出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

船と原付で行く伊豆大島【2】大島上陸・原付始動

 

f:id:unyora-d:20170220220618j:plain

(5:42)
太平洋上からおはようございます。
船の窓ガラスの反射で明かりが入っていますが、向こうに見えるのが伊豆大島です。

……実は、少なくとも4時台から船が全く動かずに洋上でぷかぷか揺れています。ふと起きたら、揺れ方が寝る前のそれと明らかに違う。窓の外やスマホの地図で確認して確信しました。
どうやら、本当はもっと早く着けるところをあえて時間を遅らせて着くらしい。よくよく見て見れば、上りの昼間便に比べて下りの夜行便は3時間くらい航行時間が長い。大島への到着時間を朝に合わせているのでした。

 

f:id:unyora-d:20170220220632j:plain

(5:53)
This is 伊豆大島スタイル。
普段の格好とほぼ変わりませんが背中にはリュック、クシタニのジャケットは中のダウンとプロテクターを抜いています。そして手にはマイヘルメット。

 

f:id:unyora-d:20170220220651j:plain

(5:55)
ぞろぞろと列をなして下船準備。
船内で迷子になったら階段の近くの床にプリントされているアルファベットで自分のいる階層を確認しましょう。

 

f:id:unyora-d:20170220220712j:plain

(6:01)
午前6時に伊豆大島

下船をする人々は大多数がチャリンコを輪行(バラして手荷物にする)している方々で、その次に多いのが釣り人です。温かい時期ならこれにマリンスポーツ勢が加わるのでしょうか。

 

f:id:unyora-d:20170220220752j:plain

(6:02)
船の突端にはクレーンが付いていて、港に着くと小さなコンテナをせっせと下ろしていました。フェリーではないものの250cc以下であればバイクを貨物扱いで運搬できるとの事なので、きっとああやってクレーンで吊り出されるのでしょう。

 

f:id:unyora-d:20170220220802j:plain

(6:05)
東海汽船伊豆大島航路では、伊豆大島での寄港地が2パターンあります。

当日の波の状況次第で北部の岡田港と西部の元町港のどちらに着けるかを決めるそうです。冬場は岡田港、夏場は元町港であることが多いようで、この日も寄港地は岡田港でした。
とはいえ岡田港には気持ちばかりのお店が並ぶ程度で、多くの人が観光の足掛かりにするのは元町港の方だったりします。島とはいえ両港は直線でも5㎞くらい離れており、早朝に岡田港から歩いてそちらへ向かうのはあまり現実的ではありません。

 

……しかし案ずるなかれ、ちゃんと救済措置の移動手段があります。
客船利用者向けに元町港方面行きのバスが出ています。ぱっと見ではただの観光バスがしれっと停まっているだけなので、運転士さんに確認して乗車しました。
料金は(たしか)360円で、ほぼ満員の状態で発車です。我々も二人並んで座ることはできず、バラバラに着席。
僕の隣は真っ黒なスーツに真っ白なシャツを着たやや年下の女子でした。大島に住んでいて、就活か何かの帰りだったんだろうか……。

 

f:id:unyora-d:20170220220838j:plain

(6:41)
この「夜行便が岡田港に入港した時の元町港方面行きバス」については、僕がネット上を探した限りでは公式のアナウンスがなく、個人の旅行記でぽつぽつと語られている程度。
バスはほぼ満員だしプロモーションする気もないのかも知れませんが、大々的でなくとも調べればすぐ分かるどこかで教えてほしい……あるいはそれをご存知の方はぜひご一報ください。

SEOも兼ねて(←)再度書きますが、「東海汽船伊豆大島行き大型客船夜行便岡田港に入港した時の、元町港方面行きバス」はちゃんとありました! 少なくとも2016年のこの日は!
ちなみに、宿やレンタカー屋によっては当日の入出港地まで無料の送迎を行っているところも少なくありませんので、ツテがあるならそちらに頼るのがベストでしょう。

 

f:id:unyora-d:20170220220853j:plain

(6:41)
車内から苦し紛れに撮った一枚。乘ってきたさるびあ丸が遠ざかっていくところを偶然発見。

岡田港から元町港にはバスでおよそ20分。着く直前にアナウンスがあり、「御神火温泉に行かれる方はそのままご乗車ください」とのこと。そこはまさに我々の第一の目的地でした。元町港から300m弱なので歩いて行く予定でしたが、寄ってくれるというならありがたい。
追加料金を取られることもなく、元町港までの料金のまま御神火温泉前で下車しました。

 

f:id:unyora-d:20170220220905j:plain

(7:42)
さるびあ丸には浴場がなかった(コインシャワーはある)ので、まずは風呂なのでした。
夜行便が入港する日だけは乗船客に合わせて早朝から営業しています。

 

f:id:unyora-d:20170220220916j:plain

(7:46)
風呂を済ませたらいよいよ行動開始。
今回の観光における移動手段は原付です。原付をレンタルして爆走します。
が、その前に観光に不要な荷物を置きたい。本日宿泊の宿(元町港から歩いてすぐ)へ一旦寄って荷物を預かってもらい、足早にレンタル屋へ。

 

f:id:unyora-d:20170220220925j:plain

(7:49)

 

f:id:unyora-d:20170220220938j:plain

(7:49)

 

f:id:unyora-d:20170220220952j:plain

(7:50)
とはいえ途中で猫を見かけたら立ち止まって撮らざるをえまい。

 

さて、原付のレンタルです。
当初はネットでもすぐトップに出てくる『モービルレンタカー』で検討していたのですが、1ヶ月前を切ったところで電話をすると、残念ながら予約で埋まっていて2台確保ができませんでした。
原付で走ることは計画当初からのコンセプトだったので、困ったなー自動車しかないのかなーと思いながら伊豆大島を原付で一周している旅行記を漁っていると、『らんぶるレンタサイクル』という名前を見かけます。

 

★伊豆大島へ行こう!


独自のWebページは持っておらず、大島観光協会のサイト内に電話番号が書いてあるだけ
しかしどうやら自転車だけでなく原付のレンタルも行っているようです。電話しました。……2台無事確保できました。


具体的な時間を告げずに「11/5の朝から翌日のお昼過ぎまでー」としか言っていないのに了承されて大丈夫かなと思いましたが、名前さえ伝えてあれば問題あるまい。予約の電話は良い言い方をすれば商売っ気が薄く、親戚のおばt……おねえさんに電話を掛けているような気分でした。

 

f:id:unyora-d:20170220221101j:plain

元町港から徒歩一分、地図左上の赤丸部分がお店の所在地です。
地図上の表記は『レンタサイクルらんぶる』、観光協会のサイトでは『らんぶるレンタサイクル』と表記揺れにも動じないお店(どうやら『らんぶる』だけが本来の店名らしい)。
ちなみに、右下にある『ホテル白岩』が本日の宿です。
宿のお話はチェックイン後にしますが、ホテル含め元町の市街(?)部分は徒歩でもわりとどうにかなります。ただし海を離れるとすぐに山の傾斜が始まるので、ややしんどいかも知れません。

 

f:id:unyora-d:20170220221113j:plain

(8:12)

ホテル白岩から町役場へ斜面を下っているところ。基本原付での移動ばかりだったので実感はありませんが、素人の自転車だとこの坂道は酷に思われます。

らんぶる』に到着し名前を告げ、予約表に必要事項を記入すればレンタル開始。

 

f:id:unyora-d:20170220221146j:plain

(8:26)
世界4大バイクメーカーの一角、スズキの技術力が光る国産原動機付自転車レッツ4が今回の旅のお供です。国内で一般的に新車を購入できる原付の中で最も安価であることも付記しておきます。

 

店では一応ヘルメットの貸し出しがあります
……とはいえ、置いてある大半が半ヘルでジェットやフルフェイスはとてつもなくぼろっちいものが1つ2つくらい。自前を持っている方は基本的には持参した方が良いように思われます。ちなみに僕はアクションカメラをヘルメットに付けて走りたかったこともあり、多少面倒でしたが持参しました。
その他グローブ等の装備は用意がありませんので、それぞれの判断で持参が必要です。中型2輪から入った僕からすればグローブなしも考えられない(安全云々の前に寒いですが)ので持参済み。

 

手続きを済ませたらいよいよ原付ツーリング開始。……ですが、店からいきなり走り出すことが怖くてできなかったので、港の方にある空いたスペースまで押して歩くことに。

 

f:id:unyora-d:20170220221200j:plain

(8:43)
操作と具合を確認してから発進。
セル(ボタンを押すだけでエンジンを始動させる機構)はさも当然のように使えず、キックスターター(専用のレバーを踏み込んで始動させる、昔ながらのちょっとコツがいるやつ)のみが使用できました。多少面倒ですが、まあ走る分には問題ないので良しとしましょう。

 

僕に言わせれば、普段乗っているバイクよりこういった原付の方が怖いです。
・交通の流れに乗れない(法律&スペック双方の点で)
・軽すぎて速度を出しても安定しない
ただし小回りはものすごく利くので、交通量も少なめの場所をうろちょろ観光するにはもってこいだなと思いました。普段の2輪とは全く違う感覚が楽しいです。

 

元町をスタートした我々は、とりあえず島を時計回りに進みつつ目ぼしいスポットに立ち寄るスタイルを取ることに。どんな道でもとろとろ走りながらさっと寄ったりできるのは原付ならでは。

 

f:id:unyora-d:20170220221222j:plain

(9:01)
さっそく大島一周道路と呼ばれる幹線(?)を外れて、より海沿いへ。

 

f:id:unyora-d:20170220221231j:plain

(9:01)
島の解放感と原付の楽しさにテンション上がりきってぶっ倒れる人。僕です。

 

f:id:unyora-d:20170220221241j:plain

(9:01)
大島の北端にほど近い、野田浜海水浴場での光景でした。まだ走り始めて3㎞くらい。

 

f:id:unyora-d:20170220221300j:plain

(9:38)
大島一周道路こと都道208号へ復帰。一周道路は舗装も道幅も一定以上のものが保証されているので安心です。ただ一周道路といっても完全に道なりというわけでもなく、いきなり丁字路を曲がらなければならなかったりするのでちょいちょい地図や案内標示を確認しましょう。

 

f:id:unyora-d:20170220221312j:plain

(9:44)
岡田港の周辺ヨウゴシ岬展望台の前にて。

 

f:id:unyora-d:20170220221322j:plain

(9:39)
わーい

 

f:id:unyora-d:20170220221337j:plain

(9:40)

うええええええええええええええええい
(三脚を立てて自撮り)

 

 

船と原付で行く伊豆大島【1】竹芝・東海汽船・さるびあ丸

船と原付で行く伊豆大島【3】裏砂漠・筆島・地層大切断面

船と原付で行く伊豆大島【4】三原山登山道路・御神火スカイライン・椿フォンデュ

船と原付で行く伊豆大島【5終】裏砂漠の日の出・火山博物館・帰路