出かけた時から帰り道

バイク・車・フェリー・列車・飛行機・自転車による全国(時々海外)の旅行記群

秩父三十四箇所札所巡り【1】



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【第一章 スタート~札所7番(法長寺)】



2015年12月29日。

気持ちのいい晴れ空の下、まずは地元のガソリンスタンドで給油を済ませます。


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「寺の御朱印受付は8時かららしいから、日の出と共に家を出ちゃうぞうふふふふー」

とか言っていた昨晩までの自分をぶん殴りたいくらいに気持ちのいい朝を、自宅から3分のガソリンスタンドで迎えております。



年の瀬も会社がお休みであることに変わりはない。
ならば旅をしよう。

そう思い立って考えついたのが「お伊勢参り」と「秩父札所巡り」。
Twitterの投票で多かった方をやりまーす」と最終決定権をぶん投げた結果、僅差で秩父に決まりました。


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ということで、秩父への足がかり「道の駅あしがくぼ」に到着。
写真では1枚でも寒空の下2時間掛けて県境を越え、極寒の峠道を経ているのである。



さて、まずは「秩父札所巡り」ってなんぞやというところからですが。

色々書いていたら長くなったので改めてまとめ直しました。

 

u-travel.hateblo.jp




実際に巡礼したい人向けの情報も書いてみたので、その気がある方は参考にどうぞ。
……その気がない方も、とりあえず斜め読みして「うわあ」って思ってみてください。


ざっくり言えば、観音像が納められた34の札所(お寺)を回る巡礼コースです。
どうやら室町時代には既に存在していたようです。


札所めぐりを扱ったサイトは決して少なくないのですが。

実際に巡ろうと計画を練るにあたって、巡礼の大部分を占めることになる「移動」に関する情報がわりと少ない。
札所ひとつひとつのアクセスや由縁といった情報は多いのですが、巡礼としての記事はあまり無いなと思いました。

僕自身実際に巡ってみるまでちんぷんかんぷんな点が多かったので、そんな痒いところに手の届く旅行記もとい巡礼記を目指します。


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さて、道の駅でこんな地図を買ってみました。

風情があるし札所巡りのために作られた地図なので見やすくはあるのですが、略図ゆえにところどころ実際のルートに当てはめづらい節は否めない。
手持ちの地図やスマホの地図アプリと照らし合わせて使用するといいかもしれません。
僕はこの地図をタンクバッグに差し込んでどんな場所にあるか見つつ、実際のルートはスマホのナビに任せていました。


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道の駅のあった芦ヶ久保から秩父はそんなに遠くありません。
というか秩父と呼ばれるエリアそのものがわりと広大ではある。


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いつもは国道299号をだーっと走り抜けてしまうエリアから1番札所へのナビを起動してみたら、よく分からないところを走らされている。
しかし三菱マテリアルの工場と思われる面白い設備があるので良しとしよう。


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写真右手が武甲山
セメントの原料になる石灰石を採るため、斜面にベンチカットが切られた形が特徴的で、遠くからでも見分けがつきます。

それにしても天気がいいんだよ。最高にぽかぽかで気持ちいいんだよ。
峠越えで凍えていた記憶なんて既にどこへやらだよ。
ま、忘れていても帰りにまた思い出すんですが。


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秩父は全力で内陸なのに景色が広々としていて好きです。
10月頃から味をしめて秩父には既に何度か走りに来ています。


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東京方面から秩父への玄関口とも言える坂氷交差点。
……おい結局国道沿い走れば良かっただけじゃねえか何寄り道させとるんじゃナビは。


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コンクリートポンプ車。
先述のとおり秩父の名産のひとつはコンクリです。


今回の札所巡りは1番から番号順に打っていきます。
ということで序盤は秩父市街より北西方向、秩父市内ではありますが限りなく横瀬町に近い場所から始まります。


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1番札所の駐車場に到着。
県道沿いに広い砂利敷きの駐車場があります。

バイクを停めるには、砂利ってスタンドが埋もれて横転しそうで少し怖い。
ですが、この先そうも言ってられないくらいに駐車場の砂利率は高いです。

とはいえ、駐車場自体はどの札所も完備されています。
その点はさすが、巡礼者を受け入れ慣れているというか行き届いている。



【1番 誦経山 四萬部寺 (ずきょうさんしまぶじ)】


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もう正午間近ですが、ようやく秩父札所巡りスタートです。
一番の観音堂は札所の中でも唯一県の文化財に指定されているだとかなんとか。
巡礼の初っ端であったり観音堂が比較的豪華だったりするからか、人もそこそこいました。


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水曜どうでしょう』の四国八十八箇所でも見たこの小僧は、秩父にもいる。


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境内はこんな感じ。
わくわくが止まらない一方、34もの寺を一気に回るという途方もない行程に、ようやくここで不安を感じる。


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札所ひとつあたりどれくらい時間を掛けて見ていいのかが正直わからない。
とはいえ、鎌倉や京都の目玉となるような寺院と比べてしまえばひとつひとつにそこまで見るべきものがあるわけではないので、とりあえずその辺深く考えずに回りましょう。

観音堂に向かって右手に納経所兼巡礼品の売り場があります。


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巡礼グッズはここ(1番)以外にも13番、18番で販売していますが、当然ながらここが最も品揃えはよさそうです。

今回は御朱印も貰って回るつもりなので、ここで御朱印帳を購入して御朱印を貰いますぞ。


……と思ったら、1番の御朱印が既に書き込まれた御朱印帳がたくさん棚に並んでいた。
確かにな。
買う人はみんな書いてもらうんだから、用意する側としてはそうなるわな。
けど、目の前で書いて捺してもらうのを想像していたんだよな。
まあこの後散々見ることができるんだけど、一番最初だからこそ見たかった感が……まあいっか。

種類様々な御朱印帳から1500円のものをチョイスし、御朱印料コミコミで1800円なり。



1番札所を後にして、スマホのナビに従いバイクを走らせる。
降りてすぐ携えられるように、タンクバッグの地図を入れる部分に御朱印帳を入れています。

バイクだと、乗り降りする時にヘルメットとか帽子(メットでぐしゃぐしゃになる髪隠し)とか御朱印帳とかを出したり仕舞ったりする手間が意外と馬鹿にならない。
要するにめんどい。
メットをあんなに脱着しまくることもそうそうないので、最後の方は耳がヒリヒリしました。


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まだ2番目なのにいきなり林道っぽいところに連れて行かれているが大丈夫か……?
とは言いつつも、舗装林道大好きなので大歓迎である。



【2番 大棚山 真福寺 (おおだなさんしんぷくじ)】


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だだっ広い砂利の駐車場に停車。
ここの札所は無人なので、御朱印を貰うには近くにある別のお寺に行かねばなりませんが、ひとまずお参りします。


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人気は全くなし。
ちょっとした石段を登った先に観音堂があります。


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標高もそこそこあります。市街地より気持ち肌寒いくらいには。


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2番目にして山の上しかも無人なので多少ビビりますが、この感じ嫌いじゃない。
どことなくゲームの「ぼくの夏休み(初代)」を思い出す雰囲気。


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昔は観音堂以外にもいくつか建築があったようですが、火災で焼失しているそうな。

お参りを済ませたら、納経所のある光明寺を目指します。
巡礼にあたっては、スマホのナビで「秩父 ○番」と検索するだけで目的地がぽんと出てくるので基本的には一切苦労しません。

が、ネックになるのがこの「御朱印だけよそのお寺で受け付けている」パターン。
寺の名前で検索してもなかなか一発で出てくれません。
特にこの2番の納経を受付している光明寺さんは、名前もありふれているしわりと遠いのでちょいと厄介です。


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写真では伝わりづらいですが、とても急な坂を下りる羽目に。
砂利が転がっているので1速で恐る恐るエンブレをかけつつ進む。


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でも好きなんですよこういう道いいいいいいいいい


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山を降りて住宅街まで出たところで光明寺に到着。
相変わらずの駐車場だだっ広さ。


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お堂の右手に納経所があります。
納経所の中は無人で、インターホンを押したら境内にあった住宅から人が出てきて受付してくれました。

年末はオフシーズンらしく、同じ巡礼者にはちらほらとしか会いません。
結果、自分の御朱印のためにわざわざ呼び出してしまうシチュエーションが頻発し申し訳なさMAX。



【3番 岩本山 常泉寺 (いわもとさんじょうせんじ)】


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2番納経所の光明寺から3番へはものの5分ほどで到着。


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駐車場の端に無人販売が。


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3番の正面の光景はこんな感じですが、この正面の建物は観音堂ではありません。
境内入って左手の石段を登った先に、札所巡りで回るべき観音堂があります。


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そう、左手にあるんだよ。

観音堂や納経所がちょっと分かりづらい位置にあると、観音堂の前だけでなく境内を案内するかのようにあの小僧が複数体立っています。


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こちらがその観音堂。
ちなみに納経所は、反対側の境内入って右手方向にあります。

寒い時期なので納経所は受け付けていても窓を閉めていることがほとんどなのですが、開けてくれた時にふと香る線香やらのお寺っぽい香りが好き。


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ちなみに御朱印はこんな感じ。
よく見ると札所によって御朱印の雰囲気が全然違うので、集まってくると楽しいです。
書いている様子も基本見入っていました。
時々奥に持っていって見えないところで書かれてしまう場所もあるのでそんなときはややがっかり。


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次の札所へ。バイクならまたもや5分程度の場所にあります。
それにしてものどかな光景である。



【4番 高谷山 金昌寺 (こうこくさんきんしょうじ)】


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秩父を終点に持つ西武鉄道のポスターにも使われたことのある山門で有名。
両脇に吊るされているこのわらじは僕の身長かそれ以上の大きさがあります。

ちなみに、札所巡りで初の舗装された駐車場はここでした。


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石段を上って観音堂を目指す。
途中に小さな食事処があって気になるのですが、今日は先を急ぎます。


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これが本堂。
観音像はここからさらに少しだけ上った先に納められているのですが、そこの写真を撮っていない。


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紅葉シーズンにも人気のスポットなようですが、石仏群も有名らしい。
境内を歩くと両脇にずらずら並んでいる。ちょっと怖いかもしれない。


納経所は山門のすぐ脇にあるのですが、受付の人にバイクで来る様子が見えていたらしく、国道299は凍っていなかったかとかそんな世間話をしながら御朱印をいただきました。



【5番 小川山 語歌堂 (おがわさんごかどう)】


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またもや5分程度で着ける場所に5番はあります。
駐車場もあるのですがやや奥まったところなのと、前の通りも車通りが皆無なので路駐で済ませてゴーです。

そしてここは2つ目の無人な札所。
ただし人里離れたような場所ではなく、周りにはそこそこ民家もあります。


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無人の札所というのは、基本的に観音が納められているその建物しか境内に存在しないことが多い。


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いや、こいつは基本どこにでもいるんですけどね?


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所狭しと貼られた千社札が歴史を物語っている。

無人のため納経所は別の場所にあるのですが、別といってもここから300mほどの場所にある長興寺というお寺になります。
長興寺にも駐車場はあるけれど、2台分しかないし停めづらいので自動車なら5番札所からそのまま徒歩で向かうのが楽かもしれない。


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こちらになりまーす。
お寺の住職さんのお宅の普通の玄関っぽい入口をくぐると、たたきのところにカウンターがあってそこが納経所になります。


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別の場所にあるとはいえ、長興寺の入口から札所が見えるくらいの距離感である。


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次の6番へは今までよりもやや距離があります。
そして6番より手前に7番が。
徒歩であれば7→6→8と回るのが効率のいい回り方ですが、移動手段がエンジンである以上ほとんどネックにならないので番号通りに打っていきますよ。



【6番 向陽山 卜雲寺 (こうようさんぼくうんじ)】


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札所の中でもかなり小ぶりな観音堂ですが、それもそのはず斜面の途中のよく分からない立地です。


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そのよく分からない斜面の図。
バイクだと乗り上げてから思わずビビるくらいの急斜面。
上った先に比較的狭いながら駐車場がありますが、自動車は通りづらいんじゃないだろうかこれ。


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よく分からない立地なりに、武甲山が綺麗に見えるんですけどね。
ご覧のとおり天気もよく、暖かくなってきたので完全防備からここでネックウォーマーを外し、グローブも春夏用に切り替えました。
まさに向陽山の名前通りな場所。


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なぜか気に入っている一枚。
納経所の人と世間話をしつつ、御朱印を貰って次の札所へ。
坂は下り坂の方が怖いんですよおおおおおおお。


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場所もよく分からなくて一瞬迷いそうになる卜雲寺。
帰りがけに振り返っての一枚ですが、お寺は左前方の上り坂を進んだところにあります。



【7番 青苔山 法長寺 (せいたいさんほうちょうじ)】


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近くを通過した7番へ。
スマホのナビする位置が実際の入口と違っていて一度国道に放り出されましたが、住宅地を抜けた寺の東側が入口と駐車場になります。


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わりと小奇麗な印象を受けた境内。
そこに現れる新キャラクター。


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なんか看板にかわいいのがいる!!??


【第一章】1日目前編 ~終~