2019年12月28日。
(6:02)
いきなりですが早朝の羽田空港にいます。あまりにも早朝すぎて自宅からの始発電車では間に合わない時間だったので、川崎に前泊していました。前日は仕事納め。納会(飲み会)終わりの帰宅後に、着替えて荷物を持って家を出ていました。
今回の行先は大東諸島。名前を言っても9割以上の人からは「どこそこ」的な反応が返ってくる場所ですが、全国の天気予報などではしばしばお天気のアイコンや気温が表示されています。沖縄本島の東側に出ているのがそれです。
沖縄本島から東へ360km。周りに陸地がなく、気象レーダーが発達する前は台風の行方を観測する重要な拠点でした。よって現在でも気象台が置かれています。台風の位置を表すときに「大東島の南○○km」などとしばしば表現されることがありますが、それがここ大東諸島なのです。
羽田空港
(6:55)
そんな島に一体何があるのかは追々お伝えすることにしますが、まず手始めに羽田発那覇行きの飛行機が40分遅れました。那覇で乗り継ぐ飛行機にギリギリ間に合わなそうな時間となり、機内ではかなりハラハラ。搭乗している客室乗務員も、乗継便については到着してみないと分からないとの事。
那覇空港
到着次第JALのデスクへ声を掛けるようにと言われたので、那覇空港到着後にボーディングブリッジを速足で進もうとしたら、飛行機を出てすぐのところで我々が乗り継ぎ予定の便名を呼ぶグランドスタッフが。
「本来なら間に合わないのですが、乗継便も遅れたので間に合います」
(9:41)
機材トラブルで急遽別の機体を手配しているらしいです。出発が遅れたからということでターミナル内で使える500円のクーポンまで貰えました。乗り継げたうえクーポンを使えるまさかの事態好転。
(9:52)
クーポンを使ってジュースとすぱむすび(スパムが外側に貼りついたおむすび)を手に入れました。早朝出発でろくに食べずに出ていたのでいい朝ごはんになりました。色んな意味で遅れてくれてありがとう。
(10:05)
まだ屋外に出ていないので遠くへ来たのを身体で感じることはありませんが、自販機のラインナップは既に物語っています。
(9:53)
(9:54)
ところで、さっき乗継便の遅延を伝えてくれたグランドスタッフの言動を見るに、先ほどの那覇着の便で大東行きへ乗り継ぐのは我々だけ。その行先のマイナーさを物語るかのように、搭乗ゲートもバス乗り場です。
(10:16)
大東行きのフライトは、最終的に40分近く遅れました。バスで駐機場所まで移動し、機体の壁がカパッと開いてできるタイプの階段で搭乗。
(10:17)
ちなみに航空会社はRAC(琉球エアコミューター)です。
(11:04)
プロペラ機は真横でプロペラが風を切るんだからさぞうるさいような気がしてしまいますが、乗り心地も含めて案外ジェット機と変わりません。以前伊豆諸島からの帰りに乗った20人乗りのプロペラ機は時々訪れる浮遊感と中途半端な飛行高度でかなり怖かった記憶があるのですが、今回のボンバルディアDHC8-Q400CC(座席数50)はふだんの旅客機と大差ない感覚でした。
(11:04)
ここで改めて、大東諸島の構成とRACの運行経路についてご紹介を。
大東諸島は「北大東島」「南大東島」「沖大東島」の3つの島からなります。有人かつ一般人が立ち入ることができるのは前の2つの南北のみ。今回の我々の行先もこの2島になります。
南北大東島はRACの定期運航便で那覇と結ばれていますが、これが
という2通りの経由便が、決まった曜日毎に飛んでいます。今回は①の便に乗り、目的地も最初に到着する南大東ですが、もしこれが②の日だったならば北大東を経由する形になります。ちなみに、経由は帰りに体験しますのでお楽しみに。
南大東空港
(11:43)
(11:43)
南大東島に着陸。飛行機から空港の建物までは歩きます。早朝いた東京に比べて、疑いの余地なく暖かい。羽田⇒那覇の時から一枚脱いでおいて正解でした。
(11:57)
建物内がこちら。カウンターの脇から預けていた荷物が出てきます。グランドスタッフの娘さんとおぼしき女の子がてけてけ走り回っていたのが、いかにも離島っぽくてわくわくしました。
空港で宿の迎えと合流し、まずは車で宿へ向かいました。
ここで、以降の旅行記の進行についてご説明します。
南大東に滞在したのは12/28の昼から年明け1/1昼にかけてですが、一部のツアーやイベントを除いて、連日時間帯を変えて何度も同じ場所を訪れています。これまでの旅行記のように時系列で紹介してしまうと同じ場所が繰り返し出てきてまとまりがつかなくなってしまうので、何度か訪れた分の写真などをまとめてスポット毎にご紹介していこうと思います。12/31大晦日から翌1/1の南大東出発まではイベントが続くので、その辺りから再び時系列で進みます。
全体の行程は改めて最後のデータ編で紹介しますのでご安心を。
月桃ムーンピーチ
(13:17)
南大東に滞在中の4泊はここでお世話になりました。空港からは比較的近くに位置する宿です。南大東の中心地から離れているものの、代わりに夜は少し外に出るだけで星を沢山見ることができます。
(13:22)
付近に商店などはありませんが、自販機は設置されています。
(16:55)
(17:24)
(17:23)
これが廊下。部屋からトイレやシャワー室などへの通路に屋根はありますが半分外です。でも不思議と虫は湧いていない。
(9:21)
左のオレンジが流し場。左手前が物干し場です。
(13:34)
トイレ。廊下同様に半分屋外チックな雰囲気ですが、毎日綺麗に掃除して下さっていました。
(13:34)
シャワー室は二つ。湯船は別料金で用意して貰えますが、まあシャワーで十分かなという感じです。
(12:26)
(12:27)
これがお部屋。ドアを開けたら即ワンルームダブルベット。トイレシャワー室は共同ですが、フロントには電子レンジや箸があるし、部屋には電気ケトルと冷蔵庫とテレビとコンセント。島旅勢からすればもう十分な設備です。お値段も非常にリーズナブル。
食事は付いておらず素泊まりのみ。ですが、夜になると飲食店のあるエリアまで車で送ってくれます。店を出るタイミングで電話すれば拾いにも来てくれます。というか、日没後の島は真っ暗なので観光客は基本運転しない方が良さそうです。
(16:57)
宿の母屋から100mほど離れた場所にはヤギ小屋があります。群馬県庁じゃありません。
(16:58)
(17:00)
これらのヤギは成人式などお祝い事の時に1頭ずつ締めてヤギ汁にして他の島民に振る舞うんだとか。
(17:07)
子ヤギが檻を抜け出して外を歩きはじめるからものすごい慌てて宿の人に電話しましたが、日常茶飯事らしく放置してOKと言われました。
(17:17)
中にめっちゃおる。
(17:14)
視線。
(13:22)
(14:22)
宿をここに選んだ理由のひとつには、原付も借りることができるというのがありました。ヘルメットとグローブを自前で持ち込み(ヘルメットはレンタルもあります)、連日島じゅうを練り走りました。南大東島は海岸線長が21.2km、直線距離では一番遠いところでも5km程度なので、原付さえあればあっという間にすいすいと走って回れます。サンゴが堆積して出来たという成り立ち上、海岸線沿いがすり鉢状に小高くなっており、地味な起伏ながらも自転車だと苦労しそうです。原動機は偉大。
(15:47)
路上でリードが外れた犬に滅茶苦茶追いかけられた時にも、人力を上回るそのパワーでどうにか引き離すことができました。怖かった。
さとうきび畑、ハーベスター
南大東村の主な産業はさとうきびとその製糖です。漁業はつい最近まで安定した操業を可能とする漁港が無かったため、無いわけではありませんがさとうきびの存在感が圧倒的です。
(11:58)
島内を走っていると、そこらじゅうから甘いような青臭いような、さとうきびの独特な匂いがします。耕作面積は島の約60%、そのほとんどがさとうきびです。ちなみにその他にはカボチャも特産だそうです。
(15:13)
訪れた冬場はちょうどさとうきびの収穫期で、収穫するための重機(ハーベスター)が働く様子を毎日見かけました。
(13:47)
(13:47)
(17:21)
(17:21)
とにかく見た目が滅茶苦茶強そう。
(13:45)
実際のところ、収穫風景もなかなかに豪快。実際強い。
(13:45)
(10:10)
収穫直後はあたり一面にさとうきびの葉っぱが散って、どこからが道だか分からないレベルになります。でも翌日までにはちゃんと片付けられています。
(14:41)
(14:43)
収穫直後のさとうきび畑の脇を走っているところ。直後かどうかは畑に散っている葉っぱの鮮度と匂いで分かります。収穫前より匂いが強いです。
製糖工場
(14:09)
ハーベスターが刈り上げたさとうきびを、トラックが運び込む先がこちらの製糖工場。手前に積まれているのもさとうきびの茎です。年末年始だろうと常時煙を吐いていました。
(14:09)
ちなみに、工場の風下に回るとさとうきび畑の匂いを濃縮した匂いがします。