2017年7月15日。
(6:08)
朝6時過ぎに自宅を出発。距離のわりにはわりと普通な時間の出発です。こんな時間を普通と言うようになったのはひとえにバイクに乗り出したことがすべてで、それ以外のことであれば今でもこんな早くに家を出るなんてまっぴらごめんでござる。
(8:38)
2時間半後、駿河湾沼津SA。駿河湾の手前に茶畑。いつも飛ばすSAだったので、こんなベタな静岡チックな風景が見られる場所だとは思っていませんでした。
さてさて、今回はタイトル通り紀伊半島を制覇する旅です。いつも東名阪を爆走する時に横目に見つつスルーしている奈良和歌山、そして最近は毎年ペースで行くもののバイクでは高速で通過しかしたことない三重をめぐります。反時計回りでめぐります。
長い長い静岡県を経て三重に突入、亀山ジャンクションからは名阪国道をチョイスし、まずは奈良県の地に降り立ちます。
(12:45)
道の駅針テラス。
関西圏のライダーさんのツーリング記録を見るとよく集合場所にしている道の駅ですね。そんな訳で気になって来てみたのですが、規模がでかくて駐車場もでかい。なるほどこの立地でこの広さなら集合場所になり得る。
ただ、特に目ぼしいものもなかったので早々に離脱しました。
山田寺
針テラスからは名阪国道を離れ、奈良県内を南西方向へ走ること約1時間。
(13:45)
道中でたまたま知ってる名前を見かけたので寄ってみた山田寺。
蘇我倉山田石川麻呂の発願による寺で、興福寺に保存される仏頭はかつてこの山田寺の本尊であったことでも知られています。
(13:46)
当時の伽藍配置の場所が分かるようにこんもり盛り上がっているだけで、基本的にはだだっ広いだけの跡地です。時代を代表するような寺院でも、時を経ればこんな状態にもなり得るものなんですな……。
そんな訳で、紀伊半島一周の旅最初のスポットは古代の浪漫感じる明日香村です。ただし、上の山田寺はギリギリ明日香村ではなく桜井市です。
【バイク駐輪場情報 山田寺】
バイクだったらなんなら伽藍に乗り込めるレベルでだだっ広いので心配は要りません(本当に乗り込むのはやめましょう史跡です)。
人気もほとんど無いので心配もご無用。駐車場なのか空き地なのか分からない砂利のオープンスペースが脇にあります。たぶん駐車場です。無料であることは間違いありません。
石舞台古墳
(13:58)
写真とかで見ると野原にスコンと石だけ置いてある印象なので、まさか金を取るとは思わなかった。よくよく考えればこの知名度で取らないことは無いですな。その割に入り口は地味です。大人ひとり250円。
(14:00)
入って10mくらいで見えます。すごーい見たことのある光景そのまんまだ。
ちなみにこの石舞台は元々こういうお墓なわけではなく、石室を覆っていた墳丘が減って露出したものらしいです。
(14:01)
回り込むと石室の中に入れます。
(14:02)
内部も意外と広い。
【バイク駐輪場情報 石舞台古墳】
(14:12)
石舞台古墳の入り口の、道を挟んではす向かいに二輪専用の駐車スペースがあります。
やや分かりにくいですが僕が行ったときはスタッフのおっちゃんがここだよって言ってくれました。
高松塚古墳
(14:30)
1300年前の古墳です。姿が復元されています。1972年に彩色の壁画が発見され話題になった古墳です。その後そっと元に戻しておいたらいつの間にかカビがヤバいことになっていたので剥がして保存・復元が決定した、そんな古墳です。
このすぐ隣には「高松塚壁画館」があります。おとな250円。
名前の通り、高松塚古墳壁画の、発見当初の「現状模写」とある程度見やすくした「復元模写」が展示されています。本物は展示されていません。
1300年前というスケールにひとたび思いを馳せるとワクワクが止まらない。目の前にあるのが模写だとしても止まらない。
【バイク駐輪場情報 高松塚古墳】
国営飛鳥歴史公園の駐車場が無料です。
文武天皇陵側にも無料で停められる駐車スペースがある模様です。
(14:24)
国営飛鳥歴史公園の小型車用駐車場に停めましたが、そこから高松塚古墳へは200mほど歩きます。
天武・持統天皇陵
(14:51)
日本史選択の皆さんには言うまでもない方々のお墓。
中世の頃にはだいぶ管理がずさんだったらしいです。明日香村界隈の古墳は悲しいかなほとんど盗掘済みな印象でしたが、盗掘された時代が見た限り軒並み鎌倉時代で、ああ、武士の世の中に変わっていったのか……と一人でやたら納得していました。
(14:52)
墳丘は八角形らしいですがよく分かりません。
ここ自体は宮内庁管轄ですが、すぐ周囲はふつうの私有地というか生活感あふれる畑でなんだか不思議な感じ。
ちなみにここには駐車場とも言えない駐車スペースがあります。というか他に人が訪れる気配が全くありません。前の道を車がびゅんびゅん通過していきます。
キトラ古墳・キトラ古墳壁画体験館「四神の館」
(15:07)
ここに来たくて明日香村に寄ったと言っても過言ではない。
キトラ古墳は高松塚古墳とほぼ同時期の古墳と考えられ、同じく彩色壁画が発見されています。
古墳のすぐ傍には保存修復施設があり、「四神の館」という展示施設も併設されています。
(15:10)
キトラ古墳壁画のためだけというわりにはかなり豪勢なつくり。壁画に対するガチ度が伝わります。
(15:15)
中はいたって普通の展示内容。ですがしっかりお金を掛けている感。
そして今回予期せぬ超ラッキーイベントだったのが、本物の壁画の特別公開が行われていたこと。南壁だけでしたが。
(15:24)
どうやら事前予約を受け付けていたらしいのですが、公開初日で知れ渡っていなかったからか、現地でたまたま見かけて飛び込みしてみたら、20分後の鑑賞枠をあっさり確保。もちろん写真はありません。
キトラ古墳壁画に関しては実は以前東京国立博物館に来た時に見てはいたのですが、まさか本場でまたご対面できるとは思わず感激。
指定された集合時刻に受付へと戻り、同じ時間枠の方々約20名弱と一緒に待機。時間になると入り口が開けられ、壁画や副葬品が展示された部屋で10分間過ごすスタイルです。東京で見た時とは比にならないガン見具合を実現させてくれました。ちなみにメインの壁画は1面のみの公開で、この時は南壁の朱雀でした。
【バイク駐輪場情報 キトラ古墳・四神の館】
(15:04)
すぐ向かいが駐車場です。満車時の第2駐車場はだいぶ離れていますが、バイクは自転車と同じスペースに案内されるので関係ありません。もちろん無料。
高野山
(17:57)
金剛峯寺の門。
明日香村を出た後は、直線で20㎞ほど南西にある高野山へ。ただし後半は山道もあって90分ほど掛かっています。5月ともなればだいぶ日は長いですがさすがにお寺は閉まっており、残念ながら参拝はできませんでした。半ば分かっていてなお来ました。
(18:10)
建物の内部には入れずとも、伽藍を見て回ることはできます。
(18:20)
大門。すごい圧倒されるスケールだったのですがこう写真にしてしまうと伝わらない。
高野山を出た後は、国道371号を南下。いわゆる高野竜神スカイラインと呼ばれる道です。間に合わないと分かっていてわざわざここに来たのは、この道を走るためでもあるのです。
(18:44)
花園物産販売所展望台なる場所を途中で発見。
(18:46)
展望台には良さげな東屋があります。
(18:46)
が、ガスっているせいかそこまで絶景という感じではありません。
ちなみに高野竜神スカイラインはかつて有料道路でした。それだけのことはあり、路面も綺麗で程よいワインディングとアップダウンを楽しめます。
(19:07)
……途中からものすごい霧に包まれましたが。この中に突っ込んでいくと、雨という程ではありませんがもれなく濡れます。
霧が無かったとしても視界が開ける場所というのはポイントポイント程度で、しばらく景色のいい道というような場所はなかったように思います。
(19:05)
道の駅ごまさんスカイタワー。
駐車場から展望台を見上げた時点で見えないのだから、上に登っても真っ白なこと間違いなし。というかそもそも営業時間を過ぎています。
そして、まともに景色を楽しめたのはこのあたりまで。
(19:53)
案の定山中で日没を迎えた後は、霧+暗闇による視界の悪さにぷるぷる震えつつ国道424号を使って沿岸のみなべ町へ脱出。
ツーリングは日没を迎えた後は基本的に走っても危ないだけで、基本楽しめる要素はほとんど無いことを覚えておくように(自戒)。適用外となるのは都会ですが、全国規模で考えればほんのわずかの例外に過ぎません。
海沿いの国道42号は片側1車線の国道のわりに交通量が多めで、今度は後続車のやや近い車間距離にぷるぷる震えつつ、本日の宿がある御坊(ごぼう)という町まで走りました。
海沿いに出てから北上しているため、経路としては最後はやや逆走気味となっています。
(21:13)
21時頃に御坊へ到着。本日の宿は「フォレストイン御坊」です。徒歩圏内に夜間買い出しのできるお店は見当たらなかったので、買い物を済ませてからチェックイン。そこそこの綺麗さのホテルだったと記憶しています。夜遅めで翌朝も早かったので、ぶっちゃけあまり印象にありません。
……そうですよ夕飯はコンビニ飯ですよ悪かったですね。時間も時間ですし一日でだいぶ走ったので、わざわざ外へ食べに行く気も起きず買って食べてお風呂入ってばたんきゅーでした。