかしいところ。


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きれいだなーと思いながらぼんやりと15kmくらい走り続け、そのまま房総フラワーラインに突入。
フラワーラインのさなかにある、道の駅南房パラダイスで一旦休憩を挟みました。

写真ではそうでもなさそうですが、実際のところはほとんど日没後でだいぶ薄暗いです。


房総フラワーラインといえば千葉のツーリングスポットとしては非常に著名(な気がしているの)ですが。
がっつり全身で太平洋を拝みながらうひょおおおおおって走れる道かと思いきや、海側は防砂林で開けた景色は拝めないんですよね。
直線がだーっと伸びているので気持ちのいい道ではあるのですが、個人的には道がうねうねしていようと海沿いの景色を期待していました。
ということで、ぶっちゃけフラワーラインよりもその手前の潮岬界隈が最高です。


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国道410号に入ったところで完全に日は落ちました。
もう少しで房総半島の折り返し地点だったのですが残念ながらここからは完全な夜間走行。

信号も交通量も少ないのでぶいぶい走れるという点では良いんですけどね。
景色が全く臨めなくなったのは惜しい……。


そして房総半島の最南端である野島崎に到着。
バイクを停めて真っ暗で細い道へ。


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怖い人は怖いと思います日没後の野島崎。

もちろん灯台の上に登れる時間ではないので、その辺をぷらぷら歩きました。
房総最南端なんだからそれっぽいもんあるだろう。


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ベンチでいちゃつくカップルとか、後からバイクでやって来た男2人組とか、携帯で電話しながらつっかけサンダルで岬の突端へ歩く少女とかが暗闇の中にちらほら見えます。


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あったあった。
すぐ近くにやたらでかいだけで何のためにあるのかよく分からない岩がありましたが暗いので本当に意味が分かりません。

そして、最南端の碑よりもさらに海側に設けられているのがこいつ。


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「絶景 朝日と夕陽の見える岬」

などと書いてあります。
ちなみにこのベンチは大きな岩をちょいと登ったところにあるので日没後はかなり足元注意です。

とりあえず座ってみましたが……暗くてひたすら波の音が聞こえるだけです。


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とまあこの辺はわりとテンション高めに写真撮りながら歩いていますが、今晩の滞在予定場所までまだ軽く50km以上あると思うと後先のことを考えるのが面倒になってきますよね。


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信号待ちの(はずがちょうど青に変わった)フラワーライン入口交差点。
野島崎から15kmくらい離れたここに30分そこらで到着しているので、交通の流れのよさは推して知るべし。というか他の車がほぼいない。


真っ暗な国道128号をほぼノンストップで突っ走りつつも、いっとき有名になった某「大学になりそびれた大学」のキャンパスを発見して散策するなどして、野島崎から2時間半ほど掛けて今晩の滞在場所に到着です。


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本日の走行距離は302.9km。

本当は行川アイランドの廃墟なんかも見てみたかったのですが、ガッツリ日没後に近寄る勇気はなかった。

ちょうど「行川アイランド駅」のそばを走ったのですが、すぐ駅前の交差点はやたら真っ暗なくせに車線が多い。
しかもその交差点から伸びる、幅の広い道の先は真っ暗。
看板等は何もないながら入り口だけは雰囲気で察しました。いつか行こうな。



今回の滞在場所も、前回の富士山麓ツーリングに引き続きスーパー銭湯と呼ばれる類の施設です。
施設内には宿泊用の部屋もありますが取りません。今回も仮眠ルートです。

○スパ&リゾート九十九里 太陽の里

どうせ一人だし安いし体力あるうちしかできない宿泊方法だしという理由は前回同様。
経験が浅く一日でどこまで進めるか読めない状況ではビジホを予約するのも多少リスキーですしね。


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宴会場兼食事処でいわし丼を注文。
夕食は入館前に外で済ませようかと思ったのですが、周りには気持ち良いくらい何も見当たらなかった。ファミマくらいだった。


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こんなステージのある大広間でぽつんと独り飯を食う。
周りからどんな風に見えているのか等は気にしてはいけない。


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花道の方には、ファンクラブが作った役者さんのタペストリーがいっぱい。
ここに公演に来る役者さんには根強いファンがいる模様。

郊外型のスーパー銭湯に来慣れていないので、こういう独特な文化を見るとほおおおおうと思わず感心してしまう。
こういう舞台一度観てみたいな。


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風呂を終え、コーヒー牛乳を飲みながら明日のルートを大まかに設定。
運転疲れもあって早々に眠くなりました。

なお、陣取ったのは人気のないフロアのソファ。
仮眠室は相変わらず空気が篭っていて入る気になれない……。
なら何故スーパー銭湯で宿泊部屋も取らずに一泊するのかという質問は無しだ。


【第二章】館山→長生編 ~終~