出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

秩父三十四箇所札所巡り【2】




【第二章 札所8番(西善寺)~札所18番(神門寺)】



【8番 清泰山 西善寺 (せいたいさんさいぜんじ)】


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あれっ小僧は小僧でもなんか違う小僧がいる!?
ここにきて新キャラクターが続々登場してる!!!
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さて8番ですが、東京から国道299号で秩父に来た場合、最も手前にあるのがこの8番です。
1番からここまでは来た道を徐々に戻っていたんですね。
そして次からはまた遠ざかっていきます。


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なで佛と書いてあったのでとりあえず撫でておいた。


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お堂の前ではちゃんと笠を取るニュー小僧。
ちなみに、ニュー小僧の登場は後にも先にもこの8番だけでした。
なんだろう、旧小僧が老朽化したのかそれともあの不気味な旧小僧を住職が置きたくなかったのか……。

余談ですが、ここの駐車場は分かりづらい立地の割りにコンクリで舗装されていて綺麗です。


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国道299号を秩父市街方向へ進んで9番へ。
秋頃から頻繁に秩父へ通っていただけに、この辺はだいぶ馴染みのある道になりました。



【9番 明星山 明智寺 (みょうじょうさんあけちでら)】


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駐車場らしい駐車場がありませんが、恐らくここは境内まで乗り込んで良いんだと思います。
バス停も境内にありましたし。

畑と民家が混在するエリアにあります。
横瀬駅にわりと近いようですがあまり駅近感はなかった……。


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観音堂の形は珍しいですが、他には坊主が怖いことになっている以外特筆することもなく……。

次行きます。



【10番 萬松山 大慈寺 (ばんしょうざんだいじじ)】


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秩父の玄関口(と勝手に思っている)坂氷交差点を県道に逸れてさらに一本入った所にあります。
いやあそれにしても良い天気と良い景色である。
市街地や国道を走る気にはなれないけれど、ここのところ武甲山に見下ろされながらのんびり走れる道が多くて楽しいです。


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後から知ったのですが、どうやらここは長編アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』(通称ここさけ)の聖地なようで。
僕と同世代くらいのグループと境内で遭遇しました。


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なお僕は同作品を観ていないどころか、同じスタッフの前作である『あの花』さえよく知りません……。


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どうやらこの辺が実際のシーンに近い視点なようなので載せておきます。
実際、石段の段数がそこそこあるおかげで見晴らしは良い方です。

国道299から逸れるとはいえ、さほど遠くないので聖地巡礼も比較的楽なのではと。
ついでに札所巡りもいかがでしょうかね。



【11番 南石山 常楽寺 (なんせきざんじょうらくじ)】


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ここはガッツリ国道沿いにあります。
駐車場が実質国道に面しています。
秩父で国道といえば299号か140号ですが、今回の札所巡りはいまだ140号の通るエリアに到達していません。
だってまだ1/3にも達していないのです。

立地ゆえに訪れる人も多いのか、納経所の隣にこんな張り紙が。


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うん、まあ、色々あったんだろうな……。
札所の中でも比較的しっかりお守り等を取り揃えている場所だったので、札所とは別に単体のお寺としても著名なんだろうなと思いました。


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こういう鳥居を見つけるとテンション上がる系男子。


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次は299号を140号方面へ。
ようやく秩父のセントラルなエリアに差し掛かりました。
ここから当分は市街地の中をちょこまかと移動していきます。



【12番 仏道山 野坂寺 (ぶつどうさんのさかじ)】


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またすごく小奇麗で手の行き届いたお寺だなーと思ったら、境内の右手後方に広い墓地があって思わず「なるほど」と呟いてしまった。


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山門をくぐって振り返った時には思わず「んんっ!?」と声に出てしまった。
なんじゃこりゃ。


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@納経所。
御用のある方はこの鐘をぶっ叩けと。
いや、ビジュアル的に風情はあるんだけど、ちょっと気後れしてしまうぞこれは……。


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すぐ隣にこれもあったので、迷わず近代的な方にすがりました。


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寺社の建物の参拝者のために張り出した屋根を向拝(こうはい)と呼ぶらしいのですが、そこの上部って意外とゴリゴリの彫刻だったりするので見上げてみるといいですよ。
近所の神社なんかでも案外凝った造りになっていることがあるはずです。



【13番 旗下山 慈眼寺 (きかざんじげんじ)】


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同じ敷地内にこども園がありました。
もしかしなくても運営やっているんだろうか。


13番は秩父鉄道御花畑駅のすぐ近く。
秩父の市街地の中にあって、すぐ近くに一方通行なんかもあるのでちょっと気を遣います。
逆に言うと今までがその辺何も気にせず走って停めてができるところばかり。


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慈眼寺という名前の通り、眼に関するご利益があるらしい。

そしてここは、札所の中でも巡礼用品を取り扱っている場所のひとつです。


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納経所兼授与所(売店)兼札所連合会事務所。
中に入って御朱印をお願いしたところ、

「それ飲んでいってください」


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めぐすりの木のお茶を貰うなど。
薄味だけどおいしいです。というかあったかい飲み物が染みる。


さて、そろそろ陽が傾きはじめました。
今日どこまで打てるかを考えつつ時間配分を気にして行動せねばなりません。

しかも冬場の札所巡りは全力でオフシーズン。

それこそネットなどで知らされている納経受付時間の例外以外にも、受付終了時間が30分早く掲示されている納経所がいくつかあります。
実質16:30で打ち止めだとうなと考えつつ移動距離との相談を始めます。



【14番 長岳山 今宮坊 (ちょうがくさんいまみやぼう)】


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この辺かなーと思っていたら大胆にも横断幕が出迎えてくれた。

バイクなら13番からわりとすぐの場所。
ただしやっぱり市街地で信号や他の車が普通にいるので、所要時間もどうも今までと同じ目算ペースではありません。


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基本的に『○○寺』という呼び名でないところは、一般的なお寺としての機能というよりは札所巡り向けオンリーな雰囲気が漂う。
納経所で受付してくれる人も、なんだか普通の人っぽい印象。


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この小僧たちが時々怖いビジュアルをしているの、やめてほしい。

14番を離脱したら秩父鉄道の線路を跨いで横瀬側へ戻ります。
この時車通りの多い踏切をチョイスすると時間帯によっては混雑していて厄介ですぞ。


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踏み切り待ちでトータル走行距離4000km達成したよの図。
本日の走行はこの時点で93.8kmですね。
……そもそも秩父エリアに来るためには片道60kmくらいかかる。



【15番 母巣山 少林寺 (ははそさんしょうりんじ)】


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ここの入口と駐車場は札所の中でもトップレベルで分かりづらい。
とはいえ沿道にちゃんと看板は出ているので、大体の場所が見当ついていれば普通に見つけられるとは思いますが。


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なんだか洋風な観音堂なのが印象的です。

前庭というか観音堂の前あたりが狭いせいなのか、なんだかぽけーっと突っ立って眺めていられるような雰囲気ではなかったです……。
お参りを済ませて納経所ですいませーんと声を掛けて御朱印を貰ったら、そそくさとその場を後にしました。


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本格的に日没が迫ってきている。
納経所が確実に受付中といえるのもせいぜい残り30分程度です。



【16番 無量山 西光寺 (むりょうさんさいこうじ)】


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郵便局の脇に、札所へと続く道があります。
この先に駐車場があるのですが、停められて5台程度だから混雑時はちょっと離れた所も使ってね的な案内もあります。
郵便局の駐車スペースには参拝目的で停めるな的な断りが書いてあります。


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参拝後に納経所の戸を開けて入ったら、無人ながらもセンサー式のインターホンが自動で鳴りました。
一応目の前に呼び出し用の鐘もあったけれど鳴らさないで待っていたら、「遠慮しないで鳴らしていいんだよ」としばらく経ってから現れた受付のおば……お姉さんに言われました。


納経所は、

①入ったら納経所の受付越しに人が待機している場合
②無人センサーなり手動なりでインターホンで呼び出す場合

と2パターンあります。
前者はいいのですが、後者はわざわざ呼んで来させる申し訳なさがものすごい。
いや、①は①でずっとそこに待機してくれているから大変だろうけれど。


さて話を16番に戻しますが、ここの境内には
四国八十八箇所の本尊を全部拝めるぜ!」的な長屋があります。

ので、


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バーっと駆け抜けてきました。
すいません急いでいると言うほどでもないけれど今日のうちに回れるところまで回りたいんですでも一応見ておきたかったんです。


次の札所までは遠くはないけれど、もし16:30に受付終了するとしたら、うかうかしていると間に合わないかもしれない。

ナビはちょっと遠回りで広い道へ案内しているけれど、ここは突っ切って最短を目指すぜ!


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……なんて調子こいたら、油断即畑にスボーな細い道に迷い込んでしまった。
強引に突き抜けて無事に17番まで着きました。



【17番 実正山 定林寺 (じっしょうざんじょうりんじ)】


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駐車場と札所が離れているので分かりづらいかもしれませんが、近くまで差し掛かると駐車場まで丁寧に案内があるのでさほど迷いません。
駐車場から境内には徒歩1分程度。


どうやらここは『あの花』のロケハン地でもあるらしい。
実況していたTwitterにも反応をいただきましたが、残念ながr僕は『あの花』をまったく知りません……。


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納経所であの花ポスターまで売っていましたよ。
600円というポスターにしてはわりとリーズナブルな価格でした。
めんまとかの痛絵馬も置いてあった。

それらを脇目に御朱印だけもらう僕。
納経所の人に話を振られました。

「今日はまだ回るつもりなの?」
「いやー時間が時間なんで……18番ってまだ受け付けてるんですかね」
「たぶんやってると思うよー電話で訊いてみようか?」

気前の良さに驚きましたが電話はさすがに遠慮して、とりあえず行くだけ行ってみることに。
ちょうど折り返しの17番に来れたので今日はこれで終わりでもいいかなと思っていたところを、まさかもうひとつ行けるかもしれないとは。



【18番 白道山 神門寺 (はくどうざんごうどじ)】


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結論、間に合いました。

18番は国道140号沿いにあるためアクセスというか見つけやすさと入りやすさは札所随一。
市街地の中にあってわりと小さな境内ですが納経所は広く、巡礼グッズも多く取り揃えてあります。さすが国道沿い。


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中にはおじいさんとおば……お兄さんお姉さんがいて、御朱印をもらいつつ世間話を。

話の中で分かったのは、その方々は住職のように寺に直接関わる立場としてそこにいるわけではなく、ボランティアで納経所の受付をしているということ。


札所はたいていが檀家がいて住職がいるようなお寺なのですが、時々なんかちがうっぽいお寺がありまして。
なんだろなーと思っていたら、どうやらそういうことだそうです。
札所巡りを維持するために、地元の方々が持ち回りで札所に詰めているんだとか。
その時話をしたおb……お姉さんも「私明日は当番じゃないからいないのよ」と言っていました。

地元の力でこれだけのエリアに点在する観光資源(という表現は語弊がありますが、外から人を呼ぶきっかけという点で)を成立させ維持しているのは、決してなんとなくや惰性ではできないはず。
なにも結びつけられることなくただ34の観音がそこにあるだけでは、そこに訪れる人はゼロではないにせよ比にならない数でしょう。
きっと自治体もバックアップしていると思いますが、最終的にはそこに住む人の手に掛かっているわけで。
いわゆるコンテンツツーリズムの古くて新しい形を垣間見たような気になりました。

今でこそアニメの聖地としても知名度のある秩父ですが、そういったコンテンツ性を地域に根付かせる土壌というか風土みたいなものは、この札所巡りに端を発するのではないかなと感じました。


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地方の国道沿いのラーメン屋の看板みたいだなと思った。


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さて初日は18番にて打ち止めです。
遅めのスタートながらも18番まで回れたので、予定通り2日間で終わるでしょう。
回りきれなかったら3日目も敢行する覚悟ではいましたが……自宅からの往復だけで120kmあるので距離が馬鹿にならない。

ちなみに当初は秩父に宿を取ろうかとも検討しました。
ですが、往復できるなら宿代かけるのもなんだかなと思い、日帰り×2というハードモードを選択。


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日没を迎えると体感温度はぐっと下がる。
しかもこれから暗くてさらに寒い峠を越えなければならない。
ということで、道の駅ちちぶにて覚悟を決める。


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「あの花」と「ここさけ」推しまくりの道の駅です。
声優のサインやグッズ販売も勿論豊富。酒までありましたぞ。


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一方で僕が気になったのは「ポテくまくん」なる秩父ご当地キャラクター。
……かわいくないですか? かわいくないですか?
ついストラップを購入してしまいましたよ400円。

ちなみにポテくまくんは秩父ご当地グルメ(らしい)の「みそポテト」をモチーフにしたキャラです。


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こいつがみそポテト。道の駅でも売っています。
揚げたポテトに甘い味噌をのっけただけと言えば乗っけただけの食べ物。
しかしかわいいポテくまくんのモチーフならば僕はこいつを受け入れようと思う。



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さて峠越えである。
真っ暗な道である。
ためしに路肩に停めてライトを切ってみたら、視界ゼロの恐怖を味わった。

真っ暗なのに、地元民らしい車たちはびゅんびゅんと飛ばしていく。
暗いことよりもこの流れの速さが怖い。

そして寒い。
外はがっちり中はもこもこな冬用グローブなのに、手先は風で温度を奪われて冷たい。
あと、意外と風が当たり続ける太腿も冷たい。
首をはじめ胴体の防風防寒は完璧なのに、太腿で冷やされた血液が体中をめぐって体温を奪うというバイクならではの恐怖がここにある。


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そんなこんな言いつつも1時間ちょっとで無事山を越え、


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さらにもう1時間ほどで無事帰宅。
初日の走行距離は167km。
東京秩父間の往復を除く、札所巡りでの走行距離は50km程度といったところです。


【第二章】1日目後編 ~終~

秩父三十四箇所札所巡り【1】



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【第一章 スタート~札所7番(法長寺)】



2015年12月29日。

気持ちのいい晴れ空の下、まずは地元のガソリンスタンドで給油を済ませます。


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「寺の御朱印受付は8時かららしいから、日の出と共に家を出ちゃうぞうふふふふー」

とか言っていた昨晩までの自分をぶん殴りたいくらいに気持ちのいい朝を、自宅から3分のガソリンスタンドで迎えております。



年の瀬も会社がお休みであることに変わりはない。
ならば旅をしよう。

そう思い立って考えついたのが「お伊勢参り」と「秩父札所巡り」。
Twitterの投票で多かった方をやりまーす」と最終決定権をぶん投げた結果、僅差で秩父に決まりました。


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ということで、秩父への足がかり「道の駅あしがくぼ」に到着。
写真では1枚でも寒空の下2時間掛けて県境を越え、極寒の峠道を経ているのである。



さて、まずは「秩父札所巡り」ってなんぞやというところからですが。

色々書いていたら長くなったので改めてまとめ直しました。

 

u-travel.hateblo.jp




実際に巡礼したい人向けの情報も書いてみたので、その気がある方は参考にどうぞ。
……その気がない方も、とりあえず斜め読みして「うわあ」って思ってみてください。


ざっくり言えば、観音像が納められた34の札所(お寺)を回る巡礼コースです。
どうやら室町時代には既に存在していたようです。


札所めぐりを扱ったサイトは決して少なくないのですが。

実際に巡ろうと計画を練るにあたって、巡礼の大部分を占めることになる「移動」に関する情報がわりと少ない。
札所ひとつひとつのアクセスや由縁といった情報は多いのですが、巡礼としての記事はあまり無いなと思いました。

僕自身実際に巡ってみるまでちんぷんかんぷんな点が多かったので、そんな痒いところに手の届く旅行記もとい巡礼記を目指します。


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さて、道の駅でこんな地図を買ってみました。

風情があるし札所巡りのために作られた地図なので見やすくはあるのですが、略図ゆえにところどころ実際のルートに当てはめづらい節は否めない。
手持ちの地図やスマホの地図アプリと照らし合わせて使用するといいかもしれません。
僕はこの地図をタンクバッグに差し込んでどんな場所にあるか見つつ、実際のルートはスマホのナビに任せていました。


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道の駅のあった芦ヶ久保から秩父はそんなに遠くありません。
というか秩父と呼ばれるエリアそのものがわりと広大ではある。


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いつもは国道299号をだーっと走り抜けてしまうエリアから1番札所へのナビを起動してみたら、よく分からないところを走らされている。
しかし三菱マテリアルの工場と思われる面白い設備があるので良しとしよう。


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写真右手が武甲山
セメントの原料になる石灰石を採るため、斜面にベンチカットが切られた形が特徴的で、遠くからでも見分けがつきます。

それにしても天気がいいんだよ。最高にぽかぽかで気持ちいいんだよ。
峠越えで凍えていた記憶なんて既にどこへやらだよ。
ま、忘れていても帰りにまた思い出すんですが。


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秩父は全力で内陸なのに景色が広々としていて好きです。
10月頃から味をしめて秩父には既に何度か走りに来ています。


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東京方面から秩父への玄関口とも言える坂氷交差点。
……おい結局国道沿い走れば良かっただけじゃねえか何寄り道させとるんじゃナビは。


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コンクリートポンプ車。
先述のとおり秩父の名産のひとつはコンクリです。


今回の札所巡りは1番から番号順に打っていきます。
ということで序盤は秩父市街より北西方向、秩父市内ではありますが限りなく横瀬町に近い場所から始まります。


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1番札所の駐車場に到着。
県道沿いに広い砂利敷きの駐車場があります。

バイクを停めるには、砂利ってスタンドが埋もれて横転しそうで少し怖い。
ですが、この先そうも言ってられないくらいに駐車場の砂利率は高いです。

とはいえ、駐車場自体はどの札所も完備されています。
その点はさすが、巡礼者を受け入れ慣れているというか行き届いている。



【1番 誦経山 四萬部寺 (ずきょうさんしまぶじ)】


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もう正午間近ですが、ようやく秩父札所巡りスタートです。
一番の観音堂は札所の中でも唯一県の文化財に指定されているだとかなんとか。
巡礼の初っ端であったり観音堂が比較的豪華だったりするからか、人もそこそこいました。


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水曜どうでしょう』の四国八十八箇所でも見たこの小僧は、秩父にもいる。


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境内はこんな感じ。
わくわくが止まらない一方、34もの寺を一気に回るという途方もない行程に、ようやくここで不安を感じる。


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札所ひとつあたりどれくらい時間を掛けて見ていいのかが正直わからない。
とはいえ、鎌倉や京都の目玉となるような寺院と比べてしまえばひとつひとつにそこまで見るべきものがあるわけではないので、とりあえずその辺深く考えずに回りましょう。

観音堂に向かって右手に納経所兼巡礼品の売り場があります。


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巡礼グッズはここ(1番)以外にも13番、18番で販売していますが、当然ながらここが最も品揃えはよさそうです。

今回は御朱印も貰って回るつもりなので、ここで御朱印帳を購入して御朱印を貰いますぞ。


……と思ったら、1番の御朱印が既に書き込まれた御朱印帳がたくさん棚に並んでいた。
確かにな。
買う人はみんな書いてもらうんだから、用意する側としてはそうなるわな。
けど、目の前で書いて捺してもらうのを想像していたんだよな。
まあこの後散々見ることができるんだけど、一番最初だからこそ見たかった感が……まあいっか。

種類様々な御朱印帳から1500円のものをチョイスし、御朱印料コミコミで1800円なり。



1番札所を後にして、スマホのナビに従いバイクを走らせる。
降りてすぐ携えられるように、タンクバッグの地図を入れる部分に御朱印帳を入れています。

バイクだと、乗り降りする時にヘルメットとか帽子(メットでぐしゃぐしゃになる髪隠し)とか御朱印帳とかを出したり仕舞ったりする手間が意外と馬鹿にならない。
要するにめんどい。
メットをあんなに脱着しまくることもそうそうないので、最後の方は耳がヒリヒリしました。


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まだ2番目なのにいきなり林道っぽいところに連れて行かれているが大丈夫か……?
とは言いつつも、舗装林道大好きなので大歓迎である。



【2番 大棚山 真福寺 (おおだなさんしんぷくじ)】


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だだっ広い砂利の駐車場に停車。
ここの札所は無人なので、御朱印を貰うには近くにある別のお寺に行かねばなりませんが、ひとまずお参りします。


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人気は全くなし。
ちょっとした石段を登った先に観音堂があります。


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標高もそこそこあります。市街地より気持ち肌寒いくらいには。


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2番目にして山の上しかも無人なので多少ビビりますが、この感じ嫌いじゃない。
どことなくゲームの「ぼくの夏休み(初代)」を思い出す雰囲気。


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昔は観音堂以外にもいくつか建築があったようですが、火災で焼失しているそうな。

お参りを済ませたら、納経所のある光明寺を目指します。
巡礼にあたっては、スマホのナビで「秩父 ○番」と検索するだけで目的地がぽんと出てくるので基本的には一切苦労しません。

が、ネックになるのがこの「御朱印だけよそのお寺で受け付けている」パターン。
寺の名前で検索してもなかなか一発で出てくれません。
特にこの2番の納経を受付している光明寺さんは、名前もありふれているしわりと遠いのでちょいと厄介です。


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写真では伝わりづらいですが、とても急な坂を下りる羽目に。
砂利が転がっているので1速で恐る恐るエンブレをかけつつ進む。


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でも好きなんですよこういう道いいいいいいいいい


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山を降りて住宅街まで出たところで光明寺に到着。
相変わらずの駐車場だだっ広さ。


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お堂の右手に納経所があります。
納経所の中は無人で、インターホンを押したら境内にあった住宅から人が出てきて受付してくれました。

年末はオフシーズンらしく、同じ巡礼者にはちらほらとしか会いません。
結果、自分の御朱印のためにわざわざ呼び出してしまうシチュエーションが頻発し申し訳なさMAX。



【3番 岩本山 常泉寺 (いわもとさんじょうせんじ)】


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2番納経所の光明寺から3番へはものの5分ほどで到着。


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駐車場の端に無人販売が。


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3番の正面の光景はこんな感じですが、この正面の建物は観音堂ではありません。
境内入って左手の石段を登った先に、札所巡りで回るべき観音堂があります。


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そう、左手にあるんだよ。

観音堂や納経所がちょっと分かりづらい位置にあると、観音堂の前だけでなく境内を案内するかのようにあの小僧が複数体立っています。


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こちらがその観音堂。
ちなみに納経所は、反対側の境内入って右手方向にあります。

寒い時期なので納経所は受け付けていても窓を閉めていることがほとんどなのですが、開けてくれた時にふと香る線香やらのお寺っぽい香りが好き。


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ちなみに御朱印はこんな感じ。
よく見ると札所によって御朱印の雰囲気が全然違うので、集まってくると楽しいです。
書いている様子も基本見入っていました。
時々奥に持っていって見えないところで書かれてしまう場所もあるのでそんなときはややがっかり。


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次の札所へ。バイクならまたもや5分程度の場所にあります。
それにしてものどかな光景である。



【4番 高谷山 金昌寺 (こうこくさんきんしょうじ)】


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秩父を終点に持つ西武鉄道のポスターにも使われたことのある山門で有名。
両脇に吊るされているこのわらじは僕の身長かそれ以上の大きさがあります。

ちなみに、札所巡りで初の舗装された駐車場はここでした。


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石段を上って観音堂を目指す。
途中に小さな食事処があって気になるのですが、今日は先を急ぎます。


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これが本堂。
観音像はここからさらに少しだけ上った先に納められているのですが、そこの写真を撮っていない。


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紅葉シーズンにも人気のスポットなようですが、石仏群も有名らしい。
境内を歩くと両脇にずらずら並んでいる。ちょっと怖いかもしれない。


納経所は山門のすぐ脇にあるのですが、受付の人にバイクで来る様子が見えていたらしく、国道299は凍っていなかったかとかそんな世間話をしながら御朱印をいただきました。



【5番 小川山 語歌堂 (おがわさんごかどう)】


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またもや5分程度で着ける場所に5番はあります。
駐車場もあるのですがやや奥まったところなのと、前の通りも車通りが皆無なので路駐で済ませてゴーです。

そしてここは2つ目の無人な札所。
ただし人里離れたような場所ではなく、周りにはそこそこ民家もあります。


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無人の札所というのは、基本的に観音が納められているその建物しか境内に存在しないことが多い。


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いや、こいつは基本どこにでもいるんですけどね?


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所狭しと貼られた千社札が歴史を物語っている。

無人のため納経所は別の場所にあるのですが、別といってもここから300mほどの場所にある長興寺というお寺になります。
長興寺にも駐車場はあるけれど、2台分しかないし停めづらいので自動車なら5番札所からそのまま徒歩で向かうのが楽かもしれない。


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こちらになりまーす。
お寺の住職さんのお宅の普通の玄関っぽい入口をくぐると、たたきのところにカウンターがあってそこが納経所になります。


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別の場所にあるとはいえ、長興寺の入口から札所が見えるくらいの距離感である。


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次の6番へは今までよりもやや距離があります。
そして6番より手前に7番が。
徒歩であれば7→6→8と回るのが効率のいい回り方ですが、移動手段がエンジンである以上ほとんどネックにならないので番号通りに打っていきますよ。



【6番 向陽山 卜雲寺 (こうようさんぼくうんじ)】


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札所の中でもかなり小ぶりな観音堂ですが、それもそのはず斜面の途中のよく分からない立地です。


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そのよく分からない斜面の図。
バイクだと乗り上げてから思わずビビるくらいの急斜面。
上った先に比較的狭いながら駐車場がありますが、自動車は通りづらいんじゃないだろうかこれ。


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よく分からない立地なりに、武甲山が綺麗に見えるんですけどね。
ご覧のとおり天気もよく、暖かくなってきたので完全防備からここでネックウォーマーを外し、グローブも春夏用に切り替えました。
まさに向陽山の名前通りな場所。


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なぜか気に入っている一枚。
納経所の人と世間話をしつつ、御朱印を貰って次の札所へ。
坂は下り坂の方が怖いんですよおおおおおおお。


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場所もよく分からなくて一瞬迷いそうになる卜雲寺。
帰りがけに振り返っての一枚ですが、お寺は左前方の上り坂を進んだところにあります。



【7番 青苔山 法長寺 (せいたいさんほうちょうじ)】


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近くを通過した7番へ。
スマホのナビする位置が実際の入口と違っていて一度国道に放り出されましたが、住宅地を抜けた寺の東側が入口と駐車場になります。


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わりと小奇麗な印象を受けた境内。
そこに現れる新キャラクター。


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なんか看板にかわいいのがいる!!??


【第一章】1日目前編 ~終~

秩父三十四箇所札所巡り【はじめに】巡礼の手引き

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2015年末にバイク(VTR-F)で巡礼を行った際の体験に基づき、秩父札所巡り全般や巡礼を行う際の情報をまとめてみました。

これを読まなくても旅行記はお楽しみ頂けるようになっているので、興味のある方だけどうぞ。

  • 秩父札所巡りとは?
  • 巡礼の手段は?
  • 巡礼ってつまり何をするのか
  • 巡礼に必要なもの
  • 御朱印をいただくにあたって
  • 納経所について
  • お寺の拝観料はかかるの?
  • 巡礼におすすめなコースを教えて
  • 巡礼の所要時間は?
  • 【注意】現地に納経所のない札所について
  • 実際に札所巡りをした時の体験記
  • 最後に一応おことわり
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房総半島暴走の旅【4終】




【第四章】空、飛行機、国道6号



現地での誘導というか軒並み満車になる駐車スペースをたらい回しにされ、やっとの思いで到着。


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おびただしい数のバイクですが、ここ以外にもバイクの駐輪場はたくさんあります。
ただし、バイクのイベントではありません。


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やって来たのは航空自衛隊百里基地
年に一回の航空祭が行われています。

都心に最も近い航空基地である入間の航空祭には何度か行ったことがあるのですが、次いで都心に近い百里基地にはこのかた足を運んだことがありませんでした。
公共の交通機関で行こうとするとアクセスがほぼ絶望的に不便だというのも大きいです。

なぜわざわざ茨城の方にも来たかったのかといいますと、細かい話を抜きにすれば、入間では飛ばない飛行機がここでは展示飛行(客の前で飛んでみせること)をするからです。


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いやーたまらんですなー。


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この後もいろいろな航空機を撮りまくっていますが、ここでは割愛。


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!?
これは……。


航空祭では実際に航空機が飛んでみせたり地上で展示を行っていたりするのですが、実際の戦闘機のコックピットに座って写真を撮ってもらえるような体験コーナーもあります。


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まあ、プーさんのハニーハント級の待ち時間なんですけどね。


いかんせんこの混雑っぷりなので、出店なんかも基本的には並びまくり。
朝からろくに物を食べていませんが、まあいたしかたあるまい……。

ということはトイレ事情も推して知るべし。
基地内には仮設トイレがそこらじゅうに設置されていますが、特に女子トイレの列の長さと動かなさは安定感抜群です。
なお男性の小用だけは列の長さのわりに回転率が高いです。


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そんな感じで航空祭でした。

飛行機やミリタリー好きでなくとも、実際に飛んでいる姿はかっこいいと思うので是非近場の航空祭へいちど足を運んでみてください。

ただし、食糧事情とトイレ事情と行き帰りの交通の混雑っぷりは相応の覚悟が必要です。
入間よりは混雑していない百里基地かつバイクですら、帰るかと跨ってからまともに混雑を抜けるまで30分以上掛かりました。


さて、ようやく帰り道ですよ。
茨城から東京まで関東をほぼ横断です。

まずは国道6号を使って都心部へ南下。
この時点ですでに市街地を抜けようとする度につっかえつっかえな感じ。
まる二日間走り続けている身にはだいぶこたえました。

というか、あとは帰るだけという気分も相まって心身ともに疲れが出てくるように。
どうにかこうにか三郷までは下道オンリーで到達。

途中の写真?
帰り道だと思ってしまった以上撮ろうとも思っていませんよええ。


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三郷からさらに都心を下道で抜ける気力を持ち合わせておらず、外環を一気に走ることを決意。
横風すさまじい中を途中何度も風に煽られ、2~3mは平気で横にすっ飛ばされるなどしながら外環の端から端までひたすら走りました。

高速ですら途中で何度か小さな渋滞に巻き込まれて集中力がギリギリに。
というか、茨城を離脱する時に頑なに下道を選ぶんじゃなくて常磐道でさっさと勝手の分かるエリアまで飛んでくるべきでした。


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19時前には東京都下の自宅に到着。






ということで、房総半島暴走の旅でした。


走行距離
【1日目】302.9km
【2日目】277.3km
【合計】580.2km

気分的には2日目の方が距離走ったんじゃないかという感じだったのですが、初日の日没後の移動が長かった分差がついたようです。

しょーもない親父ギャグを実現せんと計画した旅でしたが、距離的にはちょうど良かった気がします。
もっと余裕があれば水戸まで足を伸ばして偕楽園なり行きたかったのですがまあ無茶はすまい。


それと今回勉強になったのは、ゆっくり走りたいエリア以外は容赦なく高速乗ってしまった方がいいということ。
行きはうまいこと京葉道路を使って佐倉へ行き(それでも夜間の移動がだいぶ長い)ましたが、帰りは本当に失敗だった……国道6号なんて使うべきじゃなかった……。

日没後に走ってしまった南房は近いうちにリベンジしたいと思います。
その時にはわざわざ陸地を回って通年混雑する船橋界隈を抜けるのではなく、アクアラインなりフェリーなりで東京湾ショートカットをかますべきですね。

いやでも、日没間際の内房や朝方の九十九里は本当に楽しかったです。
秋冬でも安心して走れるエリアなので今後もきっとお世話になるでしょう。

以上、最後までありがとうございました。


旅行期間 2015.10.24~2015.10.25
旅行記完成 2016.2.8


【第四章】犬吠崎→東京編 ~終~





【おまけ】南房日帰りツーリング



房総半島暴走の時には日没後で全く見えなかった南房の景色がそこそこ悔しかったので、後日走ってきました。

時は翌年の2016年2月11日。

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出発から2時間ほどでこんな景色でした。
千葉モノレールの県庁前駅付近です。

この後信号が青になったタイミングでちょうど救急車が後ろからやってきて、道を譲っていたら赤になっていて長いこと待たされたのは別の話。


前回暴走時には反時計回りで半島を攻めましたが、今回は時計回り。

東京から下道で都心を突きぬけ、京葉道路から高速に乗って武石ICでまた下道へ。
九十九里有料道路から海岸線を南に下ります。

九十九里に出たいならもうちょっと高速乗りようがあるだろうとは思うのですが、スマホのナビがここで降りろと言ったんだもの……千葉はよく分からないよ……


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さらに1時間後くらい。まだ海には着かない。
茂原のあたりらしいのですが、千葉の地理には疎いのでどこ走ってるか把握していない。


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と思っているうちに、海まで7kmという表示が見えた。
だんだん周りの景色の見通しが良くなってくる。
千葉は海沿いの印象ばかりなので、内陸寄りを走っているとなんか不思議な感じでした。


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うーみだーーーーーーーー!!!!

2月のど真ん中という、年が年ならドカ雪が降るような時期ですが、日差しがぽかぽかと気持ちいい。
天気のいい冬の海はたまらんですな。


前回は思いつきもしなかったのですが、サーファーが浜や海にいるのを見て、自分も波打ち際くらいまでは行ってみようと砂浜へトレッキングシューズで踏み入ります。

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左。


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右。

さすがに海水でキャッキャするしたいと思うほどの暑さではなかった。
これでもお腹には貼るカイロを装備しているんだ。
バイク運転中にお腹冷えて痛くなるのは経験があるけれど、つらいんです。

 




さてここから房総半島暴走仕上げ編がスタートです。
初日の日没後に走行した部分を堪能してやります。

220円を払って、白里ICから九十九里有料道路へ。


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ここはいつ来ても気持ちいいなあちくしょう。

そしてびっくりするほどの直線。
普段さほど飛ばさない僕ですら、ちょっとその気になってフルスロットル、【自粛】km/hを叩き出すなどやってしまいました。いやあ怖かった。


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前回は開店前だった一宮休憩所。
中はちょっとしたお土産や、麺類のイートインがあります。


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なんじゃこりゃ。

……もちろん買いました。
いちおう、サザエのエキス的な何かは入っているみたいです。

後日食べましたが、磯っぽいしょうゆ味のポテチって感じでした。


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休憩所の奥にある小さな丘から撮ってみる。
海目当てのサーファーや、他のドライブ客がわりといました。
よくよく考えてみればぼっちは僕くらいでした。


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南側で工事をやっていたのですが、恐らくこれ津波対策工事ですね。
九十九里有料道路の北半分は現在津波対策工事のため通行止めです。



九十九里有料道路を降りた後も、基本的にはぽかぽかな陽気の中を「んぎぼぢいいいいいいいいい」と一人で叫びながら海沿いに走り続けるだけの簡単な作業です。


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御宿を過ぎたあたりで一度停まってみる。
房総は九十九里以外は意外と海岸線が入り組んでいて、岸壁がどかーんとなっている場所がわりと見受けられます。
そのおかげで、見晴らしがいいところはいいのですが、そうでないところはがっつり内陸よりに避けて道を作ってあるので、景色最高だぜ感はそんなに長続きしなかったり。


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だから急に海が現れるとそれはそれで嬉しいんですよな。


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さて先を急ぎましょう。まだまだ長いぞ。


房総半島の南東部には、廃墟マニアには有名(らしい)な「行川(なめがわ)アイランド」というレジャー施設の跡地があります。


○Wikipedia 行川アイランド


2001年に閉園したものの、目の前にある外房線の駅名は相変わらず「行川アイランド」のままというなんとも悲しい状態です。


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なんかアイランド的な雰囲気。


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ここがかつての正面入り口。
現在は立ち入りが禁止されていますが、地元の方々は漁のためにここから海岸へ出るらしく鍵を持っているんだとか。


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鳥メインのレジャー施設だったため、トンネル内部の照明もこんな具合に。

というか実を言うと僕、開園当時に来たことあるんですよね。

やたら数の多いフラミンゴショーとか、
「飛ばないはずのホロホロ鳥が飛ぶ!」的な触れ込みのショーで、ホロホロ鳥が係員によって崖っぷちに追い詰められて否応なく羽ばたいて崖を飛び降りる様とかが、かろうじて記憶にあります。


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潜入した人たちのネットでの報告を見る限りではもっぱら進入場所としてチョイスされている場所も、こんな具合。
……いや、僕は潜入してません。してませんから。



次に停車したのは、道の駅「鴨川オーシャンパーク」


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おーしゃんぱーく。不思議な建物だ。

1階が売店、2階がレストラン、屋上は展望台だそうです。
なるほど展望台があるなら見に行かねば。


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展望台……展望台かあ……
いや、眺めが悪いわけではないんですが特段良いわけでも……



さて、もともと何時にはどこにいるだとかを全く想定しないで飛び出して来たわけですが。
案の定とでも言うべきか、なんとなく予想していたより早い段階で日没を迎えることに。
そらそうだ、もうすでに200km走っているのだ。


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道の駅南房パラダイスに到着。
まだ一応日は出ている。


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この道の駅は「アロハガーデンたてやま」という施設に隣接しているのですが、なんだアロハガーデンたてやまって……。


○アロハガーデンたてやま


残念ながら入園時間は過ぎていました。
いやだからまだ先は長いんだって。営業時間調べてる場合じゃないって。


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でもなんかこのたたずまい気になるじゃないですか。


結局、日没は野島崎と洲崎の間あたりで、走りながら迎えました。
海沿いの道を太陽に向かって走るのは最高でしたが、最高すぎるあまり停めて写真を撮る気になりませんでした。


昼間はぽかぽかしていた空気も、日没後はひんやり。
2月らしく順当に寒い中をぷるぷる震えながら北上します。

もはや暗くなって楽しむ景色もないですし翌日は仕事だから早く帰りたいしで、富浦から高速道路の使用を決意しました。

アクアラインを使って帰ろうと思うものの、ガソリンがちょうどアクアライン上でなくなりかねない残量。
富津中央から下道で走ってガソリンスタンドで給油を済ませ、君津から再度高速。
そのままアクアラインと首都高を経由し、


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新目白通りを使いたかったので早稲田出口で下道へ。
あとはもう帰りたさしかない。


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30分ちょっとで帰宅しました。
日帰りながらも走行距離は352.9km。
1日で乗った距離としては過去最高かもしれない。





バイクに乗り始めてから初めての冬ですが、そこそこ装備を整えて場所を選べばなんだかんだオールシーズン乗り続けられるもんだなーと感じています。
そろそろ春到来でバイクには格好のシーズン。
花粉症持ちにとって最悪な時期ですがそこはバイクに合わせて外に出る所存。


旅行期間 2016.2.11
旅行記完成 2016.2.14


【おまけ】南房再チャレンジ編 ~終~


房総半島暴走の旅【3】

 



【第三章】海、地球、湖



日の出を走行時に迎えたいので5:30頃に起床です。


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3階だかのテラスから。
空が白んできていますがまだ日は出ていません。
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太平洋を拝みながら浸かれる足湯がありますが今回は時間が惜しいのでパス。
宿もといスーパー銭湯を後にします。


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こいつがロッカーの鍵であり個人を識別するタグでもある。
館内の買い物の時にこいつを提示したりバーコードを読ませるだけで、退館時にまとめて後払いするというシステム。
スーパー銭湯ではごくごく一般的な仕組みですが、支払いを気にせずに色々飲み食いしそうで怖くないですかこれ。


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ということで、『太陽の里』でした。富士山麓を走ったときのスーパー銭湯より広々していて居心地は良かったです。
駐車場がすべて屋外ですがそれはまあ別にいいかなという。


さて、現在地は千葉県長生郡長生(ちょうせい)村。
千葉県唯一の村であり、沿岸部はいわゆる九十九里浜の南側になります。

九十九里浜の沿岸を貫くのが「九十九里有料道路」。
地図で見るからにがっつり海沿い&ゴリゴリの直線道路なので、走らずにはいられません。


昨晩来た道を3kmほど引き返して、九十九里有料道路の始点へ。
二輪料金220円を払って料金所を通過すると、まもなく一つ目の休憩所が右手に。


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改めまして一宮休憩所からおはようございます。

10月下旬にもなると明け方は肌寒く、ましてや剥き身で走っていると普通に寒いです。
冬用グローブを出すくらいには寒いです。
お腹冷やして痛くなるくらいには寒いです。

自販機であったかい飲み物を買ってお腹を温めつつ、明け方の太平洋を拝みます。


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とりあえず寒い。
こんな時間ですが休憩所には人の姿が4~5ほど。

ちなみに、この休憩所に入るための道には砂浜の砂がたくさん飛来・堆積していまして、タイヤがとられそうでものすごく怖かったです。


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駐車場の脇に、網を引く漁師のおっちゃん像がありました。

ので、


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同じポーズで一枚。
三脚を持参していたので、独りできゃいきゃいと撮影していました。
ちなみにお腹は冷えたままです。


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ベンチで海をぼーっと眺めるのもいいのですが、せっかくなら走りつつ景色を楽しみたいので先に進みます。
朝日を浴びながら直線を突っ走るのはやはりとてつもなく楽しかったです。
……お腹は冷えてごろごろしていましたが。



九十九里有料道路は料金所からしばらくは防砂林に視界を阻まれているので、その間景色はあまり臨めません。
道自体はほぼ直線なので気持ち良いんですけどね。

そして、防砂林を抜ければ、


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あーーーーーーーきもちーーーーーーーーーーー

開けた視界の中をだらーっとまっすぐ走ることができます。


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振り返っても同じような光景。
視界の限り自分だけ。
時間帯のせいか対向車さえもたまにしか来ず、最高に景色の貸切状態です。


さて、こんな良い道な九十九里有料道路ですが、現在(2015.11)は全線を走行することができません。


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先の震災を踏まえての津波対策工事で、北側半分が通行止めに。
惜しまれながらもほぼ中間に位置する白里ICで一般道に戻ります。


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降りたら降りたで砂浜にとても近い駐車場があってそれはそれで良い感じだったんですけどね。
砂浜に近いというか、もはや一部砂浜に埋まりつつある。


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ちなみにですが、お腹を冷やすくらいの気温ではあるため、直線でノンストップハイスピード走行の結果手がものすごく冷たくなるわけです。

持ってて良かった冬用グローブ。
使わないかなと思っていましたが、日が高くなるまでしばらく装着しました。



有料道路を降りた後は、弧を描く海岸沿いににゅーんと伸びる県道30号を30km以上ひた走ります。

地図で見るとこの道もなかなかに真っ直ぐで期待していたのですが。
道幅は広くないし、そこそこ住宅地の中を抜けるし、交通も信号もちょいちょいあるので、正直そこまで楽しめる道ではありませんでした。

ツーリングマップルではツーリングにおすすめの道の表示がありますが、海が見えるわけでもなく完全にただの移動。
何が言いたいかというと、写真がないのです!


白里ICから1時間弱走り続け、屏風ヶ浦が近づいて来たあたりで国道126号に合流。
すると道はぐいぐい上っていきます。

6kmほど国道を走ったら、右折して「銚子ドーバーライン」と呼ばれる道へ。

○銚子ドーバーライン 画像検索結果

かつては有料道路だったようですが、10年以上前に償還は済んでおり、現在は無料で通行可能な県道になっています。


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この道がまた最高なんですよ。

九十九里有料道路がひたすらに平らでまっすぐなのに対し、こちらは緩やかにアップダウンする直線。
峠に差し掛かった瞬間に広がる景色の良さに、思わず叫びながらスロットルを開いていました。

……叫びましたが恐らく誰にも聞こえていないので堪忍してください。
例によって、一番景色のいい地点では後続がいて停まれなかったので、写真は他にありませんハイ。


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滅茶苦茶楽しかった記憶の道に限って、走っていた時間はほんの数分だったりするから恐ろしい。
ドーバーラインを終着点まで走り、だだっぴろい駐車場に停めます。


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やって来たのは「地球の丸く見える丘展望館」という素敵な名前の施設です。

入館料が少々お高めのようで寄るか迷いましたが、せっかく来たのでどれどれ地球の丸い様子を目の当たりにしようではないかと思いました。


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……ですよねー。

そこそこ先を急ぎたいので今回は待たずに断念して次へ向かうことに。


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展望館こそ営業時間外で入れませんでしたが、建物のすぐそばに「日比友愛の碑」という、日本とフィリピンはズッ友だよ的な碑がありまして。
余談ですがこの碑はフィリピンの方を向いているそうなのですが。


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そこからの眺めでも十分に地球が丸く見えたりします。

気持ちのいい天気だったことも相まって、しばらくここで無心に景色を眺めていました。
そうまさに、


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空、海、風、
わたし……って感じでした。


ちなみにこの山(高神愛宕山)には、三角点が存在します。


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三角点というのは測量の際に基準となる地点を表した石です。
何気なく四方を他の石にガードされている。


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銚子の人たちはみんなこの界隈をこうやってエリア分けして解釈しているんだろうか。


ところで、駐車場から先ほどの「地球の丸く見える丘展望館」までは3分ほど登り坂や階段を上がる羽目になるのですが、途中にはよく分からない庭園が存在します。


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海風のすさまじさを物語る枝ぶりの樹。


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あるいはキャンプファイヤー予定地……かと思いきや、流木を使って波をイメージした作品らしい。
よく燃えそうである。


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よくわからん看板だ、名前も変だし……いやみなまで言うな、読みが「ホームラン」なのは察しがつく。


愛宕山を離脱し、今度は正真正銘の突端部である犬吠崎へ。
ここの移動は完全にスマホのナビ頼み。


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灯台の前には真っ白いポストと「郵便は世界を結ぶ」という言葉が。
なんだろう、何かしら郵便にゆかりのある場所なんですかね犬吠崎。


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灯台の周りをぐるっと歩ける遊歩道があったのでまずはそちらを歩く。
ススキが群生する中に歩道が通されています。

全方位のうち270度くらいが海っていう光景はなんか違和感というか凄みというか、行けるところの端まで来たんだなー感がすごい。


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で、これが噂の灯台ですよ。
今となっては高さそのものは大したことないのかもしれないけれど、周りに灯台以外の高い建造物がないので存在感はすごい。色も真っ白ですし。


さて上るよ。入場料は200円だよ。


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階段の段数は99らしいです。
九十九里にちなんでいるそうです。安直な……。

上り始めて5分とかからずに頂上に到着。


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ひょおおおお地球が丸いよ絶景だよ……水平線が弧を描いている……。

それにしても風強い。
カメラは首から提げていたのでそのまま構えるだけで済むものの、ツイートしようとスマホを出そうにも風が強すぎていつ吹っ飛んでいくか分からないので断念。


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手前の広場が恐らく日本の本土で一番最初に日の出を見られる場所ですな。

しばらくぼーっと見ていられるいい景色でしたが、風が強くてちょいと怖いのでそこそこに引き上げます。


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利根川沿いを上流に向かって走る。
県道50号から国道355に乗ります。

ちなみに現在地はすでに茨城県

もはや房総半島ではない。
しかし僕には行かなければならない場所があるんです。


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霞ヶ浦に差し掛かったところで国道を逸れて、湖畔の狭い道にシフトします。

自転車と歩行者だけの道かと思いきや、バイクでも走れる道だった。
たまに自動車ともすれ違うけど、これ車同士じゃすれ違うのきついだろうな……。


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狭いながらも舗装はしっかりされていて走りやすい。
くねくねしたり緩やかにアップダウンしたりする道をぼてぼてと走ります。

ただし歩行者は結構いるので注意が必要。
そして路肩は一旦突っ込むと嫌な結末しか見えない場所ばかりです。


こうして湖畔の道を10km強走り続けたのですが、途中で道がひときわ湖側へ張り出した場所がありました。
非常に開放感があったので撮影。

しばらくお付き合いください。


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ひととおり写真を撮って満足した後も、しばらくその場でぼーっと座り込んで湖面を眺めているなど。

しかし、そうこうしているうちに目的地で行われているイベントは着々と進行していました。
国道に復帰後はさらに茨城県内を北上します。


【第三章】九十九里浜→銚子編 ~終~