出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による旅行記群。VTR-F乗り。分割日本一周計画遂行中。

九州一周の旅【4】長崎・後編

 

 

 

さてさて、ここまで半日の長崎観光でしたが、午後も長崎です。

 

今や観光スポットとしては長崎でもトップクラスの存在といえば、そう、世界遺産にもなった

 

 

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軍艦島です。

 

 

 

 

 

軍艦島は現在、一部エリアには一般人も上陸できます。

 

しかし、それは特別に許可を受けたツアーに参加することによって初めて可能になります。

 

 

 

軍艦島に上陸可能なツアーを組んでいる会社は現在4社。

 

今回申し込んだのはシーマン商会というところのツアーです。

 

宿泊先のホテルよりも、九州を往復するためのフェリーよりも真っ先に予約したのがこの軍艦島ツアー

 

ゴールデンウィーク真っ只中のこともあり、予約しなきゃと思った頃には、別のツアーでは満席になっているところもありました。

ツアー料金が他より数百円高いこともあってシーマン商会の予約はなんとかOK。

スケジュール的にも、一周の計画はこのツアーを軸に組んでいます。

 

 

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ツアーの発着所は大浦天主堂グラバー園から徒歩圏内。

お土産やその他不要そうな荷物は、そこからさらに200mくらいの場所にある県立美術館のコインロッカーにインしてツアーに臨みます。

 

 

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桟橋でスタッフに名前を告げ、東京からプリントアウト&記入&持参した誓約書と参加費を提出。

 

飴玉を貰い、船に乗り込んで時が満ちるのを待ちます。

糖分摂取は乗り物酔い予防になるって前にテレビで言ってた。

 

 

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船べり沿いの端の席ゲット。

 

慣れてきたとはいえ複数人が基本の場でぼっちはつらいけれど、こういう時人数を気にせずすぽっと収まることができるのは強み。

 

 

出向したら真っ先に軍艦島に向かうのではなく、湾内にあるいろいろなものを見て回ります。

 

クルーズといえば聞こえは良いですが、そこまで大きな船ではないので湾内でも容赦なくざっぷんざっぷん揺れます。

 

 

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世界遺産ジャイアンカンチレバークレーン

遠目に見る以外は一般非公開なので、こんなに近づけるとは思わなかったすごいすごい。

 

 

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ドックに鎮座するLNG(液化した天然ガスを運ぶ船)。

 

LNG船というと、タンカーにお椀を3つくらい伏せたような形を思い浮かべますが、これは空気抵抗を減らして燃費を稼ぐためにフードをかぶせているんだとか。

 

 

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護衛艦しまかぜ。かっちょいい。

 

 

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長崎造船所2番ドック

門型クレーンは基本かっこいいんだから反則だってばあああああああああ

 

 

その後、離島に建つ教会などを紹介しながら船は進みます。

 

しかしその頃には高速航行に入り、水しぶき避けのシートを展開してしまったので、写真を撮ったにも何が撮りたかったんだこれは状態なので割愛。

 

 

出港から35分ほどで、お待ちかねの軍艦島に接近。

波のコンディション的にも上陸可能とのことで、いよいよやってきた感。

 

ちなみに海のコンディションが悪く軍艦島に上陸不可と判断が下されると、その隣の島に上陸し資料館的なところを見学するコースになるそう。

 

 

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しかし他社のツアーが乗船中で、我々はすぐに寄港できない。

 

軍艦島に上陸可能なツアーは4社が扱っていることは先述の通りですが、それらの会社が入れ代わり立ち代わり、乗船と下船を繰り返しているのです。

話によると各社乗下船の時間はきっちり定められているらしい。

 

 

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そして我々シーマン商会一行にも乗船の時がやってきた。

 

スピーディーな下船のために、降りるとすぐ集合場所へ行くよう急かされる。

 

 

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ツアーで軍艦島に上陸できるといっても、その中で歩ける部分はほんのわずか。

 

全長300mくらいの見学通路と、途中にある3つの見学広場のみです。

通路を歩きつつ、それぞれの見学広場で立ち止まっては島の概要や生活、目の前に見える廃墟の説明を聞くスタイル。

 

 

 

南北480m、東西160mという小さな面積。

これでも、元は現在の1/3の大きさしかなかったところを埋め立てで拡張したんだとか。

 

最盛期は5300もの人が住み、石炭産業で日本を支えた軍艦島こと端島

細かい話は抜きにして、その人工的とも自然とも言い切れない不思議な光景をご覧くださいませませ。

 

 

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……いちおう、「観光地です!」感あふれる写真も出しておきますね。

 

 

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他社のツアー集団とすれ違う時は、ツアー客が混ざらないようにスタッフたちが必死に誘導してくれます。

 

 

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帰りに上陸証明書をくれます。

 

 

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楽しかったよ軍艦島

 

廃墟的なものが好きな人はもちろん行って損はない。

これだけ人の気配を残しながら今は誰も住んでいない、一斉に人が消えてしまった、しかも本土からは隔離された島。

 

とても人工的なのに今はまったく人工的な営みをしていない空間はとても異様で魅力的でした。

 

 

 

以上にて、本日の観光は終了。

 

今日は天草に宿を取っているので、そこまで移動するだけです。

 

しかし僕は、軍艦島から長崎に戻る船の途中で気づいてしまった。

 

(……あれっ、フェリーの最終便に間に合うのか?)

 

そして、珍しく頭を使いまくった(当社比)。

 

 

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現在地長崎に対し、宿は熊本の天草

最短かつ最速で向かうには陸路で島原半島の最南端まで走り、鬼池口之津間のフェリー30分で天草へアクセスするルート。

 

ツアー解散時刻が16:00。

フェリーの乗り場までは約60㎞。

フェリーの最終便は18:30。

 

 

……これは、まずくないか?

 

 

長崎の港に戻る→コインロッカーの荷物回収→路面と徒歩でバイクまで戻る→60㎞走行

を、150分は無理じゃないか? フェリーは時間ちょうどに着いても乗れないんだぞ?

 

港に戻ったら目の前に荷造りを終えたバイクが用意されているというトライアスロン的環境でもギリギリな距離と時間だぞ?

 

 

……いや、まて。

 

 

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 フ ェ リ ー は こ こ に も あ る 。

 

乗り場までの距離はせいぜい10㎞弱短くなるかという程度でしかない。

 

……しかし、問題は距離よりも最終便の時刻。

本日の最終便、19:05。

 

これはいけるのではないか。急げばいけるのではないか。

熊本まで出られれば、天草までは橋で渡ることができる。

 

 

――これでいこう。

 

 

そう思った頃にちょうど船は陸に寄せられ、ツアーは解散となった。

 

 

直線距離では圧倒的に近いながらも、徒歩で行くと時間がかかる美術館のコインロッカーは後回し。

 

まずはバイクに乗るんだ。

それからコインロッカーまで取って返し荷物を回収。

徒歩移動の距離を考えるとこれが最短ルートだ。

 

内心の焦りとは裏腹に、バイクのもとへ戻る路面電車はとてものんびり走る。

 

 

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いい街である。

 

 

・夕方、時間があれば原爆資料館を見よう

・フェリー乗り場まで走る途中、時間があれば諫早のギロチンロード走ってみたいな

・時間があれば、雲仙でも何か見て行こう。島原城とか。

 

 

 ⇒そんな時間は幻想だった。

 

 

 

ねりねりと早歩きでバイクのもとへ帰還。

 

美術館までバイクを走らせ、荷物をピックアップ。

ここまでの所要時間は、船上での読みよりも遅い。

 

急ごうったって路面電車にもバイクにも交通事情というものがあり、そう上手くはいかない。

なにぶん、連休の夕方だから交通量は多いのである。

 

 

島原半島の付け根に差し掛かったあたりで、時間はほぼギリギリといったペース。

 

駆け込みで間に合えばよし。出航したてを陸から見送るだけはしたくない。

なにより、有明海をぐるっと陸路で熊本まで回り込むのだけはごめんである。

 

あああ頼む間に合ってくれと願いつつ安全運転を心がけていたその時、ふと左手に見えたその光景。

 

 

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フェリー……乗り場……?

 

 

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迷いなんて、そんなものは無かった。

 

 

18:25出航。

2時間半の戦いは幕を閉じた。

 

 

フェリーはちょうどタイミングよく18:25出航。

 

目指す天草にはだいぶ遠回りになるけれど、この際文句は言うまい。

有明海陸路大回りをしなかっただけでも重畳である。

 

 

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はるか向こうに見える雲仙岳

 

あの山の麓とか向こう側とかにあるフェリー乗り場を目指そうなんてことがきっと間違いだったんだ。うんそうだ。

 

 

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曲がりなりにもフェリーに乗れた安心感と相まって、空がきれいでした。

 

 

船を降りた頃には日没。

 

陽が落ちた以上は視界に変化がないので走るのみ。

どんなにいい景色だろうと、夜景でもない限り一緒なのです。

 

 

……ただし、とりあえずその場所に近づくだけ近づいてみたいという場所も時々ある。

 

フェリーを降りて、暗闇の中バイクを走らせること一時間。

 

 

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ホンダ熊本工場に到着です。

 

工場が動いていないどころか、周囲には人影もなく、ごくたまに車が通り過ぎていくだけ。

 

 

本田技研工業は狭山・鈴鹿・熊本に大きな生産拠点を持っていますが、ここ熊本は2輪専門の工場。

国内でホンダのバイクはここでしか作っておらず、ホンダで国産のバイクということはここで作られたということ。

 

そして、僕の乗るVTR-Fは同社の250ccでも数少ない国産バイク。

つまるところ、熊本のこの工場出身というわけです。

 

 

写真の通り、ヘッドライトが照らす部分しかろくに景色が見えないような世界。

 

たとえ周りがほとんど見えなかろうと、いま自分の足となってくれているこのマシンが生まれた場所に来てみたかったのでした。

 

 

 

熊本・大分を震災が襲ってからまだ2週間。

 

そのため当初は熊本市街を通る予定はなく、迂回するようなルート設定をしていました。

しかし、フェリーの土壇場での変更や熊本工場見たさからの寄り道の結果、天草へ向かう道中で熊本市街を通ることに。

 

幸いにも熊本市内の道路はおおむね回復しており、交通にほぼ支障はありませんでした。

 

それでも地震の爪痕は路面に現れていて、震源地に近づくと凹凸や段差が増える。

しかしその段差もアスファルトで埋めてスロープ化されていて、その復旧の手際に驚かされました。

 

 

途中、沿道に野球のグラウンドが見えて、試合が行われているわけでもなくライトが点いている……ということが数度。

よくよく見てみれば、グラウンドには乗用車が何台か乗り入れられていました。

住居が危険な状態で車内での生活を強いられた方々のために開放されていたのでしょう。

 

 

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夜間に限らず立ち入りができない熊本城

 

外からでは、ちらっと最上部の瓦が見える程度です。

 

 

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ようやく九州の土を踏めると思えば、2週間前に震災が起こるというそんなタイミング。

 

実はこの晩、当初は天草ではなく熊本市街のど真ん中に宿泊予定でした。

1か月前から予約を入れていたものの、震災を経てホテル側からキャンセル通知。

 

けれども可能な限り九州に来たかったし、お金を落としたかった。

 

「九州行きます」と言って「えっこの時期にかよ」という反応をした人は周りに少なからずいました。

が、向こうが無理だと言わない限り、他の宿ははキャンセルしないでおこうと思い、ここに至ります。

 

 

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熊本から天草までだけでもわりと距離があるもので、天草の宿に着いたのは23時を回った頃。

 

本日の宿泊先は「エコホテル アシスト

 

エコホテルってなんぞやと思いつつの予約でしたが、なんのことはない普通の安いビジホでした。

 

 

宿には着きましたが、言わずもがなまだ夕飯を口にしておりません。

しかしこの時間に開いているお店はそうそう無いでしょうし、なによりそれを探しに行く時間と気力と体力が無い。

 

結果、道を挟んで向かいにあるコンビニに迷わず突入。

九州っぽさねえなーというよりはるばる一人旅でこれかよーと思いつつ、これはこれで一人旅感に溢れる。

 

 

食べ終わる頃には日付が変わる。

翌日のルート確認もそこそこに、シャワーを浴びて就寝でした。