出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

九州一周の旅【3】長崎・前編

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おはようございます。佐世保の朝です。

 

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酒は抜けきっているものの、飲んだ影響でややゆるめのお腹で出発。

途中、運転中に浴びる風でお腹が冷えてコンビニのトイレに駆け込んだのは秘密だ。

 

 

 

今日はほぼ終日長崎の予定です。

 

観光はほぼ長崎市街だけに絞りました。

ということで、佐世保を発ったら一気に長崎へ向かいます。

 

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西海橋(さいかいばし)

 

昨晩バーで「自殺の名所」と聞いた橋です。

潮の流れがぶつかって渦を巻いているので、落ちると浮かんでこないからだとか。

 

眼下かなり低いところにある水面をのぞき込んだら、確かに渦が起きていました。

こええよ。

 

 

途中からは国道をあえて外れて県道で長崎へと向かいました。

 

 

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その結果、山道な長崎市入りを果たした。

 

 

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そこから走ること1時間で長崎市街に突入。

 

路面! 路面電車ですよ路面!

 

どうでもいいですが、老後は路面電車のある街に住むことをひそかな目標としている僕です。

 

さて、バイクで旅をしていることですしバイクでちょこまか長崎を回ってもいいのですが。

坂が多く路面も走っている街なので、ここはひとつバイクを降りて観光したいと思います。

 

 

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長崎市平和会館

脇には原爆資料館もあります。

 

ここならバイクOKな駐車場があるはずだと踏んでのチョイスです。

 

 

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駐車場にいる係員のおっちゃんが、

 

「ここ停めていいよーバイクは無料」

 

ありがとうございまああああああああす!!!

まさか無料にまでなるとは。

 

 

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まず徒歩で向かいましたのは浦上天主堂

 

資料館から徒歩500m程度ですが、道のアップダウンが激しくて距離のわりに大変。

1914年完成、45年原爆により破壊、59年に再建。 原爆投下により天主堂は原型を留めぬまでに破壊され、天主堂にいた信徒全員が死亡したとのこと。

 

 

町中にあることもあって、中はかなり大きな天主堂。

そして日曜の朝だったため、ミサに訪れる信徒が徒歩なり自家用車なりタクシーなりで次から次へと。

観光地というより、今なおれっきとした信仰の場として生きている場所でした。

 

入り口前ではおばちゃんたちが手作りのグッズやロザリオを売っていた。

教会は小高い丘にありまして、丘を降りて、また次の目的地も小高い丘の上にありまして、上ったり下りたり疲れるんじゃい!!!!!

 

 

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次に来たのは平和公園

の、平和祈念像

 

このあたり一帯の公園地区を総称して平和公園と呼ぶらしい。

というか、資料館も公園の一地区らしい。

 

 

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平和祈念地区を離れ、次は原爆落下中心地地区へ。

 

 

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御影石の三角柱は爆心地を示す碑。

 

 

右手奥に見えるのが、浦上天主堂の遺構

再建は破壊前と同じ場所に行われたため、遺構の一部をここに移したそうです。

 

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次の行先はちょっと距離があるので、路面電車に乗って向かいます。

 

その前に、一日乗車券を購入します。

一日乗車券は電車内で買うことができないので、指定の券売所に行って買います。

 

 

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市営駐車場の管理事務所で買えるってところがなんかすごい。

 

 

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券というか、パンフレット。

開けば路線図が載っています。

券とパンフが一体型なのは便利かもしれない。

 

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路面電車はいい。 この、街中を縫って進む感じがいい。

 

 

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路面電車はいい。 風情があるし、道幅の広い街にしか存在しえない。

 

 

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駅を降りて歩いていると、猫さんとすれ違った。

長崎の猫さんは逃げるわけでもなく懐くわけでもなく、ただ素っ気ない。

 

 

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そしてやはり市街地でも坂が多い。

老後は路面電車のある街にと言ったけれど、長崎は老後にはつらいかもしれない。

 

 

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そうこうしているうちに、眼鏡橋に到着しました。

 

眼鏡橋だけがやたら有名(というか僕が眼鏡橋しか知らなかった)ですが、この川沿いには石橋が10以上も掛かっているんだとか。

 

 

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橋の脇でアイスを売ってた。

チリンチリンアイス」とあるが、心の汚れた僕にはリの字が見えなかった。

 

 

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もちろん食べた。

ヘルシーを売りにしていたけれど、なるほど確かにアイスというよりは限りなくシャーベット。

 

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アイスを食べながら眼鏡橋を渡り、路地っぽい道へ。

右手には、斜面沿いに建つお寺たちが並びます。

 

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そしてやって来ました石段。

その名を「龍馬通り」といいます。

 

通りっつーか石段です、階段です、斜面です。

 

 

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通りの両脇にはオサレなカフェや土産屋が……並んでいるわけではなく、ガチ民家とガチ墓地の中を通り抜けます。

こんな場所ですが観光客はわりといます。

 

 

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それもそのはず、早足ならこの坂を5分ほどのところに、亀山社中があるのです。

 

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……まあ、跡地に建っている記念館には入らなかったんですけどね。

このすぐそばには「龍馬のぶーつ像」なるものがありまして。

 

 

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谷あいを望む場所で、実際にブーツ像の中に足を突っ込んで写真を撮ることができます。

誰もいない瞬間を狙うべく離れて人待ちをしていたのですが、複数人連れが次から次へとやって来て、そのうち一人が待ってましたと足をずぼっと突っ込んで連れに写真を撮ってもらうという流れが断続的に起こり、ついには上の写真を撮って諦めました。

はからずもぼっち旅のつらさを味わった瞬間でした。

 

 

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この後付け感ハンパない自転車用スロープが僕は好きです。

 

 

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坂の街ってーのはやはり風情はあるんですが、実際生活すると不便だろうなあと歩きながらつくづく。

特にこの辺りは道幅も狭く車どころか自転車バイクさえままならなそうな環境。

火事になったらどうするんだろう……。

 

 

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川の上にこいのぼり。

九州では関東よりも圧倒的に多くのこいのぼりを見た気がする。

やはりこれは中国寄りの文化なんだろうか。 鯉が竜になる伝説もたしか大陸由来ですよね。

 

 

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同じ川沿いに不思議なオブジェがあると思ったら、「上野撮影局跡」という看板が。

龍馬とか高杉晋作とかグラバーとかが写真を撮ってもらった、日本初の写真館らしい。

 

 

再び路面電車に乗り込み、今度は市街の南方面へ。

 

余談ですが、長崎県内のJR等は電化されていない(ディーゼル駆動)ため、「電車」というとほぼイコールで路面電車のことを指すらしいです。

わかりやすいけどびっくりだよ、電化されてないのかよ。

 

 

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そして着きました。

また坂ですね。

 

もうほんと行くとこ行くとこ坂ですね。

だから他の街と同じ感覚で行程組んでもやたら疲れ方が違うんですね……。

この坂道、名前を「グラバー通り」と言います。 そう、これから向かうのは、グラバー園

 

 

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の手前の大浦天主堂!!!!

 

 

長崎の教会群で行けそうなところは全て押さえに行くスタイル。

 

なお、ここは拝観料を取られます。600円。

場所が場所なこともあり、思っていた以上に人が多い。

まあ僕自身も信徒ではなく観光客として来ているので言えた立場じゃありませんが。

 

 

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例によって内部は撮影禁止。

 

教会といえば昨年イタリアのローマやフィレンツェで出たり入ったりしまくったことが記憶に新しい。

向こうの教会は石造りなので、全体的に重みというか荘厳さというかそんな雰囲気。

 

一方で長崎の教会は、内部が木造だからかものすごく温かみを感じる空間です。

 

 

もちろんここまで来たらグラバー園にも向かいますよ。

グラバー園にはグラバーさんのおうちだけでなく、他の外国人商人や官庁やお店といったモダンな建物がいくつかあります。

 

入園料610円。

このいかにも消費税増税分乗っけました感あふれる価格設定。

順路を進むとまず待っているのが、維新のころから日本の近代化を支えてきたエスカレーターです。

 

 

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嘘です。

 

グラバー園は園内全域が斜面で、そこに建物が点在しています。

麓の入り口からまずはエスカレーターで一番上まで上り、そこから徒歩で下りつつ建物を見て回るのが順路。

 

ただ、このエスカレーターが、妙におシャンティぶったカントリー風のBGMを流していてだな。

なんか、比べちゃいかんと思いつつも「TDRっぽい……」という感想を抱かざるを得ない環境。

こう思うと逆にTDRの芸の細かさに気付かされるのですが、正直ホンモノ側の残念感は否めなかった……。

だからどうすべきというのがある訳でもないのですが、人が沢山来る観光地だから仕方ないんだろうか……。

 

 

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旧三菱第2ドックハウスからの景色。

湾の向こうには現役のドック(船の建造・修理を行う施設)が見える。

 

 

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旧オルト住宅

 

 

 

園内にごく普通の民家がぽつんと一軒だけあって、ぶったまげたりもしました。

グラバー園風ではなく、ごく普通な感じのお宅。

門扉が閉められていて、普通に表札まで出ていた。

どういう経緯であの場所に残っているんだろう……。

 

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突然の三浦環。 「蝶々夫人」で有名なオペラ歌手です。

 

 

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園内ではコスプレもとい当時の衣装を着て写真を撮ったり園内を歩いたりできます。

やっている人たちはとりあえず暑そうでした。

 

 

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そして真打ちのグラバー邸

一発でグラバー亭とわかるそれっぽいアングルを掴み損ねたままでした。

 

 

ちなみに、グラバー邸を見た瞬間思ったのは、

 

「あーーーーーここが福山雅治が紅白で歌ってた場所なのかああああああああああ」

 

という、とってもとんちんかんなことでした。

グラバー邸の傍にすごいさりげなく石碑があったので何かと思って見たら、

 

 

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”ここグラバー邸及び庭園は三菱長崎造船所創業百年を記念して同所より長崎市へ寄贈された。”

 

流石だぜ三菱財閥……。

 

 

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展望スポットからはその造船所が見える。

その中には、現役の設備として使われながらも世界遺産に登録されたジャイアンカンチレバークレーン様のお姿までうかがえる。

 

 

恐ろしいぜ三菱財閥……。

 

 

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帰る途中、園内に2つあるというハート形の石畳の片方を発見。

写真の石畳の手前側、写真の中央よりやや右にある敷石がそうです。

見つけたところで、石を写しながら自撮りするカップルを見つめることしかできない一人旅の悲しさ。

 

 

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グラバー園を出た後は、先ほどのグラバー通りで搾りたての枇杷ジュースを飲んだり、各方面へのお土産を買ったり。

今後ここまで人気のある(≒お土産らしいお土産を売っていそうな)場所に立ち寄る予定がないので、ここぞと一気に調達しました。

旅の荷物とは別にバッグをひとつ丸めて持ってきているので、後ほどそれに詰めてバイクに載せました。

郵便局なり宅配取扱のお店を見つけ次第、着終えた服と一緒に東京へ送ってしまえという作戦。