出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

九州一周の旅【6】桜島・佐多岬・都井岬・日南

5日目の朝はフェリーから始まる。

 

 

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桜島フェリーです。

鹿児島市桜島を結ぶ、約15分間の航路。

 

ピーク時には片方の港から15分おきに船が出る、驚異のフェリーです。

さらに恐ろしいのは、24時間運航しているということです。

関東の下手なJRよりよほど優秀ではなかろうか。

 

 

 

 

 

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霧島高原へ行きたさもかなりありましたが、今回は時間の都合で断念。

 

しょっぱなから桜島へと渡り、そのまま海岸線を攻め続ける予定です。

 

 

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しかし、天気はあいにくのどんよりどよどよ。

というか、天気予報では今日は雨です。現状まだ降っていないだけマシとも言える状態。

 

 

ちなみに、昨日実家に泊めさせてもらった友人とは今日から明日にかけて一緒に走ります。

 

 

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下船準備中。あっという間の船旅である。

 

船を降りたら、桜島の南側を走ります。

 

 

 

この時からすでに雨らしきものがぽつぽつと。

そして肝心の桜島も雲をかぶっていて、山肌が中腹までしか見えない。

 

「うわー雨きそう」という焦り具合を、この写真の少なさからお察しいただきたい。

 

 

 

桜島の東側は陸続きのため、そのまま走っていると大隅半島に到着。

 

錦江湾(鹿児島湾)ビューのイケイケなシーサイドツーリングも、海と空の境目があいまいなどんよりムード。

晴れていたらいい景色なんだろうな……という感想ばかりを抱きつつ、そのまま走り続けること30km。

 

 

道の駅でトイレ休憩。

 

 

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揚げたての平天(揚げかまぼこ)。

 

宣言通りほかほかしていた。

おいしそうだけど、朝ごはんまでしっかりと友人宅でいただいてしまったので買わなかった。

 

 

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さすが鹿児島、さつまいもが安い……この量で100円……。

 

 

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色合い等に一切手を入れていない写真で、景色のどんより具合をお確かめください。

 

 

その後も海岸線を走り続けますが、間もなく天気は「なんか時々水滴が落ちてくる」から「パラパラきてる」にランクアップ。

 

さすがにこれはカッパを着た方がよさそうだと、いったん停車してカッパの上下を着こむ。

 

 

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するとタイミングよく雨が本降りになる。

いや、タイミングが良いも悪いも降らなければベストなんですが。

 

ここで首から提げていたカメラをしまい、ヘルメットにつけたカメラも撤退。

道中の記録手段が奪われましたが、そもそも楽しめる景色も魅力半減で残念な感じなのである。

 

……とはいえ、なんだかんだ楽しいんですよねこの状況が。

 

 

バイク購入後すぐに買ったカッパを初めて着用しながらのツーリング。

向かっているのは、九州最南端で本土最南端の地でもある佐多岬です。

 

国道が県道になりだんだんと山あいの道になると、沿道の植生が明らかに南国らしくなってくる。

 

 

カッパを着てから1時間ほど、海沿いや山中のワインディングを走っていたのですが、雨は本降りで記録はありません。

ヘルメットのシールドにつく雨粒で視界が限られる中、どうにかこうにか駐車場に到着。

 

 

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大きなガジュマルの木が目印。

 

テント下に詰めていた駐車場管理の方々が、本降りの中水たまりをかきわけつつたどり着いた我々を珍しそうな目で見てきましたが気にしない。

 

ここから岬の突端までは歩道だけなので、歩いて向かいます。

 

 

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トンネル。

 

 

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を抜けると、なんかさらに雨が強くなっている。

 

 

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ザ・山道を歩く。

 

すると、10mくらい先をイノシシが横切って行った。

たぶん重量100㎏はあるだろうと、ややおののきつつ友人と振り返りながら道を進む。

 

 

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御崎神社。

 

日本人たるもの、岬には必ず神社を建てたくなるらしい。

 

 

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だんだん道の両側が絶壁になってくる。

風もびゅうびゅうと吹いている。

 

普通に考えて外出観光するような気候ではありませんが、なんだかんだで人はいる。

いい天気だったらもっと人いたんだろうか。

 

 

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ここまで来ると周りの木もだんだんと背が低くなってくる。

きっと四六時中風が強いんでしょうなー。

 

 

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ということで本土最南端に到着ですううううううううううううううううううう

 

台風リポート級の悪天候だよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 

たぶんカメラ取り出していい状況じゃないよおおおおおおおおおおおおおおお

 

 

 

岬で証拠写真を撮った後は来た道を引き返し、駐車場へ。

雨は相変わらずというかむしろ強くなっている気が……。

 

 

さすがにこれはということで、タンクバッグやサイドバッグには付属のレインカバーを装着。

後部座席にはリュックをくくりつけていましたが、そこにもビニール袋をかぶせて徹底防水宣言。

 

カッパは前から装着済み。

視界確保に精一杯なのでツーリングしながら地図やスマホのナビを見る余裕はないため、次の場所へのルートもおおよそ頭に叩き込んでGO。

 

 

 

次の目的地は都井岬

 

場所としては宮崎県に位置するこの岬、ただの岬にあらず。

 

なぜなら、野生のお馬さんがいるのです。

 

環境保護の協力金(バイク100円)をゲートで支払うと、そこから先はお馬さん優先の世界。

お馬さんの世界は霧が濃かったです。

 

じれったいくらいの低い制限速度で森林の中をぐねぐねと走る。

 

カーブを曲がったところに、お馬さん。

 

びっくりした。

雨&霧&カーブの先&お馬さん&急ブレーキの怖さは、バイクに乗ってきた中で最もぶったまげた瞬間のひとつでした。

 

 

都井岬ビジターセンターなるものの前を通過し、とりあえずいけるところまで行ってみようと灯台まで。

沿道を見ると、木の陰でお馬さんが草をもぐもぐしている。

 

しかし、灯台の近くまで行くとお馬さんは見当たらず。

 

とりあえず降りて灯台の写真でも……と思ったら。

 

 

――カメラが水没していました。

 

 

カッパのね、ポケットにね、入れていたんですよ。

 

そのポケットの中がね、水でちゃぷちゃぷになっていたんですよ。

カメラがひたひたに浸かったお水がじんわり温かいのを感じたときに、「あ、終わった」って思ったよね。

 

 

案の定、うんともすんとも言わないカメラさん。

とりあえずタオルにくるんで絶対濡れない場所へ避難(遅い)。

 

もう一台のカメラ(一眼)を出すにはまだ雨が止んでいなかったので、苦し紛れにiPhoneで撮った写真がこいつらです。

 

 

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灯台前の駐車場。

 

 

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灯台には結局近づけない。

 

お馬さんがいないのでとりあえず来た道を戻ることにするも、頭の中はカメラを失ったショックでいっぱい。

そんな中、確実に弱くなっている雨。

 

 

人のいる場所にこそお馬さんはいなかったものの、沿道には行きよりも多くのお馬さんがうかがえる。

やっぱり馬がいないのは雨のせいだったようです。

 

 

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沿道のおうまさん達。

 

ヘルメットにつけた小型カメラの動画からの切り抜きです。

そうなんです、この頃にはもう他のカメラを使えるくらいに雨が止んできているのです。

 

佐田岬から都井岬へ移動中の、3時間の豪雨でやられてしまった7万のカメラ。

いや、管理が悪いのがいけないんだけどさ……そんなピンポイントの雨でやられるのは悲しいですよ……。

 

 

都井岬を出た後は、日南海岸を北上します。

 

雨こそぽつぽつとしかない程度で、もはや気にならないレベル。

 

しかし雲はガッツリ上空に残っていて、せっかくのフェニックスロードもどんよりどよどよな中を走ります。

カメラを1台失った心中もどんよりどよどよです。

 

 

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駐車時、容赦なく物干しにされるバイク。

 

 

停まったのは鵜戸神宮

 

社格がわりと高い神社だそうですが、ここは世にも珍しい「下り宮」で有名なところ。

一般的に寺社は境内に入ると登って参拝しますが、ここは石段を降りていく構造になっています。

 

 

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そんな由緒正しい神社の境内にある不穏な張り紙。

 

 

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お乳岩

どうやら不穏に見えるお乳ムーブメント自体が由緒正しいらしい。

 

 

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頑張って撮ってみた結果。

形としてはわりと美乳ではなかろうか。

 

 

 

また、この神社には「運玉」なるものがありまして。

 

 

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あそこの岩の窪みに、

 

 

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この素焼きの玉(5個100円)を入れればいいらしい。

当たるだけでもまあ良いらしい。

 

女性は右手、男性は左手。

チャンスは5回。岩まではわりと距離がある。

 

1発目届かず。

2発目飛びすぎ。

3発目にして、手前に落下したものの上手いこと跳ねて行き、チップイン。

 

……このツキを、さっきのカメラに充てて貰えないでしょうか。

 

 

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よくよく周りを見てみると、さっき玉を投げ入れた亀の岩を含め奇岩まみれである。

 

 

鵜戸神社を後にしたところで今日の立ち寄りスポットは終了。

宿は延岡に取ってあります。

 

……時刻は18時目前、ここから延岡までは100㎞くらいあります。

宮崎県すごい、でかい……。

 

 

100㎞のうち1/3ほど走ったところで宮崎市街に到達。

ちょうどそのあたりで日没を迎え、ほぼ同時に高速へ突入しました。

 

そこからは景色真っ暗な中ひたすら高速で延岡までワープ。

延岡着は20時くらいだったと思います。

 

 

本日の宿はJR延岡駅から50mの場所にある「ビジネスホテル延岡」。

 

シングル素泊まりで2980円という驚異的な安さでした。

ホテル自体も年季は入っていますが、明らかに汚いような部分はなく値段にしては十分です。

 

ここ延岡で、大分に住む友人がさらに一人合流。

3人で夕食を求め延岡駅前をさまよいます。

 

 

友人が地元の人を呼び止めてお店を探し当て、いかにも地元感溢れる飲み屋へ。

 

 

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その名を念法屋食堂という。

 

 

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刺身から入り、ちゃんぽんとかチキン南蛮とかをぱくぱくいきました。

 

 

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宿に戻ってからは白くま。

 

九州で食べないという選択肢はなかった。

 

宿に戻って豪雨の被害状況を確認してみると、カッパやタオルは当然ながら、財布などを入れたウエストポーチが雨で水浸しに。

 

ベッドの上にお札を並べて乾かしながら、白くまを食べる夜中でした。

ちなみに財布は東京に戻って一週間経っても、どことなく中身がしっとりしていました。