※この旅では現地到着後すぐに怪我を負い旅を中止したため、観光要素はほとんどありません。準備や往路までは参考になる部分もあるかと思いますので記録として残しておきます。そして何より、今後も旅を続けるにあたり自戒の念を込めて。
2019年4月26日。
(15:39)
ゴールデンウィーク前最後の仕事を午前中で切り上げ、羽田空港にいました。一時帰宅して荷物を持ちかえ着替えを済ませた状態です。
羽田空港
(15:42)
よく言われる話ですが、連休などの混雑時は2時間前には空港に着くようにしましょう。仕事上がりから即帰宅即出発でも空港に着いたのは1時間前。チェックインから荷物預り、保安検査を抜けるまでほぼ余裕がなく、かなり慌ただしいスタートでした。
今回の行先はトカラ列島(吐噶喇列島)です。……といっても、関東だと95%くらいの人からは「どこそこ」的な反応が返ってきます。
トカラ列島は鹿児島県に属し、九州本土と奄美大島の間160kmにわたって点在する有人7島、無人5島からなる列島です。これらの島がまとまって「十島村」というひとつの自治体になっています。それでも総人口は700人足らず。観光地としてのマイナーさと人口の少なさ、アクセスの悪さから、日本最後の秘境とも呼ばれる場所です。
そんな場所を僕が知ったきっかけはTV番組でした。それも「世界ふしぎ発見」でした。秘境っぷりをお察しいただけただろうか。トカラ列島と青ヶ島(東京都)を取り上げた回で、リアルタイム放送当時に八丈島の民宿で夕飯を食べていた僕は、行ってみたいなと思ったのでした。
表記としては「吐噶喇列島」が正式ですが、難読かつ環境依存文字のため、本記録では基本「トカラ列島」と表記していきたいと思います。
鹿児島空港
(18:04)
(18:06)
そして飛行機は鹿児島に到着。ここから空港連絡バスに乗り鹿児島市内まで移動します。10分スパンくらいで出ているようで、かなり高頻度です。
(18:24)
それでも到着便の波のせいか通常の座席がいっぱいで、補助席に座りました。
40分ほど揺られ、鹿児島一の繁華街である天文館で下車。ここからは歩いて鹿児島港を目指します。そうです、トカラ列島へは船で行きます。というか船でしか行けません。
十島村営フェリー乗り場
(19:44)
ドルフィンポートというモールを抜けた先に港があります。トカラだけでなく離島への各便が名を連ねます。
トカラ列島行きの船は村営のフェリーです。が、鹿児島港では中川運輸という会社が委託先になっているようです。
フェリーとしま2
(19:59)
今回乗船する「フェリーとしま2」。旅客定員は297名。思っていたよりも大きいです。2018年就航の新造船です。
このフェリー、鹿児島~トカラ列島の各島~奄美大島(名瀬港)を2日間かけて往復するのが1便の行程です。かつては名瀬に行かない便もあったようですが、現在はすべてが名瀬に寄港します。……ちなみに、通常期は週2便だけです。
この「フェリーとしま2」ですが、情報収集しようにも公式サイトがどうも見づらい。よくよく見ればちゃんと書いてはあるものの、日を跨いで運航するため何日の何時に出るのか正直分かりにくいです。良く言えば商売っ気がありません。
ちなみに、予約は「鹿児島から乗船する下り便」のみ可能です。電話予約に加えてつい最近ネット予約ができるようになりましたが、TOPページから一発で予約画面に進める訳ではなく、お知らせ欄にひっそりとネット予約開始のお知らせと予約ページへのリンクが貼られているだけ。
そのネット予約も何日前から可能なのかよく分からなかったのですが、気付いた時には予約ページに希望の日程が出ていました。しかも既に寝台が売り切れていました。
念のため電話で確認してみると、キャンセルが出たので寝台も2席空いているとのこと。そのまま電話口で名前と行先を伝えて予約完了です。
(19:58)
予約の場合は当日21時までに乗船券売り場へ行き、窓口で名前を伝えて料金を支払うと乗船券を発行して貰えます。受付の方が照会していた予約管理の座席表が手書きだったことに驚きを隠せない。後々分かったことですが、その手書きの座席表は出港時に船内へ持ち込まれ、各島で乗り降りが起きるたびに手書きで書いたり消したりと管理しているようです。
ドルフィンポート
(20:30)
乗船券を受け取ったら、待合所に荷物を置いてドルフィンポートへ。
(20:13)
本土最後の夕飯は、島では絶対に食べられなさそうなものをチョイスしました。
十島村営フェリー乗り場
(20:52)
(20:55)
(21:05)
ぼちぼち乗船可能になったので乗り込みます。
(21:09)
こちらが寝台。4名1室が基本のようです。
(21:13)
寝台にはコンセントと照明あり。通常の2等部屋にも1人1つコンセントは完備されているようです。
出航前に充電類を済ませておくか……と思ったら、まさかのここでiPhoneの充電ケーブルを忘れていたことが発覚。すぐに船内をあたりますが、充電器なんて気の利いたものが売っているはずもなく。
lightningケーブルを持って来忘れたことに乗船してから気付いた危うく意図しないデジタル断ちをするところだった(一時下船させて貰えました) pic.twitter.com/GVLWlQQTZg
— 奇行太朗(リハビリ中) (@kiko_taro) 2019年4月26日
(21:49)
1週間SNS断ちも覚悟しかけたところでしたが、フェリーとしまは乗船時間中であれば一時下船が可能でした(その際には半券をお忘れなく)。
乗船前に買い出しに行ったファミマへ再来し無事iPhone用のケーブルを入手。
普段はやらないようなミスだけに、この時から多少嫌な予感がしていたことは否めません。
(21:47)
船へ戻る途中の青看板。徹底的な島行きエリアです。
忘れ物を買い足して来たら、改めて船内をうろうろしましょう。時系列無視で、船内で撮った写真をまとめてお見せします。
(7:40)
船内図。
(5:31)
案内所。フェリーとしま2は全席指定なのですが乗船時までは席が決まっていません(鹿児島出発時を除く)。どうするかというと、乗船してすぐこの案内所に立ち寄り席の指定を受けるのです。
(5:31)
(7:40)
階段と、それを上った先にある船内唯一のラウンジ的空間。なぜかちょっとだけ本とか雑誌が置かれています。けれど誰も読んでいません。だいたい皆ぼーっとしています。
(21:55)
(21:55)
レストラン兼売店のすぐ向かいに自販機があります。飲み物だけでなく、パンからカップ麺から酒からアイスまで売っています。パンは日持ちすることを売りにしている系の菓子パンです(小笠原でもよく目にした)。
ちなみに、不覚にもレストランの写真がありません。といってもカウンターが設けられている程度で、レストランといっても冷凍をチンしたものらしいのですが。
ちなみにレストランは売店も兼ねていて、売っているものは主にトカラのお土産です。ここで8枚組の絵はがきセットを購入しました。コンビニで調達しておいた62円切手と組み合わせ、トカラ各島のポストに投函していこうという魂胆です。
(0:37)
寝台ではがきをしたためるの図。
船内の写真、本来ならもうちょっと用意したかったのですが、当初何度も何度も乗る予定だった中で素材を集めようとしていたので、少なめで終わってしまったのはやむをえません。
(21:55)
そんな感じで今度こそちゃんと乗船。デッキで出航を待ちます。
(21:56)
(21:56)
(23:00)
そして離岸の時がやってきました。
(23:04)
ああしばらくは本土の土を踏めない……しかもこれで本土に戻ってきたとき、日本は令和の時代を迎えているのです(という予定だった)。
(23:09)
普段の島旅の出発地である東京湾とは違って、沖に出てしまえば景色は真っ暗。桜島と鹿児島港を行き来する桜島フェリーの姿をかろうじて認めることができました。
本日の行程はこれにて終了ですが、ここで一度旅全体のスケジュールに触れておきましょう。
先述の通りフェリーとしま2は通常期週2便なのですが、GW期間中はピストンでほぼ毎日運航しています。それを存分に利用したアイランドホッピングを敢行し、10日間で7島すべてを回ってしまえとそういう作戦です。
(「東」は東京、「鹿」は鹿児島、以下はトカラ各島と奄美の名瀬を指しています)
就航予定日は年度ごとに予告が出る(変更の可能性がありますという文言付きで)ですが、新着情報としてリンクが用意されるだけで、後からも追いやすいよう体系的にページが管理されることがないようです。予約といいとことん初見に厳しいフェリーとしま2です。
そして各島で宿を確保しよう……としたのですが、なんと宿を確保できたのは最初の3泊だけでした。今回僕は金曜夜という若干フライングスタート気味な旅程でしたが、4泊目以降は月曜夜に鹿児島を出た人々も次々トカラに上陸するため、観光客が倍増し宿が埋まっていたのです。
そんなわけで、4泊目以降はすべてキャンプ場でのテント泊で準備しました。テント等のキャンプ用具はもちろん、島によっては売店すら無いので食料もある程度持ち込みました。結果、わりと尋常じゃない荷物の量でした。