出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

イタリア卒業旅行7日間【1】




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【第一章】離陸、着陸、尻



2015年2月8日、午前10時56分。


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成田空港にて。
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大学時代の大半を捧げてきた部活動を引退し、後期の試験も終わってあとは卒業単位数に届くよう祈りを捧げるだけになった大学4年生の冬です。いわゆる卒業旅行シーズンというやつ。

卒業旅行」と聞くと、どうしても修学旅行に類する何かを想定してしまい、「大学やゼミあたりがどっかしらへの旅行を企画してくれる」ように感じるのは僕だけでしょうか。というか、実際に大学入ってしばらくまではてっきりそういうものだと思っていました。

たぶん同じような勘違いをしている人はいないと思いますが、卒業旅行とはあくまで
「卒業を目前にした大学生たちが社会人になる前にモラトリアムを最大限活用して自主的に連れ立って行く旅行」
のことです。


さてさて、学生時代も終わりが見えてきたこの時期に僕も色々なところへ遊びに行きましたが、最大規模にして唯一卒業旅行と呼べそうな旅行だったのがこのイタリア旅行

部活の同期6人(男3、女3)で、6泊8日の学生向けパックツアーです。
なお、僕が行ったことのある外国は英米のみだったので、ユーラシア初上陸ということに。
しかも非英語圏。

行先を決めたのは僕ではない他の女子でして、ローマに行きたいとのことであっさりと決定。まあどちらかというとイタリアというよりはこの6人での旅行というのが本来の目的といえましょう。
当初申し込んでいたツアーが定員割れで催行中止になるというアクシデントがありましたが、他社の同時期のツアーを紹介してもらい大枠似た行程での旅行が無事確定しました。


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そんなこんなで迎えた当日。
もう一度言いますが、成田空港にて。

……6人のうちの野郎ひとりが、集合場所を勘違いして羽田空港向かってしまう事態が発生。

彼が電車で移動中にLINEへ投下した写真によりそれが発覚し、羽田着後直通のバスで移動。ツアーの集合時刻を過ぎるものの搭乗時刻にはどうにか間に合いましたとさ。

旅行会社のカウンターへ行って集合し、チケットを手にチェックインし、大きな荷物を預け、セキュリティを通過。出国審査を受ければ、そこはもう日本ではありません。


ところで空港って、搭乗するためではなく純粋に観光目的で行くのもなかなか面白いです。
羽田は都心から近いだけにその辺の集客を特に意識しているのか、展望デッキも売店もなかなか見ごたえがあります。
一方成田はというとそういう意味で観光ナイズドはされていないのですが、それだけに「これから海外へ長期行かれる方へ」的なガチ感が漂っています。炊飯器まで売ってます。


まあ今回はそんな雰囲気を見て回る余裕もなく搭乗。


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窓の外は雨。

しかしまあ30分かそこらで雲の上まで行ってしまうのであまり関係はあるまい。


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ヨーロッパに行くということで、基本的にはロシア上空を飛ぶことになる。

西に向かって飛ぶので外の景色はずっと昼です。


ところで航空会社はエールフランスだったのですが、機内食は和食か洋食からのセレクトでした。
僕はこういうとき「他所の国が出す和食ってどんなんだろふへへへへへへ」という思いからどうしても和食をセレクトしたくなるタチなのですが、あいにく僕の席まで回ってきた頃には和食が売り切れていました、しょんぼり。
ガッカリしたあまりに機内食の写真を撮っていません。


機内では寝たり実写版のルパン3世を観たりして過ごしていました。座席のモニターが古い型でいまいち不便であった。
イタリアの予習本を母から何冊か拝借していたのでそれにも一通り目を通す。が、危うく酔いそうになる。



比較的じっとしていられないタチなもんで、10時間以上の飛行機に乗っていると、我慢できずに発狂するんじゃないかという不安に駆られるのですが、今回もどうにか大丈夫でした。


降り立ったのはフランス、シャルルドゴール空港
航空会社が航空会社だったこともあり、ここを中継地点にイタリアへ向かいます。

実を言うと、「ヨーロッパは審査なしで国境を行き来できる国がある」という事実は知っていたものの、「シェンゲン」という言葉を今回の旅で初めて知りまして。
なおシェンゲンそのものはそういった協定が結ばれた場所の近くの地名な模様。

で、フランスとイタリアはそのシェンゲン圏に含まれるので、入国審査はフランスのものです。
……流れ作業で旅券にハンコ押されただけな気もするけど気にしないで行こう。

シェンゲンは国境を行き来する時にとても便利だそうですが。
こういった中継地点でシェンゲン圏に突入してしまうと、本来の目的地のビザをパスポートに捺して貰えないのが欠点。たとえば今回で言えば、イタリア旅行なはずなのにパスポート上ではフランス入国→フランス出国となってしまいます。乗り継ぎで3時間、空港から一歩も出ずにぐだぐだしていただけなのに。


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そんな感じで写真もフランスから始まります。空港の中ですが。
イタリアに着いたらバスでホテルまでドナドナされて気付いたら22時過ぎになってしまうので、ここである程度の腹ごしらえが求められます。
……しかしさすがフランスと言うべきか空港と言うべきか、メシが高い。正確な値段は覚えていないけれど、


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どう頑張っても絵にならなかったこのサンドは、吉野家で並盛2杯頼んでもお釣りが来るくらいの値段したはず。


夜7時を過ぎたあたりで、ローカルの便に乗り継ぎ。
離陸後飛行機と共に記憶が飛ぶ→エンジンのタービンが停止する音がしたと思って目を開けたらもう到着だったという、フランスイタリア間の瞬間移動を果たしました。
日本からの便では映画を見たりなんだりしていたらあまり寝ていなかったのです。おかげで今回の便では飲み物すら聞かれていません。


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飛行機から直接地べたに降りると思わなくてびっくり。しかもこの後目の前にいたバスに乗車しターミナルまで連れて行かれます。


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どこの空港へ行ってもなぜかこの景色が好きなんだよなー。

そんな感じでイタリアに来てしまいました。まず降り立ったこの地はミラノ
軽く調べてみたところミラノには空港が2つあるようですが、そのどっちに降り立ったのかも把握していないしわりとどうでもいいので今回は謎のままということで。

空港からはバスに乗せられ、今日はそのままホテルへ向かいます。
添乗員さんからの話を聞きながらバスに揺られるものの、窓の外は真っ暗で、イタリアに来たという実感もたいしてないというのが実際のところ。
日本(東京)よりちょっと寒いなというのが感想で、むしろそれだけでした。空港のそばにほんのわずか雪が残っていたのはさすがに驚いたけれど。


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イタリアらしい景色はなにひとつお見せできないまま本日のホテルです。

ベッド広い。
アメニティ乏しい。

石鹸が泡立ちにくくて薄っぺらいのはまあいいとしよう。なんだあの身体を洗う用のジェルは。全く泡立たないし汚れを落とせている気にもならなかったぞ。

イタリア滞在中のホテルの話はまた後ほど。
飛行機ってずっとじっとしているくせにやたら疲れるもので、睡魔と戦いながらもシャワーを済ませベッドに潜り込みました。
この日のホテルで他に記憶にあるのは、テレビをつけてチャンネルを回していたらたまたま見つけた、ネットの拾い物のちょっとえっちな動画をかき集めて流しているだけのようなコンセプトがよく分からない番組くらいです。
その番組が映すぷりけつをしばらく拝んでから就寝。



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第一章 ~終~