三度目のチャレンジでようやく上陸が叶った、伊豆諸島の利島を引き続き歩いて行きます。もう少し集落まわりを歩いたら、人里を離れて山を登りに行きます。
(9:00)
利島小中学校。全面芝生すごい。
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【8/23】竹芝客船ターミナル~さるびあ丸
⇒【8/24】利島港~利島館~利島村集落~宮塚山~利島村集落
【8/25】ドルフィンスイム~利島港~さるびあ丸~竹芝客船ターミナル
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長久寺
(9:04)
校庭だけじゃなく寺まで芝生でした。
伊豆諸島には歴史上流刑地とされた島が多いからか、結構な割合の寺が日蓮宗です。
堂山神社
(9:09)
(9:10)
今まで見た玉石段で一番穏やかな傾斜をしている神社でした。
(9:14)
その後集落内の商店を覗いてみたものの、カップ麺や菓子のような保存のきく食料しかなく、お弁当はもちろんおにぎりやパンといった食品はありませんでした。そもそも、島内を歩いていても観光している人とすれ違うことはほとんど無かったので無理もありません。
(9:14)
二人とも昨晩の乗船前に買った食べ物を若干余らせていたので、通りがかりに宿の部屋に戻り、それらを食べて再び散策へ出発です。島を反時計回りにぐるりと歩きにかかります。
(9:41)
村立保育園。
(9:59)
集落を離れると、やはり沿道は椿畑になります。本当にそこかしこに椿が植わっています。これは花期に来てみたい。
(10:14)
途中で通り雨に降られたりしつつしばらくの登り坂を経て、徐々に海面を見下ろすような高度になってきました。
(10:14)
そんな時に現れたこちらは離島にありがちなごみ処理施設。
阿豆佐和氣命本宮
(10:16)
一周道路をまっすぐ進めば南登山口へ至りますが、南ヶ山園地や阿豆佐和氣命本宮へとアクセスする道へ逸れます。
(10:23)
やがて現れるのが、島で一番神社と呼ばれるこの神社。
(10:24)
石段がものすごくいい味を出しています。
(10:28)
(10:29)
(10:32)
せっかくいい石段なのに賽銭箱の……主張が激しい……!
南ヶ山園地
(10:35)
もうすぐ園地に至るかというところで貯水池を発見。道から看板のあるところで一本逸れて少し下った先にあります。あまり近づきすぎても万が一落ちたら這い上がって来られなさそうなので程々にしました。集落とは真反対の場所ですが、ここから集落まで上水道を引いているんでしょうか……?
(10:44)
地図上では貯水池のすぐ隣にあるこちらが南ヶ山園地。軽く丘になって張り出した場所のようです。鵜渡根島や新島、式根島、神津島までよく見える場所です。逆に言えば、島の南側の景色をよく見渡せるスポットはこの南ヶ山園地くらいかと思われます。ちなみに新東京百景にも登録されているようです。
(10:53)
南ヶ山園地はそこそこ敷地が広いものの、島の地図でもまともに案内されていないので、現地の案内板がほぼ唯一頼みの綱です。舗装路(車道)だけで宮塚山の南登山口へ行こうと思っていたものの、園地内の遊歩道でショートカットできそうなので行ってみることに。でもその前に案内板の右側にある「キッチンハウス」が気になりすぎるので見に行きましょう。
(10:49)
クモの巣などが張っていて、通路であることを一度は疑うような山道を進んだ先にキッチンハウスを見つけました。どうでしょう藩士(『水曜どうでしょう』ファン)である我々二人には、この建物が「ブンブン」にしか見えませんでした。詳しくは水曜どうでしょうの企画「マレーシアジャングル探検」と「ジャングル・リベンジ」をご覧ください。
(10:49)
外には水道の蛇口もあるので、バンガロー的な使い方ができると思われます。実態は知りませんが。
(10:50)
ベンチとテーブル的な何か。ここをどういう場所にしようとしていたのか、その意図はなんとなく察しがつきますね。それにしては携帯の電波の入りが悪いですが。
(10:58)
さて続いては遊歩道を歩いて登山口方面へ抜けます。途中には展望スポットがありますが、先ほどの広場の方がよく見渡せるし落ち着きます。
遊歩道はブロックが敷き詰められて歩きやすい足元になっているのですが、対する空中は両脇の木々の枝がのびのびと繁茂しているので、何度もクモの巣を顔面にかぶったり、しゃがんで枝をくぐり抜けたりと忙しいです。
(11:01)
かつて生活用水を確保するために貼られていた集水シートを、記念にこの部分だけ残しているそうです。
(11:03)
(11:04)
巨大なスダジイが現れたらそろそろ遊歩道もおしまいです。
そこそこな金額で整備されたと思われる遊歩道がすっかり放置状態で、二人でぶつぶつ文句を言いつつ(も楽しんで)歩いていたのですが、これは我々の体験する過酷な行程の序章に過ぎなかったのです。
大山小山神社
おやまこやま、と読むようです。
(11:12)
南ヶ山園地のはずれに位置する神社です。阿豆佐和氣命本宮が一番神社であるように、こちらの別称は二番神社です。
(11:15)
っていうか相変わらず賽銭箱の存在感が気になって仕方ない……。
(11:15)
ちなみに、ここまで来るには多少なりと山道を通る必要があります。遊歩道で懲りていたのでなるべく山道が最短となるルートを選んだ結果、こんなコースとも思えないコースを歩く羽目になりました。
(11:16)
しかしこれさえも我々の体験する過酷な行程の序章に過ぎなかったのです。
南登山口
(11:20)
南ヶ山園地を抜けたら平和な舗装路を歩きます。といってもドライバー目線だと落ち葉や枝などの落下物は多めです。クワガタも落ちていました。
(11:23)
さて南登山口に到着です。ここから宮塚山を目指……
(11:23)
そうとしたのですが、初っ端からとても挑む気にはなれないような茂みの登山道でした。「20mくらい進んでみて、その先もこんな景色なら引き返そう」ということで様子見をしたのですが、その結果引き返してきました。
計画では南登山口から宮塚山を登って東登山口から降りて来るつもりだったのですが、南はこんな状態なので往復とも東から出入りするルートへ変更。もしも東登山口まで同じような状況なら、それはその時考えようということにしました。
(11:31)
少し後、乗ってきたさるびあ丸が神津島で折り返して上り便として利島に近づいてくるところを見かけました。
東登山口
(11:43)
少し歩いて東登山口まで回り込んできました。東は東であまり良さそうな様子ではありませんが、南よりだいぶマシそうなので東登山道を往復するプランを実行しましょう。
(11:46)
それでもワイルドさは備えています。
(11:47)
雨あがりでぬかるんだ地面に足をとられて何度かすっ転びました。
(12:03)
頂上へ向かう途中、御穴(みあな)と呼ばれる火口を見に行ける脇道があります。我々はあえて「おけつ」と呼んでいましたが。
(11:59)
(12:00)
見に行きました。数歩先から大きく落ち込んでいるのは分かりますが、藪が深すぎて見渡せず正直なんだかよく分かりません。
宮塚山周回路
(12:05)
(12:09)
(12:13)
お鉢を回る道に出ました。なんというかジャングルです。ここまでの道を含め、展望は全く開けていません。それでもせっかくここまで来たのだから、山頂まで行ってみましょう。
(12:18)
その山頂までに至るラスト180mの様子がこちら。ずっとこんな感じです。腰上どころか背丈を越える藪の中。360度背丈を越えるの草木の中でも道だと分かる唯一の手掛かりは、比較的若そうな草しか生えていないエリアが帯状に続いているというそれだけ。
宮塚山山頂
(12:21)
(12:22)
こんなに山頂らしくない山頂を君は見たことがあるか。気持ち広場のようになっていますが、膝下はみっちり草の中です。標高508mですがその実感はゼロです。
(12:23)
はいそれでは山頂から展望台へと向かう道はこちらです。文字通り草をかきわけ、山頂付近で拾ったひ弱な棒でせめてもの先払いをしつつ歩きます。顔に何度もクモの巣を食らい、帽子にはクモの糸をたなびかせつつ進みます。
こんなに生い茂った中を歩くのなんて小学生の頃でもそうそうやっていないレベル。絡みつく植物をまじまじと見て冷静に考えると気が狂いそうなので無心で突き進みました。
(12:29)
南登山口と周回路の合流点に到達しました。山頂からはアップダウンの少ない150m程度の距離なのに5分以上掛かっています。ところが、このあたりから徐々に藪は落ち着きはじめ、藤岡弘探検隊ごっこは終息を迎えていきました。
展望台
(12:35)
山頂は展望がないという話は事前にキャッチしていたものの、まさかこれ程とは思っていませんでした。やけくそなテンションのまま展望台に到達です。
(12:35)
まるで展望とは思えない大自然ののびのび具合。
(12:35)
(12:37)
登山口からここまで完全にブラインド状態でひたすら登っておあずけを食らっていただけに、集落と海を見渡せる展望台に立った時には思わず二人して声を漏らしました。
(12:39)
それにしても、景色のご褒美は途中でももう少し小出しにしてくれていいと思うんです宮塚山さん。
(12:50)
展望台からは100mほどで、東登山道との合流点まで戻ってくることができました。後で聞いた話ですがこの登山道、春秋には地元の遠足にも使われることがあるそうで、そのシーズンにはちゃんと事前に下草が刈られているんだそうです。つまり、誰も登るはずがないようなある意味オフシーズンの最も過酷なタイミングで登ってしまったようです。この後麓で会った島民の方に宮塚山を登ってきた話をすると、「えっこの時期にそれは」と十中八九ぶったまげられました。地元の方にも驚かれるとは我々はいったいなんという苦行をしてきたんだろうか。
(13:07)
東登山口⇒周回路…約20分
周回路1周…約45分
周回路⇒東登山口…約20分
約90分の短くて長い大冒険でした。