出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

イタリア卒業旅行7日間【5】




【第五章】ビール、ジェラート、リゾット



5日目。帰国を除けばついに最後の長距離移動となります。

トスカーナ州フィレンツェから、ラツィオ州ローマへ。
ということで、

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相も変わらずバスの車窓からお送りします。
ツアー客の学生一同もバス移動に飽きているご様子ですが僕もまあ朝食後の2度寝の時間くらいに考えてますよね。
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途中のドライブインにて。

売店の建屋が2つあって、片方は普通に営業中。もう片方は明らかに営業していないのですが、写真の通り平然と商品が外に並びっぱなし……適当すぎる……。


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何も意識していなかったけれどここがイタリアで最後のドライブインになったので多めに写真を貼っておきますね。


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ドライブインなのに酒売ってるのは本気でどうかと思うんだ(褒め言葉)。


この旅行最後の目的地であるローマに到着するのは昼頃の予定。
ツアー全体で昼食をとり、そのまま団体でバチカンを見学する流れになります。
フィレンツェとローマの直線距離は200kmほど。東京名古屋間くらいですかね。

ご覧の通りこのツアーはゴリゴリバス移動を使っているのですが、だいたいの直線距離をまとめてみると

1日目 ミラノ
2日目 ミラノ→ベネチア(200km)
3日目 ベネチア→ピサ→フィレンツェ(200km,70km)
4日目 フィレンツェ
5日目 フィレンツェ→ローマ(200km)
6,7日目 ローマ


これを直線移動距離だけで大雑把に日本地図に置き換えてみると、


1日目 博多
2日目 博多→広島
3日目 広島→大阪→名古屋
4日目 名古屋
5日目 名古屋→東京
6,7日目 東京


と、なんともスピーディに駆け抜けているのがお分かり頂けるだろうか。実のところバス移動の時間がかなりあるので、言葉の綾でもなくリアルに駆け抜けているばかりである。

にしても、これだけの移動をしておきながら料金は20万程度なので、わりとリーズナブルではなかろうか。
……たとえシャワーから出るのがいくら待っても水のままだとしても。


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寝る気満々の人多数の中でも健気に情報提供してくださる添乗員さん。
各都市でお土産にすると良さげなものを紹介してくれました。
ちなみに、かつての彼女と海外旅行に行った時、観光に対する温度差から別れる原因となったことがあるそうです……ふえぇ……。

ちなみにイタリアでは現地を歩きながらガイドを行うのに特別な資格が必要だそうで、これを破ると罰則金が馬鹿にならないそう。ということで、添乗員さんの解説はバスの中がメインで、降りた後は場所の紹介くらいなもの。まあどの都市でも自由行動が基本だったのでさほど不自由さは感じませんでしたが。


添乗員さんいわく、今回は学生のツアーということで、価格を抑える目的も兼ねて比較的自由行動を中心に組まれているのだとか。
これが高齢層向けになってくると、「自由行動なんて言われてもどこで何して何を食べればいいのか分からない教えて」という声が増えるらしく、結果多少お金が掛かってもみっちりとスケジュールを組まれたツアーになっていく傾向なんだとか。

確かに今回のツアーで全員一緒に行動するのって、

・各都市の移動
・すべての朝食と夕食1回(2日目夜)昼食1回(この後)
・ゴンドラ
・ローマ観光(この日の午後)

だけで、あとは現地解散ばかり。いやこれで十分というかむしろありがたい。




ローマに差し掛かったのは正午を控えお腹が空いてきた頃。


いかにもイタリアいかにもローマな景色の中をのろのろと通過していく大型バスの中からパシャパシャとシャッターを切りましたが、ローマの街並みはこの後いくらでも登場するので割愛。

渋滞気味な市街地を抜け、バスを降ろされたのは正午過ぎになってからでした。

これからツアー客みんなでおひるごはんだよ。
道の混雑のせいで時間が押して、あんまり余裕がないらしいよ。


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それでも昼からお酒を飲まない理由にはならないよね!!!

昼食はパスタ、肉料理、デザートの3品コースで、飲み物は追加で支払い発生。
どうせ払うならイタリアのビールを飲んでみようよそうしようということで飲みましたが、うん正直そこまで美味しいという訳でもない……。


さて肝心のごはんの方は、


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カルボナーラ


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鶏肉。


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ティラミス。

……あれこのラインナップ、日本にある緑色の看板したイタリアンのファミレスでも見たことあr(ry

ティラミスまで一通り平らげると、時間が押していたのでそそくさと店を出てバスへ乗車。
今日の観光はホテルに戻るまでずっと団体での行動になります。ちょいちょい自由時間は挟まりますが。



次の目的地に到着したところで、突然ですが新キャラクターが登場です。

何者かといえば、ローマのガイドさんです。
イタリア人のブロンド美人ツアーガイド(名前忘れた)と、日本人の通訳さん(名前忘れた)の2人が、停車したバスに乗り込んできて説明を始めます。

元々ツアー客である我々はインカム(受信機)を手渡されておりまして、既にそれを装着済みでした。
(イタリア入国後に配らないのは、添乗員さんがまとめて持っていると税関で売り物の疑惑を掛けられるからのようです)
添乗員指導のもと既に2度ほど操作訓練を受けていた我々。耳元(イヤホン)から聞こえる通訳さんの指示を聞き、バスをぞろぞろと降りました。

ちなみに以降、
出国からずっと一緒のツアー全体の添乗員→添乗員
この日限定のイタリアブロンド美人ガイド→ガイド
この日限定の日本人通訳→通訳
と呼び分けていきます。


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バスを降りるなり待ち構えていたのは、とうてい登る気をなくさせるような高い壁。

通訳さん「この壁の向こうはもうバチカンです」

そう、我々はローマ到着2時間ほどでいきなりローマ指折りの目玉であるバチカン市国に突撃しようとしているのです。
先端に派手な色のスカーフを装着した指示棒を掲げて先頭を歩く通訳に案内されるまま、壁沿いに歩道を歩きます。


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間もなく現れる大きなゲート。ここがバチカンの目玉の一つとなるバチカン美術館への入口のようです。

ここで、インカムの受信機部分を全員別のもの(おそらくバチカン支給のもの)に取替えさせられます。
なんなんでしょう。きっと悪用なり何なりを防止するためと思われますが。

門をくぐると、その先には見た目以上に近代的な内装と最先端のセキュリティ。空港とほぼ同じような検査を受けて先へと進みます。


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全員が一斉にインカムのイヤフォンを新しい受信機に差し替えたりセキュリティでバラバラになったりと、団体が空中分解しかねない関門を次々突破しているわけですが、さすがの通訳さん。その辺の説明を丁寧かつ迅速に何度も繰り返し、もたもたすることなく集団を率いてゆきます。


全員が無事再集合を果たすと、3枚の看板が3箇所に並ぶ広場へ。


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看板の前で解説をする通訳氏。

ここバチカン市国は言わずもがなカトリックの総本山であるサンピエトロ寺院を中心とするわけですが、
その中でも目玉の一つとされるのは、システィーナ礼拝堂とその壁画

壁画は15~16世紀に活躍したイタリアの有名な芸術家たちによって描かれています(細かい話は抜きにします)。ちなみにその中でもダントツの知名度で、そこの壁画においても大部分を描いているのがミケランジェロというおじさん。

……とまあ、解説すべきポイントがたくさんある部屋なのですが、いかんせんそこは『礼拝堂』。

「人は多いし神聖な場所で声上げてガイドなんかすんな、したいなら入る前にこの看板でしておけ。観る時は黙って見ろ」ということで、バチカン博物館へ入る前に団体向けのこのスペースがあるのです。


ガイドが終わるなりすぐにまた移動。
建物に囲まれた芝生の広場に連れて来られたと思ったら、5分間のトイレ休憩を言い渡されました。


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らしからぬ現代的なモニュメントが中央に据えられている。
そこそこ時間経っていますが、写真を撮る余裕もなかなかないくらいにただひたすら歩いて移動しております。


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「随分と急ぎ足じゃないか日本人」
とでも言いたげな、カメラを前にしても落ち着き払った鳥。
すまんな、丸1日かけても足りない場所だというのは重々承知なんだがな……。


トイレ休憩を挟んで、いよいよバチカン美術館の内部へ。
しかしそうは言っても内部を通過するだけで、見るべきものはほとんど見いていない。
ラファエロアテネの学堂』すら目にしないまま終わっていったと言えば、その通路っぷりはお分かり頂けるだろう。


添乗員さんとガイドさんをしんがりに、博物館の中を突き進む一向。
ちょっと前から気付いていたけれど、インカム通して解説するのはすべて通訳の人で、ガイドさんは直接我々に喋るどころか通訳さんに何かを吹き込む様子もない。

なるほど、つまり「ガイドの資格を持っている人」が必要なのであって、必ずしもその有資格者が実質的にガイドを行う必要はないのか……。
ピサのところでもちらっと触れましたが、資格がないと現地でのガイドはできないという制約への対策なのでしょう。


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通過中。ここの天井は凹凸があるように見えますが実は全部絵で描かれているのです。


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通過中その2。ここは本当に凹凸がありました。


バチカン美術館の展示室を廊下のように通り抜け、一行はいよいよシスティーナ礼拝堂へ。
入口手前で一時解散をインカム越しに言い渡され、15分後礼拝堂内の突き当たりの壁での再集合となりました。

ガイドによる解説を中でするなというだけのことはあり、礼拝堂内は撮影・私語・帽子の着用も禁止。ということで当然写真もありません。
人の多さもあって結構ガヤガヤしていたものの、時折マイクを使って静かにしろという指示をスタッフが飛ばしています。

奥行き40.5メートル、幅14メートルの空間。天井までの高さは20メートルもあるにも関わらず、そこに描かれた絵には吸い込まれるようでした。
気付いたら首が痛くなるくらいにはずっと上を見ていたくらいに呆然としていたのですが、まあどんな人たちがどんな絵をどういった経緯でそこに書いただとかそんな話は興味がある人は既にご存知だと思うのでここでは多く書きません。


ちなみにこのシスティーナ礼拝堂の壁画ですが、つい最近までは絵の保護のためにだいぶ薄暗い照明での観覧だったそうで。
しかし、我々が行った前の月あたりから導入された日本製のLEDライトにより、かなり明るく見える状態での展示が可能となったんだとか。



システィーナ礼拝堂の見学を終えてもまだバチカン観光の山場は終わらない。
次はいよいよサンピエトロ大聖堂の内部です。


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この4日間各所のドゥオーモを見てきたとはいえ、相変わらずの自分のちっぽけさを感じるような空間がそこに。

なんだろうなー日本の寺社建築を見るときってどっちかっていうと何かと向き合うようなイメージなのですが、教会って高さのせいか教旨のせいか知りませんがつい見上げてしまうんですよなー。

実は今回のイタリア旅行へ行くにあたって絶対に見たいと思っていたナンバー1のものがここにありまして、それが大聖堂に入ってすぐ右手におはしますこのピエタ


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先ほども名前が出てきたミケランジェロ25歳の時の作品です。僕より2歳しか年上じゃない人がこれを掘ったとは……いや比べるのもおかしいですけれど……。


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これまた有名なベルニーニ作の祭壇
というかこの建物内への光の差し込み具合があざとすぎて素晴らしい素敵なんだこれ。


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ふと足元を見れば、マンホールもどきの作りこみ具合もこれですからね。
踏める場所にあっていいのかこれ。


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ほんと光の差し込み具合があざとい(2回目)
聖堂内の随所にこういった像の置かれたところがあるのですが、こういう場所ひとつひとつがお墓だそうで。


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この絵でかいだろう……?
これ、絵とは言ってもその色の石をひとつひとつはめ込んだいわゆるモザイク画なんだぜ……?

ちなみに先ほどからさも一人で大聖堂内部をめぐっているかのような書き方ですが、左耳に装着したイヤホンからはずっと通訳さんによる解説が聞こえ続けています。団体行動です。ピエタのところでは1分くらい個別行動して眺め続けていたけれど。


そんなこんなでサンピエトロ大聖堂でした。

これで建物内部の見学はすべて終了。ものの1時間くらいで駆け抜けていきました。
とはいえその間中ほぼずっと喋り続けながらこの短時間ですぱっと終着点まで全員を連れて行った通訳さんすげえ。


ちょうど聖堂の出口のところに門番がいるのですが、その風貌がなんとも独特かつおしゃれ。


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ちなみにこれはスイス衛兵。スイスは歴史上いろんなところに傭兵を送っているそうですな。
なお、服装はこれまたミケランジェロによるものだとか。
どうやら身長の下限指定もあるようで、こんな服が似合うのもさすがの体格の良さからだと思われる。


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そして屋内を出たところはサンピエトロ広場になります。

広場のすぐそばにある土産屋で10分ほどの自由時間を与えられて買い物をすると、いそいそとバスに戻りました。
このとき寄ったお店、明らかにイタリア人な風貌なのにさらっと「これは20ユーロです」って言ってきてびっくりした。


車窓からの景色を次々と解説してゆく通訳さんの声を聞きながらバスで移動し、着いた先はこちら。


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凱旋門と、後ろに見えるのがコロッセオ
バス降りてちょっと歩いたらぽんと鎮座してるもんだから、「うおおおおあれがかああああ」というよりは「お、おう」って感じだった。いや凄いことに変わりはないんだけど。

ちなみにコロッセオの前にはローマ兵のコスプレをしたおっちゃんが何人かいるのですが、乗せられて一緒に写真を撮った日には代金を求めてきますのでご注意を。
……というような話を通訳さんがしているうちに、別の団体でコスプレおじさんと写真を撮った日本人がお金を要求されて、そこのガイドさんが仲裁に入っていました。ローマこわい。


コロッセオや凱旋門も外を見ながら歩いて通過。
そして、向かった先はツアーにありがちな提携ショップへの半強制連行です。


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写真はそこのトイレの洗面台です☆
水は蛇口をひねるのではなく、足元のペダルを踏むと出てくる形式です。
イタリアはこれがメジャーなようで、最初に出会ったときには「あれっ自動でもないみたいだしどうやんだこれ」と1分近く流し台の前で右往左往したのはここだけの話。

振り返ってみると、トイレはホテルの中を除けばイタリアでここが一番綺麗だったかもしれない。
いやまあ日本の旅行会社との提携店だし店員さん日本人だし日本円使えるしある意味納得ではありますけれども。


お店を出たらまたローマ市街をバスでの移動。
広い道でバスを寄せて降りると、車1台分くらいの幅の道をぞろぞろと歩きます。この間もずっとこれから行く場所の解説がイヤホンから聞こえます。

これから向かっているのは、ローマといえば恐らく5本の指に入るであろう観光スポット。
背を向けてコインを投げ入れればまたここに戻ってこられるという場所。

そう、


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と、トレビの…………泉……………………?


ということで工事中でした☆
泉はカラッカラに乾いていました☆

そんな工事中でも泉にコインを投げたかった人のために設けられているのがこちら。


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4.5畳くらいの浅いプール(奥にはネプチューンの写真つき!)に向かってコインを投げる縁日のゲームみたいなスペース。

……ちゃんと投げ入れてきました。入りました。
本物の泉よりも明らかにコースアウトしやすくて難しかったので、これで叶わなかった日には怒るぞ。


先ほどの移動中に通訳さんが話していた内容は泉そのものが半分(工事中ということも実はこの時既に聞いていました)、もう半分はすぐそばで売っているジェラートの話でした。


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トレビの泉に向かって右手にあるカフェ(ほぼジェラート屋)がローマの中でも有名なお店。
かなりの種類が並んでいて迷うのですが、そこで考えているとカウンター越しから、

「いらっしゃ~い、おいしいおいしいジェラートだよ~おいしいよ~」

店員さんにも日本語で注文が通じて日本語で返されるのって、楽だけどなんだかちょっぴりガッカリするのは僕だけですか。


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まあそんなこと言いつつちゃんと買っているんですけどねー。
ちなみに味は「ピスタチオ」と「ナカタ」です。

通訳さんがジェラートの話をしていた時、お薦めの味についても話していたのですが。

「ちなみに一番おすすめしないのはナカタです。あれはおいしくないです」

……そう言われたら食ってみたくなるじゃん?


ナカタとはなんぞやっつー話ですが、まあお察しの通りあの元サッカー選手にちなんで付けられた名前だそうです。


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ということでメニュー札も日の丸。
いわく、イタリア人が一番美味しいと思うジェラートに名付けたとかなんとかだそうですが、ただでさえ甘いジェラートにジャムをかけた甘々な味です。甘いだけです。

ちなみにですが、2月の屋外なのでジェラートを食べるにはそこそこ寒いです。ここ忘れちゃいけない。
そして寒いのになぜかすぐ溶けてゆく。夏場どうすんだこれ。



ジェラートを食べ終えて一行が再集合すると、再び徒歩移動開始。

気付けば陽は落ちて、街はすっかり夜の様相です。イタリアの街灯って基本的に白ってのはほとんど無くて、だいたい黄色っぽいんですよね。
10分ほど歩いて着いたのがこちら。


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スペイン広場とそこから伸びるスペイン階段です。
イタリアなのにスペインかいってのは誰でも一度は思う(はず)ですが、これは広場のそばにスペイン大使館があるからだそうで。

言わずもがなこの広場を有名にしたのは映画『ローマの休日』。
みんながあまりにもヘプバーンの真似をしてここでジェラートを食べるもんだから、ジェラートが禁止になったといういわくつきの広場&階段です。
さすがその知名度だけあって日没後も階段には人がいっぱい。いや、大所帯でここを訪れた我々が言えた口ではないけれど……。

「じゃあここで一旦解散です。再集合はこのスペイン階段を上りきったところの広場に○分後」

という通訳さんの発言を耳にして、よーいどんしたくなったのは自分だけではないはず。


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スペイン階段の上から広場を臨む。
フィレンツェでも思ったけれど、黄色い街灯って案外カメラ写りがよくて、びっくりするぐらい綺麗な色の写真が撮れる時がある。


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写真の先、ふわーっと街灯が続いている通りは、ローマの中でも高級ブランド店が立ち並ぶことで有名なところです。

そんな場所の近くで、


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こんなポーズして友人に写真撮ってもらってるんだから世話ないぜ。


そんなこんなでスペイン広場スペイン階段を経て、今日の観光はひと通り終了となりました。5分ほど歩いた先に寄せられたバスに乗り込み、本日の宿泊地へゴー。
本格的にローマ入りしてからものの4時間強でローマの有名中の有名どころを回るという強行軍ツアーでした。

結局解説はその全てを通訳の人が行っていました。現地のガイドさんは集団からはぐれる人が出ないように立ち回るくらいで、ガイドさんらしいことをすることはほとんどしていませんでした。
……いや、資格あるくらいだし必要とあらばできるんだろうけどさきっと。


ホテルに戻った頃がちょうど夕飯時。
フィレンツェの時と同様に街の中心部からは少し離れたところに位置するので、近くの繁華街まで出ることすら億劫になってしまった我々はホテル内のレストランともいえない食堂でごはんを食べました。

価格帯はおおよそトラットリアとでも言うべきようなレベル。
同じツアー客3組くらいと添乗員さんを交えて一緒にごはんというのもなかなかに面白かったです。


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リゾットを頼んでみたよ。
美味しそうに撮ろうとしたけれど無理や……。


おいしくはあったものの、この程度のリゾットではさすがに足りない。

ので、日本から持参した緑のたぬきをここで発動。

海外旅行にカップ麺かよ……とお思いかと思いますが、これが意外と心強い。
国外だと料理の量を見誤って夜に「おなかすいた……でも今からホテル出て買いに行くのも……」という事態は簡単に想定できます。
それに何より日本食が恋しくなった時に、赤いきつねでも緑のたぬきでもどん兵衛でもなんでもいいですが醤油の風味がある食品というのはかなり頼もしいですよ。

というのを、中学の頃に同級生らとアメリカへ研修に行った時、違うクラスの奴がカップ麺を持ち込んでいる様子を見て思ったので実践しました。


どっこい、イタリアって部屋に湯沸かし器ないんですよ……。
日本はもちろんアメリカやイギリスあたりならどんなビジホだろうとたいてい電気ケトルが置いてあるのですが、イタリアはそんな親切な装備が部屋にない。
そこでフロントで「お湯ってもらえますか?」と訊くと、たいてい「欲しけりゃダイニングルーム(食堂)へ行ってくれ」と言われます。よって、忙しい時間や変な時間だと行きづらかったりそもそも開いてなかったり。

例に漏れずこの日のホテルも食堂に行ってくれと言われ、出向いたところ無事お湯をゲット。ゲットというか、開封した緑のたぬきを渡してその中にお湯入れてもらって返される感じですが。

ともあれ今晩ようやくこのカップ麺作戦が成功。夜も更けた頃にイタリアのホテルの部屋でカップ麺をすする野郎の姿がありましたとさ。
食事といえばチーズと小麦粉とトマトばかりのイタリアで味わうダシの風味はたまらんですぞ。


夜食に舌鼓を打った後は、同じツアーで知り合った野郎共と一緒に酒を飲みながら人狼をやるなぞして夜更かししていました。


……ところで聞いてくださいよ。
このホテルもアメニティがうっすい石鹸と変なジェル(いちおうシャンプーと書いてある)だけなんですよ。

どっちも全然泡立たないんですよ。


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お湯といいトイレといい風呂まわりといい、水にまつわる部分をあまりにも軽視しすぎではなかろうかイタリア。



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第五章 ~終~