出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

船と原付で行く年末年始の小笠原諸島【2】二見港、シートピア、南島上陸ツアー

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(6:24)

そして朝ですおはようございます。

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(6:32)

既に20時間近く乗船しています。船旅が好きでよく東海汽船にもフェリーにも乗っていますが、さすがにやることが無くなってきます。長期のクルーズとかってきっと毎日のように船内イベントをやっているんでしょうね。

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(7:59)

BS放送か何かで姫だるまが出ていました。水曜どうでしょうで見たやつだ!

 

聟島列島

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(8:55)

船外へ。気持ち暖かい気がします。

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(8:56)

久々に陸地を目にしました。聟島(むこじま)や媒島(なこうどじま)あたりの、いわゆる聟島列島と呼ばれる一帯です。無人島ですがれっきとした小笠原諸島かつ小笠原村です。

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(8:57)

みなさん暇を持て余しているのでいっぱい外に集まります。

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(8:58)

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(9:38)

曇ってこそいますが、かろうじて雨は降っていません。

 

父島・二見港

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(9:38)

見えてきましたあれが父島です。でもまだ1時間掛かります。

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(10:40)

そして1時間経った光景がこちらです。

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(10:44)

ちらほら建物が見えてきました。

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(10:46)

港へアプローチしていきます。父島の港は湾内にあるので、外海に比べて明らかに波が穏やかになります。

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(10:52)

港へ先に停まっているのは、父島と母島を結ぶははじま丸です。今乗っているおがさわら丸の父島到着後に出航します。

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(10:53)

港からちょっと外れたところに火力発電所が見えました。

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(10:54)

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(10:59)

24時間も航海しているのに驚くほどジャストタイミングの到着です。下船タラップは2本掛けられます。

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(11:08)

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(11:09)

いざ上陸。

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(11:09)

下手したら数十年は行けないかもと思っていた憧れの地に上陸を果たしました。

 

シートピア

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(12:26)※後で撮影

小笠原滞在中お世話になるのがこちら。港から歩いて2分程度なので、送迎も車ではなく徒歩でした。

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(11:15)

上陸から5分そこらで部屋まで案内されていることからその近さをお分かりいただけるだろうか。予約関係でごたついていた時には港から離れたロッジなんかも検討対象ではあったのですが、自分たちの行程的には商店や港の近くが大正解でした。

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(11:36)

部屋の名前はクジラから取っているようです。出してもらったお茶を飲み宿帳を記入したら、早速街へ繰り出しましょう。

 

大村地区

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(11:38)

港の目の前の通りを西に進んですぐの場所が大村地区と呼ばれるエリア。父島最大にしてほぼ唯一の繁華街です。飲食店や土産屋は、ここともう一本陸側の通りに集中しています。一帯は歩いて回れる程度の規模です。そりゃあ観光客だって船の定員以上は来られないし、そもそも人口は2000程度ですからその程度です。しかしそれくらいがちょうどいい。

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(11:39)

ベタなお土産屋さんは通りに2軒だけ、それも並びあっています。いい感じのギョサンがあれば買おうと思っていたのですが、残念ながら見当たらず。

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(11:44)

街のほぼ中心に位置するのがこの小笠原観光(有)さん。今日の午後にドルフィンスイム&南島上陸ツアーを予約してあったのですが、ツアー集合の前に準備に関する簡単な説明を受けに行きました。

 

島寿司

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(11:44)

小笠原観光(有)のすぐ近くにあるのがこちらのお寿司屋さん。

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(11:46)

お寿司屋さんといってもメニューはシンプル。

ここに来たのは他でもない、カメの寿司が食べたかったからです。そうですあの亀です。ウミガメです。

日本国内では原則ウミガメは食用の捕獲ができないのですが、小笠原では元来亀を食していた文化があったことから、現在でも捕獲数を制限されたうえでカメの漁が許可されています。その代わりウミガメの保護にもちゃんと努めています。一見矛盾するようですがそれこそが文化の維持というものなのでしょう。

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(11:49)

島カメという、島寿司(奥)とカメ(手前)のセットを注文。

人生初のカメ肉ですが、思っていたほどクセはありません。魚系の味ではなく、完全に肉のそれでした。焼いた肉ではないのでなんとも形容しがたいですが、歯ごたえは鶏というよりも牛に似た、ほろっとした食感です。

島寿司は相変わらずの安定感。島寿司は魚の醤油漬けをネタにし、ワサビの代わりにからしを使ったお寿司です。八丈島が有名でよく食べることができますが、小笠原でも出すお店が数軒あります。ネタに使う魚は様々ですが、小笠原という場所柄と時期的には恐らくサワラでしょう。

上陸から1時間足らずで、小笠原に来たらやってみたいことの一つ「カメ肉を食べる」をクリアしました。個人としてはこの文化を支持しますが、国際的には槍玉にあげられかねないですよねこれ……。

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(12:26)

通りにはサメバーガーの看板なんかもあって、見つけてはこれも食べてみたいなどと言いつつ一度宿へ戻りました。

 

ドルフィンスイム&ホエールウォッチング&南島上陸ツアー

腹ごしらえを済ませたら宿に一時帰還(本当に宿が集落の中で良かった)し着替えを済ませ、再び小笠原観光へ。

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(13:08)

完全にマリンアクティビティスタイルですが、12月30日です。

ちなみに用具はほとんどレンタルで、自分で用意したのは宿から履いてきた水着のみ。

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(13:10)

ぶっちゃけ自分で歩いたほうが早いんじゃないのという距離をバスに乗って移動し、

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(13:12)

決して大きくはない船に乗船。ツアーの人数は20名程度です。

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(13:36)

船尾の方に座るところはありますが、全員が全員座ろうとするときゅうきゅうなので、前の方で所在なさげに立っていました。が、景色はよく見えるし日が差すとぽかぽかだしでわりと悪くないポジションでした。

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(13:47)

おがさわら丸では気にならない程度の波でも、このくらいの小型船だとだいぶ揺れます。ツアー客の中には、ガッツリ酔って船内の風下に陣取り海へ撒き餌をしている人もいました。

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(13:55)

手前の島、なんか人工物が立っていました。

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(13:57)

途中、狭い岩の間を抜ける際に乗客みんな船の両サイドに立たされました。そうすることで船が安定するそうです。

 

南島上陸

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(14:00)

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(14:01)

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(14:02)

そして南島に到着。船の先端から岩場に半ば飛び乗ります。

南島は植生保護のため1日あたりの上陸人数が定められています。また、年中上陸できるわけでもなく年間のうち3か月間ほどは上陸禁止期間です。この年末年始はその上陸禁止期間の真っただ中なのですが、この期間のみ上陸が認められています。

ちなみに、上陸前の船上では靴やサンダルの裏を洗い流しています。

ja.wikipedia.org

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(14:05)

上陸後程なくして道は獣道に。

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(14:05)

その獣道の中でも極力飛び石の上を歩くように言われます。とはいえその飛び石も庭のように平らではないので歩きにくいです。ツアーでは底がしっかりしたサンダルで来るように言われていましたが、この歩きにくさではマリンシューズで正解でした。

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(14:06)

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(14:08)

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(14:08)

難度高めの足元のくせに突然きれいな景色の中に放り出されるもんだから、どこに目を向ければいいのやらものすごく忙しいです。とはいえこの地面の露出はヤギの食害によるものらしく、かつては常緑低木が生い茂っていたようです。

 

扇池(南島)

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(14:10)

南島で最も有名な景色であろう扇池です。池と言いますが扇形をしたこの部分はご覧の通り入り江で海水です。

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(14:10)

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(14:14)

南島自体には先客がいたものの、ここ扇池は我々が一番乗りだったようで、砂浜にまったく足跡のない扇池を撮ることができました。

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(14:16)

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(14:18)

扇池の前の砂浜は存外広いです。

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(14:18)

ヒロベソカタマイマイの半化石。絶滅種です。手に取って写真を撮るまでは許されましたが持ち帰りは厳禁。なるべく踏んだりもしないようにと言われました。そりゃそうですなもう増えようがないのですから。

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(14:20)

砂の上にいっぱいコロコロしているのがヒロベソカタマイマイです。

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(14:27)

来た道を歩いて戻ります。この飛び石のハード具合をお分かりいただけるだろうか。

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(14:27)

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(14:30)

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(14:34)

この手の景色を見るたびに「モンハンみたい」って思ってしまう癖をどうにかしたい。

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(14:35)

そして船へ戻りました。

 

ホエールウォッチング

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(14:59)

中央よりやや左に見える赤茶な部分がハートロック(千尋岩)。名前の通りハート型に見えるからですが、見え方としては正直微妙な気がします。

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(15:13)

南島を離れた後は、父島の周りをぐるりと回りながらホエールウォッチングです。冬場にだけ小笠原近辺に現れるザトウクジラたちを探します。スタッフの一人が船の舳先に立ち、クジラの上げる潮を見て船長に方向を伝えます。といっても見つけるのは数分に1回くらいで、見つけてそこへ向かったとしても必ず見られる訳ではありません。一度海面に上がると軽く数分は出てこないこともあります。観光情報を調べるにあたって、クジラがザッパーンしている写真を何枚も見ましたが、あれらはひょっとしたら何日も何週間も海に張り込んでヤマ張りながら半ば運ゲーで勝ち得た一瞬なんだろうなとしみじみ思いました。
まあそんなわけで、写真を撮ることはハナっから諦めていました。肉眼では数秒×数度だけクジラの姿を拝めました。すごい遠いのに大きかったです。

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(15:16)

ゾウさん感満載な岩を見つつ海をどんぶらこ。

 

ドルフィンスイム(?)

南島に上陸し、写真は無いもののクジラも見た後、残る未達成のミッションはドルフィンスイムです。野生のイルカの泳ぐすぐ横で一緒に泳ぐアレです。波の穏やかなところでイルカの群れを見つけ次第、船を止めてドルフィンスイム開始となる寸法だったのですが、

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(15:22)

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(15:30)

唯一現れたカマイルカの群れは人間に近寄ってくれずドルフィンスイムに向かない種らしいです。「イルカの群れはこれが最初で最後になりますが入る人いますか」と船長に聞かれましたが、そんな前置きされちゃあ誰も名乗り出ない。実際、船で近づいても群れはずんずん移動していっているのです。

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(16:00)

船の上では各種飲み物が用意されていて、備え付けのみそ汁やココアをお湯で溶いて飲んでいました。そう、やっていることは夏な感じですが、今は年末。いくら東京から南へ1,000kmとはいえ決して暑くない。というか若干寒い。

ちなみに、コップに書いてあるキノコというのは、自分が使っているコップを識別するために振られたこの子の名前です。

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(16:30)

だいぶ長いことクジラを探しつつ、最後、港へ向かう前に少しだけ海でシュノーケリングをする時間が与えられました。イルカはいませんがとりあえず海に入ろうのターン。ようやく持ち込んでいた防水カメラの出番です。↑の写真も立ち泳ぎしながら撮っています。

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(16:24)

とはいえ、大した値段のしない防水カメラでは完全に日が傾きつつある水中で大した写真が撮れるはずもなく。

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(16:33)

ブレブレゴボゴボな僕ですこんにちは(嫁撮影)。

世界遺産にほど近い海で泳げたのは楽しかったのですが、船から上がってしばらくはそりゃもう寒くて寒くて貸し出される分厚いコートを羽織ってもなお寒かったのですが、体が乾いてくるとそうでもなくなってくるあたり、さすが小笠原といったところ。

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(17:05)

港に戻ったタイミングがちょうど日没くらいでした。さすがの時間配分。

ツアー後、同じ小笠原観光さんで予約していた原付を借りました。免許証を宿に忘れていて、一旦歩いて宿へ戻るなどしました。宿が大村の集落内で本当に良かった。