出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

伊勢志摩3日間の旅【1】




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【第一章】神宮、半月、かき氷



2014年8月25日、午後9時30分。


深夜バスでの移動となると、だいたいこの時間に地元の駅から上り電車に乗ることになります。
毎度毎度この時の浮き立つ気持ちは筆舌に尽くしがたいものです。


今回の行先は伊勢志摩。

東京との往復には深夜バスを使い、2泊5日で正味3日間の旅となります。
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深夜の海老名SAは相変わらずトラックとバスまみれです。


深夜バスをそこそこ使うようになってから、この風景もだいぶ見慣れてきたけれど楽しい。
パネルに標示された地名は、方面は一緒でも行先はてんでバラバラです。

ちなみに今回東京での写真は撮り忘れたのでありません。池袋東口の発着所から発っています。



そもそもどうして伊勢に行こうと思ったのか。


一言で表せば行きたかったからに他ならないのですが、実は伊勢に行くのは初めてではありません。

小学生の頃、夏休みの家族旅行で訪れたのが他でもないこの伊勢でした。
……ちなみに3年連続でした。

そんなこんなで思い入れもある伊勢の地へ今度は自分の力でゆるゆると行ってみたいということでのセレクトでございます。

実を言うと大きな動機はもうひとつあるのですがそれはまた後ほど。



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日付は変わりまして8月26日。
三重県伊勢市駅前に到着です。バスはこの後鳥羽まで向かいますが途中で降ります。


ご覧の通りの曇天かつ早朝。

駅前にはこれから通勤あるいは通学(部活?)と思われる人たちの姿がちらほらとうかがえます。


整備が行き届いているもののわりと閑散とした(東京生まれ基準)駅前では営業しているお店も見当たらず。
本当は朝ごはんをキめたいところなのですが、いかんともしがたいのでそのまま最初の目的地へ向かうことに。


この現地朝食問題は、深夜バスでの旅をするにあたっての永遠のテーマといえよう。

去年の北陸の旅でも繁華街で開いている店がなくて路頭に迷った挙句、兼六園の中で蕎麦をすすっている自分がいました。
この状況が想定できるならバス乗車前に調達すればいいじゃないのとは思うのだけれど、東京にいる時点でそうやって予防線を張ってしまうのはなんだか負けた気がするので次回以降も全力で現地調達を目指し路頭に迷おうかと思います。

ところが、困ると言っておきながらこの「自分でどうにかしなきゃどうにもならない感」こそが旅の醍醐味であってツアーにない緊張感と高揚感をもたらしてくれるんだよなあと思う次第。



さて、伊勢です。

伊勢といえば言うまでもなく神宮です。これから行こうとしているのも神宮です。



以下、伊勢神宮に関するざっくり説明。
いらんという人は読み飛ばすか各自でお調べください。


伊勢神宮の正式名称は「神宮」。地名はつきません。

神社本庁(例外はあるものの全国の神社を束ねる宗教法人)が本宗に据え、戦前の社格制度においては別格の最上位とされた神社です。
その他の歴史等については中途半端に書けないし書かないほうがいい気がするのでここでは割愛します。

伊勢神宮には二つの正宮があります。

皇大神宮…通称内宮(ないくう)。太陽を神格化した、日本の総氏神である天照大御神を祀る。
豊受大神宮…通称外宮(げくう)。衣食住の守り神である豊受大御神を祀る。

これらふたつを中心に、周辺の大小さまざまな宮を合わせた集合体こそが正真正銘のいわゆる「神宮」であります。

ちなみに二つの宮の関係性からも分かるとおり、神宮を参拝する時には外宮→内宮の順にお参りするのが正式です。


内宮に関してはもう言うまでもないと思うのですが、豊受大御神についてもう少し。

豊受大御神が外宮としているのは古事記の上では天照大御神の食事のお世話をするためなのですが、これについて学術的な観点からとある説がありまして。
実は豊受大御神は、天照大御神が生まれる(考えられる)前からこの地域で信仰されていた土着の神だったんじゃないかという話です。
ヤマト国が各地を治めるにあたってその正当性を主張するためにプッシュしていたのが天照大御神であったとすれば、土着の神である豊受大御神との親和性を図った結果がこの内宮と外宮の関係なのではないかという。
かつて聞きかじった時にとても興味深かったのでご紹介でした。

まあ神話あるいは歴史に関するお話はこれぐらいにして、以降ではたらたらと旅日記を続けていきます。


以上説明でした。



ということで伊勢市駅にいるわけですが、まずは外宮からの参拝となります。
お腹は空きっぱなしですがまあまだ大丈夫。


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駅の前から伸びる参道。

どことなくそれっぽい雰囲気かつ、それが最近再開発されたんだろうなというのを感じます。

さすが伊勢は数世紀レベルでの観光地なこともあり、駅から外宮までの道も地図なしの看板オンリーで辿り着く事ができました。


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はーい外宮だよー。

実は僕、3度も伊勢に来ているわりには外宮に来るのは(たしか)2回目。
小学生時代、最初に来た時のことは記憶にすらありません。


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手水舎があるとだいたいカメラを向ける。
なかなか高確率で絵になるから好きです。


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手水舎からさくさく歩けば5分程度で正殿の前まで着きます。

立て札もあるのですが、この鳥居から先は撮影が禁止となっています。

参拝を済ませてから、昨年の式年遷宮で立て替えられたばかりの社殿を垣間見る。
……やはりただならぬ雰囲気を感じるわけです。


正殿にお参りした後は外宮をひととおりぐるっと一周。

最初の方こそ人影はまばらでしたが、8:30を過ぎたあたりからそこそこ人の気が増えてきます。


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いいかい、僕は石段フェチなんだ。
いい感じの石段を見るとカメラを向けずにはいられないんだ。



この外宮には「せんぐう館」という展示施設が併設されていまして。
式年遷宮にまつわる展示や、本物には近付く事さえできない外宮本殿の原寸大復元を間近で見ることができる場所なのですが、


休館日 毎月第4火曜日


本日 8/26(火)



――以上、外宮でした。




外宮を出てすぐのところにある案内掲示には、

宇治山田駅 800m
伊勢市駅  350m

と書いてあって、なんだそれなら次の目的地の宇治山田には歩いて行けるじゃんということで徒歩での移動を決行。

町の様子を見物がてらぷらぷらと県道沿いを進みました。


外宮から宇治山田駅までは15分弱で着けるのですが、そこから近鉄の線路沿いに住宅街の中を目指して行きます。


丘の斜面を切り開いた住宅を抜け、それらを上りきった先にある頂上を目指します。

頂上が近付き斜面が急になってくると住宅は終わり。


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そこから先は雑木林の中、獣道を進みます。


林の中を歩くこと3分ほど。



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ここが、砲台山こと虎尾山の頂上です。

写真に見える大きな石造りのものは日露戦争の記念碑です。


この場所がいったい何なのかというと、僕の好きなライトノベル原作『半分の月がのぼる空』において大事な役割を担う場所なのです。
ついでに言いますと、当時僕が長編を書こうと思ったまさにそのきっかけの作品でもあります。

作品中では正式名称が竜頭山として登場しますが、実際の名前は虎尾山になります。


半分の月がのぼる空』についてはリンクを並べるので参考までに。

この場所がどんな場面で登場するのか、個人的には是非作品を手にとって欲しいところ。


ちなみにこの虎尾山ですが、数年前に作品のファンや地元住民の協力でNPO法人が立ち上げられ、砲台山の清掃活動を行い各メディアに取り上げられたこともあるようです。


○Wikipedia『半分の月がのぼる空』

○Wikipedia『虎尾山』

○NPO法人 自利利他


以下しばらく、ここぞとばかりに同作品の紹介をするので興味のない人は飛ばしてください。


『半月(はんつき)』はライトノベル電撃文庫)を原作に、

漫画化→ドラマCD化→アニメ化→実写ドラマ化→改稿しハードカバー化→実写映画化→一般文庫化

という、初巻の発売から10年以上が経った今でもライトノベル界で随一のメディアミックスぶりを誇る作品です。


出演者の知名度からも実写映画が比較的話題になりましたが、どれでもいいのでまずは小説版を手に取ることをおすすめします。
小説版は以下の3種類。

①原作ライトノベル電撃文庫
②登場人物の台詞を伊勢弁に書き換えるなどした完全版(アスキー・メディアワークス
③ハードカバーだった完全版を再文庫化したもの(文春文庫)

小説から入った人にしか感じる事のできない衝撃が映画版にはあるので、はじめての方には是非小説から触れて欲しいところ。
そして小説を読んだ人には是非映画版を観てほしいところ。
映画では、砲台山のシーンでこの実際の砲台山がロケ地として使われています。

ちなみに、他の媒体として個人的にお薦めするのはドラマCDです。



以上紹介でした。


ということで、今回の旅はいわゆる聖地巡礼を兼ねたものだったのでした。

僕に限らずこの作品のファンは非常に根強く、頂上の記念碑の下には、


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「半月」と書かれた衣装ケースが置かれています。


重たいそれを引きずり出して開けてみると、入っていたのは原作ライトノベルや完全版の小説、漫画など『半月』のメディアミックスの数々。中には日本語でないものも含まれていました。

そして何十冊にもわたるノート。


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それが今なおこの場で受け継がれ、増え続けていました。
『半月』に多少なりと人生を動かされた身として、この作品が大好きなファンとして、初めて読んで以来ずっとここに足を運びたいと思っていた人として、ようやくその積み重なった思いに触れることが出来て本当に嬉しかったです。

もちろん僕自身もノートに言葉を残しておきました。
もし行く機会のある方がいましたら、2014年8月26日のページを開いてみてください。僕の名前と思いの丈をぶちまけてあります。


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ということで砲台山でした。


最後に、砲台山への登り方を記録がてら書いておきたいと思います。

砲台山は宇治山田駅から南南東の方角、直線で400m程の場所に位置します。
標高は海抜50mほどで大した高さではないのですが、頂上までの道はなかなかに険しい山道なので相応の服装であることが望ましいです。

また頂上付近は夏場だと蜂がいたり蚊がそこかしこ飛んでいたりするので、それらの対策と覚悟も必要です。
あと、季節柄なのか山頂付近の長い石段に蛾がそこそこ沢山とまっていて、さすがの僕もちょっと気味が悪かった。


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そこからの景色が宇治山田方面が見渡せていい感じなんですけれどね。


ルート取りについては、下の地図の赤で示したAが一般的にも知られた公式なもの。
09年に整備された新登山道ですね。

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道の角に公園があり、その公園の一番奥の部分がフェンスで囲われているのですが、しっかりと扉が設けられておりその先が登山道になっています。

……ところが、恐らく僕はBの部分から登ってしまいました。何故かあったんです道が。
登山道になってからの道は推定するにAよりもだいぶなだらかですが、遠回りだし足場の保障もできないのでオフィシャルなAを薦めます。




砲台山を離脱した後は宇治山田駅前へ向かい、ようやくご飯にありつきます。

珍しくお店は事前に目星をつけておりました。


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まんぷく食堂です。


○食べログ「まんぷく食堂」

○伊勢市観光協会ブログ 「まんぷく食堂」のからあげ丼


伊勢のB級グルメとして名高いこのお店ですが、こちらも『半月』に登場するため聖地巡礼の一環となります。


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店は小さなモールの中で3つの部屋に分かれていまして、今回は厨房とは別室の奥の部屋に通されました。
名前の通りの地元の食堂で、僕としてはとても落ち着く雰囲気。

目玉のメニューは「からあげ丼」。

もちろんそれを食べるつもりでここに来たのですが、その前に空腹に耐え切れずちょいとパンをつまみまして、そこそこお腹を持たせてしまっていました。
ということで、からあげ丼630円よりもひと回り小さいプチからあげ丼550円をセレクト。


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プチといってもご飯の量は牛丼チェーンの並ほどあるんですけどねー。

唐揚げを卵でとじた丼です。
シンプルですがボリュームがすごい。
そして思っていたよりも胡椒(?)がきいている。

店に入る前よりもいっそう食欲を刺激されて、ひょっとしたらプチの方じゃなくても十分太刀打ちできたんじゃないかと思うくらいでした。

プチからあげ丼をぺろりと平らげて、会計をしようと厨房のある部屋に行って財布を探っていると、


店員さん「――『半月』で来たの?」


そうですと答えると、「じゃあそこのノート書いて行きな」


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半分の月がのぼる空 聖地巡礼記念ノート No.10


ここにもあるのかとしみじみ。もちろんしっかり書いてきました。

何年経ってもこうやってファンの人たちが何度も足を運んでくれるとねー、地元のこっちとしてもまだ大切に盛り上げようって思えるんだよねー。本当にありがたいことだよー。

ノートにペンを走らせている間、店の人がそんな事を話してくれました。
いやこちらとしても本当に嬉しい限りでした。
また行こうと思います。



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さてお次は近鉄に乗って、五十鈴川駅に到着です。

途中で聖地巡礼を挟みましたが、朝には外宮へ行ったのだからもちろん午後は内宮です。
五十鈴川駅は、内宮から最も近い鉄道駅

……ではあるのですが。


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駅を出て10分弱歩いて見つけた案内がこれだよ。

電車と徒歩だけで移動する観光地ではないと最も強く感じた瞬間でした。
他に同じような移動の仕方をしている人を他に見ませんでした。

たぶん本数は少ないもののバスなんかはあったはず。
あるいは近隣の観光地と併せて旅行を組む事を考えると、やはり自家用車かレンタカーでの移動が便利な地域だと思います。

……とはいえ、なんだかんだこういう苦行を求めてここまで来ている感はあるよね。


大きな石灯籠が並ぶ広い道(県道12号)を歩いていると、さらに広い国道へと合流。
ここまで来れば内宮までは1kmもありません。


ですが、その国道の途中にありますのがこの看板


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猿田彦神社の入口でございます。


○猿田彦神社ウェブサイト

○Wikipedia『猿田彦神社』


祀られているのは猿田彦神とその子孫の大田命。

古事記によると、猿田彦神ニニギノミコト天孫降臨を先導した後に五十鈴川に鎮まった神様。

そのエピソードからみちひらきの神として、交通安全や方位除けの神社として信仰されています。
一説によると伊勢神宮よりも古いのではないかとも言われている神社です。


そんな猿田彦神社は、


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平成の御造営ということで耐震・バリアフリー化などの全面改修真っ只中でした。
完工は平成29年の予定だそうです。


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……JAL(違う)


猿田彦神社を出てさらに国道を歩いていると、いつの間にか国道の左手がおはらい町・おかげ横丁になっています。
このまま国道を歩き続けているとそれらの影を何も見ないまま内宮前の宇治橋まで着いてしまうので、猿田彦のある大きな交差点からもうおはらい町の延長上の道に入ってしまうことをお薦めします。



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おはらい町でございます。


猿田彦じんじゃの付近から内宮の入口に向かって伸びている道を「おはらい町」、
そのおはらい町の中央あたり、脇にわさっとある似た雰囲気の路地が「おかげ横丁」になります。


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実はおはらい町に入る前に、おかげ横丁の裏にいらっしゃる猫さまに出迎えられていた。

おはらい町は全長約800m。
観光客が激減したことを問題視して、民間が主導になって70年代に再開発と整備をしたのがこの一帯なんだとか。

まあその民間というのはお察しの通り、紹介するまでもない老舗和菓子店にして伊勢銘菓を手掛ける赤福なのですが。
今でこそこういった町おこしは全国各地で珍しくありませんが、それらの中でもかなり先駆けのものに分類されるのではないでしょうか。

そのおかげで、通りとその界隈には江戸チックな雰囲気が徹底されています。


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なにせファミマがこれである。

おはらい町には郵便局なんかもあるのですが、基本こんな雰囲気です。
小学生の頃来た時の記憶とあまり変わっていなかったのが嬉しかったです。


この記事を編集しているのが冬真っ盛りなので感覚としてあまり思い出せないのですが、8月なので言わずもがなこの日も翌日もその翌日もそこそこ暑いです。


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そんな日にサイダーを飲まずしてどう涼を取るのかという話ですよ。
町並みと天気とサイダーのトリプルパンチだなんてもう最高。


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看板のかわいさに思わず心が揺らいだけれど、さすがにサイダー片手にソフトクリームを求めるのはおかしいと思ってやめた。


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サイダー飲んだり通りの店を物色したりしているうちに、内宮こと皇大神宮に到着です。

いよいよだよー。
今回の旅で初日にして最大の目的だよー。
ぶっちゃけここに来るのが動機であって以降はおまけというか後付けの旅程だよー。


○伊勢神宮 公式サイト


宇治橋を渡り、砂利の道をざくざくと歩き進みます。

地面がアスファルトでないのと周りを深い木々に囲まれるのとで、境内は体感も見た目もかなり涼しげ。


ところ外宮で手水舎の話をしましたが、内宮にももちろん手水舎はあります。

ですが、天気がよければ皆さんもこちらで清めましょう。


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言わずもがなの五十鈴川です。
余談ですが某トラックメーカーの名前もこの川にちなんでいます。

本来参拝の前に川で身を清めていたのが手水という形で簡略化されたんだそうな。
それにしても水が綺麗なんですよここ。当然っちゃ当然なのかもしれませんが。


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そして参道は続く。
伊勢には、ここを歩いた時に感じる空気が忘れられなくて来たといっても過言ではない。

樹齢数百年の神宮杉が両脇に並ぶ光景に圧倒されるというか、あのどことなく身にしみこんで来る緊張はなんなんでしょう。
国の歴史と共に信仰を集めてきた場だからこその空気感なんだろうとは思います。


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なんかもうこれ以上言葉にしてもちゃちにするだけなのでやめておきます。
とにかくこの引き込まれる感じが堪りません。

五十鈴川のほとりから正宮まで15分ほど歩いているようですが体感ではそんなに長くなかったなーと。
さて、そんなわけで正宮です。


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最後の石段下より。ここから先の撮影はできません。
お参りを済ませて正殿を後にしました。

ちなみに式年遷宮の翌年だったわけですが。

持統朝の690年から今なお形を変えずに残されてきたものがあるってのは宗教観を抜きにしても凄いとしか言いようがないですよね。
20年を区切りに新しく造り直すことで「新しいことが古い」「新しさの中の古さ」を体現して、それを生きた文化として残すというところだけでも浪漫を感じざるを得ない。
他の文化にはそうそう見られない、日本が誇るべきものであることは間違いないでしょう。


はい、そんな感じで内宮でした。


順路どおりに歩いていると最後に休憩所があるので、そこで涼を取ってから宇治橋を渡りおはらい通りへと戻ります。


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戻ってすぐ右手にあるのがこの赤福の店舗。

先ほどもちょろっと出てきた赤福ですが、喫茶スペース付きの赤福の店舗は内宮界隈だけでも本店をはじめ何店舗かあります。
そのうちの内宮から最も近いのがこの内宮前支店。


赤福といえば言うまでもなく有名なのは赤福餅。
知っている人は知っている朔日餅

そして喫茶スペースのある店舗では、夏期は赤福氷、冬季は赤福ぜんざいを食べることができるのです。

もちろんこの時期は赤福氷のシーズン。
レジでお金を払って番号札を受け取り、待つ事数分。


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これですよこれなんですよ。

小学生の頃伊勢に来たときも食べて忘れられなかった味再び。

大きな茶碗に山盛りでやってくる抹茶のかき氷。
だがそれだけじゃない。中には餡と餅が入っているのです。

かつて抹茶のたぐいが嫌いだった僕も、これをきっかけに食べられるようになったという魔法の一品です。
夏場に行ったら是非お試しあれ。

ちなみにぜんざいはまだ食べた事がないので誰か感想を教えて下さい。



赤福氷を胃に収めた後は、おはらい町をぷらぷらと物色。


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面白そうな店を見つけ次第涼みがてら入っていきます。

↑の陶器屋さんでは自宅用にそばちょこを買って帰りました。


そんなこんなで、伊勢市界隈の観光はこれにて終了。
おはらい町も夕方5時にはあらかた店舗が閉まってしまうというのもあります。


五十鈴川駅まで(再び歩いて)戻り、近鉄にコトコト揺られて移動。


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1時間以上掛けて鵜方駅に到着。

ここからさらにバスに乗って移動し、翌日の目的地にほど近い場所で一泊するのでした。


【第一章】神宮編 ~終~