丸山千枚田
熊野を離脱する時点で時刻は17時過ぎ。
本日の宿は三重県志摩半島の磯部。ここ本宮から約170㎞の場所です。どんなに急いでも宿に着くのは日没後になる見込みです。
が、ひとつ寄り道します。
本宮から海側へ出る国道311号を途中で逸れて、県道やほぼ舗装林道な道幅のところを抜けた先にあるのが、丸山千枚田です。
(17:45)
(17:46)
(17:50)
育ち盛りの稲たちがもっしゃりしていて、正直なところ棚田感があまり見て取れない。
棚田はやはり田植え前後の水田に水が張っていて鏡のようになっている時期が一番美しいと思われます。
【バイク駐輪場情報 丸山千枚田】
(17:50)
見渡せるちょうどその場所に駐車スペースと東屋があります。自動車4台分程度。タイミングによっては混雑しています。
丸山千枚田から先も下道でずるずると走りたかったのですが、日の入りはもう間近。日が沈んでしまうと景色も楽しめないのでわざわざ下道を走る理由もありません。ということで、国道バイパスや高速道路をフルに利用して志摩半島まで駆け抜けました。
リゾートイン磯部
(20:51)
本日の宿は志摩半島のほぼ中央に位置する志摩磯部の「リゾートイン磯部」です。ツインをシングルユース。
志摩磯部駅の目と鼻の先にあるこのホテルは、パルケエスパーニャをはじめとする伊勢志摩近鉄リゾートに属するのですが、同じ系列で志摩スペイン村のシーズン限定ホテルとして機能している「シーズンイン アミーゴス」と客室のつくりが全く一緒です。
僕はこれまでアミーゴスの方に5回以上泊ったことがあるのですが、びっくりするぐらいに一緒です。それを踏まえると、恐らくこのホテルにシングル用の部屋はありません。
建物の地上階部分がピロティになっており、そこに車やバイクが停められます。バイクはいろいろなパーツがむき出しな乗り物なので、駐車場に屋根があることの喜びは車とは比になりません。
(20:56)
どことなく志摩スペイン村を思わせるこの雰囲気は、かつてこの駅を一円のリゾート計画の拠点のひとつにしようとした思惑が見て取れます。がんばれ近鉄、頑張れ志摩スペイン村(←志摩スペイン村大好き人間)。
夜も遅めになってしまいまっすぐホテルへ来たので、夕飯は近所のコンビニで調達しました。徒歩3分も掛からない県道沿いにローソンがあります。
(6:12)
そして、おはようございます磯部の朝です。奥に見えるのはパルケエスパーニャのキャラクター、ドンキホーテです。
(7:10)
朝飯前の散歩がてら、磯部から南へ行ったところの英虞湾(あごわん)沿いや賢島を走りに行ったのですが、特に面白いこともなかったので大幅にカット。写真は国道260号の海上区間(フェリー等運航なし)へと延びる小さな港です。
(8:14)
リゾートイン磯部に泊まると、サービスで朝食が付いてきます。
……が、朝食と言ってもごくごくプレーンなパンとコーヒー紅茶の支給しかありません。これは「シーズンインアミーゴス」でも同じことだったので、昨晩のうちにコンビニでスープを買っておきました。
(8:26)
見てくれよこの景色。どこのヨーロッパかと思うけど、ここは三重県で手前の建物は志摩磯部駅なんだ……。
パールロード
パールロードは通行量が無料です。ところどころカーブやアップダウンがえぐいので、スピードの出しすぎには注意です。
(9:09)
鳥羽展望台あたりからの景色。
道の方は時々海を見下ろす光景が広がる程度ですが、鳥羽展望台に登ればわりと見渡せます。
(9:02)
スペースの使い方が下手な海女さん。
伊勢志摩スカイライン
こちらは有料。
伊勢~鳥羽を結ぶドライブウェイ!海を望む展望足湯も大好評!伊勢志摩スカイライン
ですが、伊勢志摩スカイラインの公式サイトにアクセスするとクーポンがあります。バイクは880円→700円になります。スマホの画面を見せるだけでもOK。
有料なだけあってパールロードよりは道中比較的好展望です。ちょっとだけね。
(9:57)
伊勢志摩スカイラインのちょうど中間地点には朝熊山頂展望台があります。土産屋やレストハウスも充実しています。写真右の方に人がごちゃっと座っているのは、そこに足湯があるからです。
鳥羽と伊勢を結ぶルートは①下道(国道42号)②伊勢二見鳥羽ライン(有料)③伊勢志摩スカイライン(有料)の3つがあります。
①はコスパ、②は速度、③は観光要素と完全に住み分けられている結果、③はかなり交通量が少なく非常に快走できます。時間に余裕があるなら尾根伝いに楽しく走れる伊勢志摩スカイラインへ是非どうぞ。
……あ、でも昔からの市街地と沿岸をちまちま走る国道42号もわりと好きです。
(9:58)
山頂から鳥羽市街を見下ろす足湯つきの展望台です。僕は入ってません。
伊勢神宮(内宮)
(10:23)
空いていればバイクは入口の橋からすぐの場所に停められます。伊勢にはもう人生7度目なのにあえて来ているのは、ここにバイクを停めての参拝がしたかったからと言っても過言ではない。
(10:24)
(10:29)
五十鈴川。あのトラックメーカーの社名の由来でもあります。
(10:30)
境内に入ってから杉の森の中を縫って歩くこの参道が好きなんです。
(10:34)
写真が撮れるのはここ、本殿前の石段下まで。
(10:43)
珍しく神馬がいました。たくさんの人に見られていました。お尻を向けていることを残念がる人がいましたが、僕が馬の立場だったら同じ体勢で落ち着くだろうなと思ったので何も言えなかった。
(10:51)
おはらい通りは今回はパスします。
まともな伊勢観光はだいぶ初期に旅行記を書いているのでそちらも併せてどうぞ。
(10:51)
内宮側からおはらい通りに入ってすぐ脇にある赤福内宮前店でお土産の赤福だけ購入して、このエリアは終了。今年も赤福氷を食べたかったですが、ぶっちゃけおなかの調子が万全ではなかったのでパス。
砲台山(虎尾山)
(11:23)
僕がライトノベルにはまるきっかけともいえる作品が『半分の月がのぼる空』なのですが、これは舞台が伊勢です。虎尾山は作中では砲台山と呼ばれ、今なおファンの聖地巡礼スポットとなっています。
行き方をここに書こうかと思ったのですが、旅行記と一緒にしてもメリットが無いので別記事としてまとめることにします。
ということでここではこれにて砲台山終了。
伊勢湾フェリー
(11:51)
フェリーに乗る前に土産を調達だ。
「播田屋 通り店」。店が広いので品ぞろえが良く、駐車場も広くアクセスも良い好立地。
播田屋は伊勢の和菓子屋さんで、明治天皇の伊勢参拝にあたって創作された御用菓子「絲印煎餅(いといんせんべい)」が看板商品です。この絲印煎餅をうちの家族が好きなので、ここしばらく伊勢に来るたびに買って帰っているのです。
他にも色々なお菓子があるので是非ウェブサイトをご覧くださいませ。
(12:17)
伊勢を出て国道42号を使い、先ほど通過した鳥羽へ到着。帰りはフェリーを使って伊勢湾をショートカットです。バイクと人あわせて3600円。
伊勢湾フェリーは4輪だとネット予約が可能ですが、2輪は予約不可で完全先着順。いっぱいで次の便に回されやしないかと不安でしたが、結局この時の便にはバイクは僕だけでした。
(12:21)
乗船まで時間があるのでフェリーターミナルの売店を物色。ジャージを着る機会のたくさんあった大学生の頃ならこのTシャツ迷わず買っただろうな……。
(12:28)
まだ時間があったので、レストランで伊勢うどんを食す。
(12:47)
そして乗船。
(12:53)
船内は座席がメインの空間で、東京湾フェリーを彷彿とさせます。ただしこちらはデッキの最上階に出ることができません。
初めて乗る船でもなかったので、船内では途中で寝ました。
(14:06)
この渥美半島が信号が少なく、伊良湖周辺はアップダウンもあって楽しい道なので、ドライブルートとしても優秀です。素直に高速で帰るよりも多少お金が掛かりますが、所要時間に大差ない中で1時間くらい運転せずにぼーっと船に乗っていられるのは体力的に大きいです。
そんなこんなで夕飯時の前には東京の自宅へ到着。紀伊半島一周を無事終了しました。
(1日目後半、GPSロガーの電池が切れました)
計画段階では反時計周りではなく三重側から時計回りする説もあったのですが、最後は行き慣れた伊勢で締めたいなと思い今回のルートになりました。
十津川村とか明日香村とか高野とかの奈良エリアはまだまだ回り切れていない感が残りますが、日数のわりには観光密度と走行距離がみっちりな旅になりました。やはり天気が良いとすべて上手くいきます。ただ、いざ悪天候だった時には思い切って選んでいく思考も大切ですぞ。
紀伊半島は全体的に走りやすいです。ただ、高速道路のないエリアをはじめ、その近辺の交通が国道に集中することがあるので、時間帯によっては注意が必要です。特に南紀の海沿いは国道もさほど広くない区間があります。でも楽しいです。
さて、これまで未踏だった和歌山を一通り制覇し、分割日本一周もいよいよ終盤に差し掛かりました。残るは北海道と東北の太平洋側(と沖縄)です。
余談ですが、今回の旅の途中に般若心経イラストTを買いました。なぜか潮岬で。
以上、最後までありがとうございました。
旅行期間 2017.7.15~2017.7.17
旅行記完成 2017.10.3