日没前に釧路のホテルに到着し荷物を下ろしたところで、再びバイクに乗って移動開始。旅先では一度チェックインしたらその日は極力バイクに乗って移動したくない派の人間ですが、それでも行きたい場所がありました。
なごやか亭
(19:30)
なごやか亭(たしか新川店)。
回転寿司です。2日ぶり人生2度目のソロ回転寿司です。
(19:18)
ここには「こぼれいくら」というメニューがありまして。文字通り軍艦からこぼれ落ちるほどのいくらが乗っているのですが、目の前でだばだばと盛り付けてくれます。店内に響き渡る掛け声と太鼓の音と共に。全店員・全店内を巻き込むパフォーマンスと共に。
「なごやか亭 こぼれいくら」とでも検索すればネット上に動画もたくさんあります。一人で注文するのはぶっちゃけ結構恥ずかしい。でもせっかく来たんだもの。やるしかないじゃない。
ソロ回転寿司はそれなりに勇気が要りますが、入ってしまうと待ち時間もそんなに長くないのでわりとおすすめです。シングルライダーと一緒ですね。
寿司を堪能した後はセコマに寄って買い出しを済ませつつホテルへ帰還。
(22:09)
ハスカップが何者なのかいまだによく分かっていませんが、程よい酸味で美味い。
こうして北海道最後の夜は更けてゆきました。
釧路湿原
(7:09)
一夜明けて、釧路湿原からおはようございます。
本日は北海道最終日。19時出港のフェリーに間に合うように苫小牧へ行かなければなりません。ただし19時は船が岸を離れる時間であって、実際のところ17時の乗船開始までに港でスタンバイしていなければなりません。
(7:10)
さて釧路湿原ですが、やって来たのは釧路湿原の東側にある細岡展望台。ここまでの道は快走路と凹凸の激しい1.5車線道路が混在します。スピードの出しすぎは注意です。
展望台の数百メートル手前に駐車場がありますが、バイク程度の大きさなら展望台の直前まで乗り付けて残り50mくらいを徒歩としてもいいような気がします(が、自己責任でお願いします)。ちなみに細岡展望台には反対側からも行けるようで、そちらは完全にダートのようです。
釧路湿原は、釧路湿原展望台というそのまんまなネーミングの展望台が最もメジャーかつ有料、そして資料展示室が併設されているのですが、時間的にオープン前(8:30~)でした。釧路から苫小牧までは約300km。オープンする時間には釧路を出なければいけません。
というか、東京から愛知の岡崎くらいまでの距離を観光しながら進むと考えるとだいぶハードスケジュールなことをしているように思えます。
(7:38)
通りがけにあったサルボ展望台は駐車場から展望台まで片道徒歩20分らしいのでパス。続いてコッタロ湿原展望台へ行こうとナビ通りに走ったら、ダートに突入しました(道道1060号)。環境保護のために舗装しないでいるんだとか。なお、反対側から行けば舗装路だけで辿り着きますのでご安心を。
(7:46)
コッタロ展望台のふもと。ダートを恐る恐る抜けて到着です。駐車場にトイレが併設されており、このトイレの建物の向こう側に展望台へ至る階段があります。完全に建物に隠れていて初見では分かりづらいので注意。僕もちょっと迷いました。
(7:51)
わりとしんどい。
(7:55)
人の気配は自分以外に一組いるかいないか程度で少ないですが、眺めは十分。釧路市街から遠いのが難点でしょうか。
8時に釧路の離脱を考えていたので、ここから釧路市街へ戻り、国道38号をつたって西へ西へと進みます。フェリー乗り場まで向かいながらも、次は帯広へと立ち寄ります。
六花亭帯広本店
(10:31)
佇まいがさりげなさすぎて初見だとどこにあるか非常に見つけづらい。だがしかしそれを覚悟の上でのシャレオツ演出なのでしょう。北海道屈指のお菓子屋さんへ突撃です。
上の写真の超オサレ入口は歩行者のみ立ち入れますが、建物の反対側には駐車場とバイクの置き場がちゃんとあります。
(11:02)
とはいえ台数の限度はそこそこ少ないです。
(10:42)
雪こんチーズ(左・200円)、サクサクパイ(右・180円)
2階の喫茶室だけでの販売かなと思いきや、1階のレジで買い、すぐそばのイートインスペース(立ち食い)で食べることができました。イートインスペースではなんとコーヒーが無料です。
六花亭には主にサクサクパイを食べに来ました。賞味期限3時間とも言われる衝撃の菓子です。なんだよその安直なネーミングと思っていましたが、その名に恥じぬサクサクっぷり。中のクリームもたまらなく美味しい。なんだこれは。もう何本も行けそうでしたが自重しました。何本も食べて飽きないうちにやめておくのがきっと一番幸せだ。
(10:34)
レジ横のショーケースからみるみるサクサクパイが消えてゆくので並んでいて不安になりますが、なくなりそうになると店の奥からサクサクパイがお盆に山盛りになって追加投入されます。安心して並びましょう。
その後、家や友人知人へのお土産購入を済ませました。今回はその場で買って自分で持ち帰りましたが、紙に発送先と必要数を書くことで工場から自宅や友人宅へ直送も可能です。ちなみに僕のお薦めは「大平原」という名前のマドレーヌです。あとはモカホワイトチョコレート。
帯広は六花亭だけで終了。苫小牧まではまだ200kmあります。東京の自宅から伊豆半島の突端くらいまでの距離とほぼ同じです。長いです。
11時過ぎに帯広を出発。可能な限り下道を走って楽しみ、時間と距離を照らし合わせて限界が来たところで高速へシフトしました。
千歳空港
4時間弱で新千歳空港に到着。多少余裕を見て帯広を出ましたが、何事もなかったので時間ができました。ちょっと寄り道します。
(14:57)
空港にアニメイトがある……!
(15:01)
(15:00)
雪ミクスカイタウンが気になったので来てみたけれど、ボカロについてはほぼ何も分からないのを忘れていました。
(15:08)
その後ゲームセンターですみっコぐらしを捕獲したり。
(15:16)
展望デッキへ出てみたり。人多い。
(15:42)
ラーメン道場で昼ごはんか夜ごはんか分からない味噌バターコーンラーメンを食べたり。
「雪あかり」というお店で食べました。味噌バターコーンが食べられるところですぐ食べられそうなお店をチョイスした結果ですが美味い。やっぱり味噌が好き。
太平洋フェリー
新千歳空港から苫小牧のフェリーターミナルは10㎞ちょっと。地図上では見ていたものの、思っていた以上に距離感が近い。しかもそれらを結ぶ国道は非常に道が太いので、交通量が多くてもそれなりに流れます。
(16:38)
港近くのセイコーマートでセコマとの別れを惜しみつつ、船内での食料を調達。そしてフェリーターミナルへ。あー、着いてしまったよ。
予約済みの乗船券を発券しに受付へ行ったら、「ナンバーを証明するものはありますか?」とのこと。250ccで車検証は無いためその手の書類提示は不要かと思っていたし、軽自動車届出済証の写しはバイクのシート下に収納したままだし……と思っていたら、「ナンバーが見える写真でもいいです」と言って貰えました。それ自体はありがたいのですが、自分のバイクを撮った写真をその場で御開帳するというちょっとした羞恥プレイを受けました。
(16:55)
さらば北海道。しかし、帰るということはまた来ることができるということだ。こんな天気の一週間が北海道だなんて満足いかない。絶対に戻って来るんだ。
(17:07)
離脱の瞬間。また近いうちに。
本日の乗船は太平洋フェリー「きたかみ」号です。それではしばらく船内の写真をどうぞ。
(17:26)
寝台の客室はちょっと年季を感じます。
(18:00)
が、共用スペースは明らかに改修されていて綺麗です。
乗船して荷物を置いたらまずは風呂。誰よりも真っ先に風呂を目指せるのは、まず一番最初に乗船するライダーたちなのです。
(18:01)
(18:13)
(18:02)
(18:03)
レストランの他にカフェスペースもありますが、自由に使える電子レンジやお湯の設備はありません。ちなみに寝台には電源(コンセント)もありません。
(18:41)
でもシアタールームはあります。ちゃんと映画を上映しているようです。
(18:04)
(18:05)
(18:07)
(18:58)
そして出港の時。
(19:06)
(19:16)
入れ替わりで入港するさんふらわあ。
(18:43)
乗船中の食料と水分はほぼ全てセイコーマートでの買い出しで済ませました。船内のレストランを利用するよりだいぶ安上がりに。いいんだ、一人旅な時点ではなっからみじめなんだ。
(19:56)
20時からホールでピアノのミニコンサートがあるというので。イスが並べられていますが、造りを見る限りどうやらダンスホールにもなるようです。ステージは1時間ほど。船の上で生の音楽を聴けるとは思っていなかったです。
(20:05)
よかった。
そして、それ以外特に出来事もやる事なく。だがその時間が愛おしい。この、じんわりと旅の終わりを受け入れていく感じが良い。
(4:48)
おはようございます本州。雨です。この旅は最後の最後まで雨です。
(9:38)
10時に仙台着。あとは自宅まで走るだけ。雨の中を……とはいえ帰宅だけなら多少諦めもつきます。向かう先はホテルじゃなくて家という圧倒的安心感。
(15:19)
15時過ぎに東京の自宅へ帰還。1週間の旅が終わりました。マフラーきたねぇ。
以上、人生初の北海道ツーリングでした。
天候と気温は散々でした。本当に散々でした。青空をのべ3時間くらいしか見ていません。北海道を知る人にどんな景色だったかを話すと、軒並みかわいそうな人を見る目で見てきます。
それでも行って良かったです。街と街の間の近いようで遠い距離感。すれ違うライダーやチャリダーとの挨拶。まっすぐな道。広がる平原。日本の他の場所には無い景色が沢山ありました。美味しいものもありました。念願のセコマにも寄れました。
思い描いていた絶景に出会えずがっかりしたり、連日の雨に手こずったりしましたが、バイクに乗って2年間、色々な場所を走り回って得た経験が非常に役立ちました。必要な持ち物の見きわめや荷造り、出発・到着時の手際、毎日のツーリングプラン、雨対策、寒さや視界の悪さ。納車から間もない頃にこんな雨の中を連日長距離移動していたら、きっと半泣きでは済まなかったでしょう。悔しさの残るツーリングでしたが、この2年での自分の中の大きな変化と成長を改めて感じることができました。
自動車で観光する人々を道中どれだけ羨んだか知れませんが、それでもバイクで旅をできて良かったと思います。無事に帰ることができれば大成功です。すべて土産話にできますし、きっといつかまた走りに行けます。
バイクに乗り始めた当初、とある人から言われた「とにかく北海道には行った方が良い」という言葉は本当でした。また行きます。皆さんも是非。
以上、最後までありがとうございました。
今回のツーリングデータはざっくりですが別途まとめておきます。
旅行期間 2017.8.10~2017.8.16
旅行記完成 2017.11.9