刻々と帰りの飛行機の時間が迫りながらも、引き続き神津島の村落をねりねりと歩き回ります。
昨日はさんざん海とか山とかを眺めていましたが、人口1900の生活の場をうろうろしてみるのも楽しいです。
(10:30)
島のお寺。浄土宗延命山濤響寺です。それ以上でもそれ以下でもありません。
(10:32)
村の中には小道がたくさん。どっかに抜けられると思ったらナチュラルに人の家への通路でした。でもお寿司屋さんだった。
(10:33)
(10:35)
(10:36)
公園の砂がまんま砂浜の砂でした。
(10:36)
振り返るとタイヤの道があったのですが、平然と保育園の敷地内に通じている……。
(10:37)
表の入り口はちゃんと門が閉められています。
というかここ、昨日テレビで見た保育園ですね。テレビってあれですよ、ローカルチャンネルの。
(10:38)
神津島村役場。
(10:40)
役場は高台にあって、さながらシーサイド役場です。徒歩3分くらいで泳ぎに行けます。
(10:41)
副 村 長 用
隣の車の下には教育長用って書いてありました。村長用はどこだーっ……と車の下をのぞき込んで探していたら、「こんにちはー、どうかされましたか?」って職員さんと思われる方に声を掛けられました完全に不審者です本当にありがとうございました。
「あ、いや、なにも、副村長用って書いてあったんで他にもあるかなって、それだけです」
と苦笑いしつつその場を去りました。怪しい人なのは否定できませんが悪いことする気は無いんです本当なんです。
(10:44)
またこの坂道。このアングル嫌いじゃない。
(10:47)
そしてまたこの水配り神話の像へ。壺の下にあるこの銀のボタンを押すと、壺から水がじゃばじゃば出ます。普通に砂落とし用の水道として使えるっぽいです。
この後は島唯一の信号のそばにある土産屋でお土産を買ったり、風が吹きすさぶ砂浜を1人歩いたりしました。
(11:15)
「神津島って書いたシールを貼っただけで、どうせ本州の水族館でも売ってるんだろ」と思いつつ、名前のプリティーさに思わずレジへ持って行ってしまったお菓子。
海がちゅき♡って。ちゅき♡って……。
(11:11)
ひとしきり歩き回って疲れた後は、まっちゃーれセンターへ帰還。藤屋ベーカリーで買ったパンをもぐもぐしつつ、ぼんやりと昨日今日を振り返っていました。
ちなみにパンはワッフルメロンパンとクリームパンとチキンカツバーガーです。
ところで、何事もなく帰ってきた今だから言えることをひとつ。
民宿の車でこの「まっちゃーれセンター」に送ってもらってからふたたび「まっちゃーれセンター」に戻ってくるまでのおよそ2時間、荷物の大半をベンチの上に持ってけドロボー状態で放置していました。
忘れたとかじゃなくてわざとです。邪魔だったので、簡単な貴重品や手荷物を除くほとんどを置いて行きました。
観光協会にお勤めの方々からカウンター越しに見える場所に置いていくという、防犯意識が高いようでものすごく低い放置プレイ。離れる時は登山客の荷物の並びにしれっと置いたのですが、戻ってきたら自分のだけぽつんと残っていました。
荷物はいじられた形跡もなくすべて無事。離島すげー。さすが家の鍵が開けっ放しなだけはある……。盗んだところで空港と港を抑えれば逃げようがないという地理条件も相まってのことでしょう。
一応言っておきますが皆様は真似なさらぬよう。ちゃんとコインロッカーか観光協会の荷物預かりを利用しましょう。盗むのもだめですよ。
(11:35)
まっちゃーれセンターから空港まではとうてい歩ける距離ではないのですが、村営バスが出ています。そうなんです、あるんですよバス。
時刻表やバス停については上記をご覧くださいませ。どこまで乗っても200円。
ところがどっこい、僕は今回このバスを利用しません。
なぜなら……民宿「よねき」のご主人が空港まで送ってくださることになっているからです。
ちょうど今晩の宿泊客が、僕が乗る予定の飛行機で来るんだそうで、そのついでに乗せて行ってくれることになりました。朝方にまっちゃーれまで送っていただく時に申し出て貰えました。いやはや至れり尽くせりです。気前良すぎます。これで一泊7,000円は採算取れているのか不安になるレベルです。
ただまあ、送り迎えに関しては基本的に宿側の善意なので、都合次第では同じようにならないと思いますのでその辺はご承知おきください。
(11:41)
いよいよ出発の時間というところで雨が止んで晴れてきました。ちくしょうもう2時間前倒してくれれば。
(12:07)
都道ではない細めの抜け道で空港へとかっ飛ばす軽バン。
車内で、ご主人から「魚も綺麗に食べるね」と褒められたのが地味にうれしかった。
(12:13)
神津島空港に着きました。すぐにチェックインしました。
……荷物が合計9㎏あったとかで、重量の超過料金1200円を取られました。運賃に込みでいけるのは5㎏までだそうです。くそう謀られた(ただの確認不足)。
(12:14)
なにこのこぢんまりとして可愛いロビー。
(12:16)
チェックインカウンターも最小単位でしか存在しません。
グランドスタッフの女性が搭乗客の女の子とやたら親しげかつぞんざいな感じで応対してるなーと思ったら、あの雰囲気たぶん親子です。なるほど人口が少なければそんなことも起こりうるのか離島すごいな……。
(12:30)
ブオオオオオオオォォォォォォォンという音が聞こえてきたかと思えば、これから乗る飛行機が着陸してきました。乗客がぞろぞろと歩いてこちらに向かってきます。
(12:41)
給油中。
(13:15)
機体の準備が整うと、次の搭乗客である我々の出番です。いっちょまえに設置されているセキュリティゲートを抜け、ガラス張りの出発ロビーの中へ。ガラス張りで隔離されているだけでそこまで移動している感はないです。
(13:19)
ラジカセで救命胴衣の説明が流されますが、真面目に聞いている人はほとんどいません。
説明が終わるといよいよ搭乗と相成るわけですが、座る場所は選択の余地なくスタッフから指示されます。
どう考えても大きくない飛行機。5kgを超える荷物は超過料金。そしてチェックイン時に書かされる体重。つまりはそういうことだ。個人レベルの重量がシビヤになるほど小さい飛行機ということです。
(13:24)
だいぶ序盤に呼ばれました。
(13:25)
カパッと開いた機体の壁面がそのまま階段になっています。乗り込め乗り込めー。
(13:25)
せ……せまい……。
座席は通路を中央に挟んだ2列。座席数は20くらいでしょうか。
しかも通路では真っ直ぐ立てない。かがまないと歩けない。
そして座席が小さい。体格としてはごく普通な僕でギリギリなので、少しがたいが良い程度でもうきついと思います。
(13:26)
前から2つめの左側の席。窓の外を見ると真横にプロペラ。こわい。
狭い空間だけに、客室には乗客のみ。20余名は静かに空へとドナドナされるのを待ちます。
エンジンが始動し、機体は滑走路へと侵入。思っていたよりも長めの滑走を経て離陸です。
原付で走り回ったこともあり島の地理はおおむね頭に入っていたのですが、それを上空から目の当たりにできて1人しきりに納得していました。リアルGoogleアースとでも言いましょうか、もはやなにが現実なのか。
特に神津島はじめ伊豆諸島は断崖絶壁が多いので、立体感がものすごい。以前伊豆大島に行った時は行きも帰りも船だったので、伊豆諸島を空から見るのは初でした。
こうして神津島を発ち、式根島、新島、利島と次々表れ……たところまでは良かったものの、大島が見える前に雲の中へ突入。この大きさの飛行機でも平然と雲へまっすぐ突き刺さっていくのかと戦々恐々でした。
そんな感じで幕を開けた本土への45分間のフライト。その感想を端的に表すなら、
めっちゃ怖かった。
飛行機(サイズ問わず)やジェットコースターに乗ったことがある方なら感覚として分かると思いますが、こう、落ちる瞬間に自分から重力がすっぽり抜けて空中に放り出される感覚。あれが尋常じゃなく大きい。雲の中だとそれが度々起こるのですが、いつそれがやってくるか分からない。そして飛行機が小さいのでストンと落ちるのがあっけない。怖い。富士急ぜんぶ乗れるのにそれらよりも怖い。というか飛行機の内装ぼろい。
それと眩しい。これも飛行機に乗ったことがある方は分かると思いますが、雲の上や雲の中って太陽光がすごい眩しい。でも、たいていの旅客機にある窓のブラインドはこの飛行機にはなく、延々と白いまぶしさを感じながらのフライトになります。
そんな状況下でも慣れている人は爆睡しています。というかぱっと見ビクビクしてるのは自分だけでした。疲れてこそいるが寝る気にはなれない……。
(14:14)
雲が晴れた時には既に調布の近く。離着陸時は電子機器の使用が不可なため写真はありません。
小型機だから離着陸はさぞ怖いだろうと覚悟していたのですが、そっちは意外とそうでもありませんでした。それよりも飛行中のグンッってくるあの玉ヒュン感が恐ろしかったです。
(14:20)
調布飛行場無事到着。生きて東京に帰ってくることができました。いやさっきまでいたところも東京都なんですけどね。
(14:21)
降りるところで傘を手渡され、それを差して建物まで歩きます。
(14:26)
預けていた荷物(リュックとヘルメット)を受け取り、ロビーへ。迎えもいないのでそのままさようならです。
調布飛行場からたとえば調布駅方面なんかは目の前にバス停があってそこそこの本数もあるのですが、それ以外の方向へ帰ろうとするとなかなかにきついアクセスです。僕はしばらく歩いて自宅方面のバスに乗りました。
(15:23)
しとしとと雨が降る中、疲れた頭でぼんやりと神津島に思いを馳せつつ帰宅しました。
ということで、神津島の旅行記でした。
前年に友人を連れて行った伊豆大島に引き続き2つ目の伊豆諸島。いちばん最初は「東京発の夜行便の船で週末にすっと行けるところといえばもうココしかなくね」的な消極的理由から浮上した伊豆諸島ですが、2つ目にしてすっかり虜です。
特に神津島は砂が白い(伊豆諸島は黒が多い)ので、砂浜のビジュアルは綺麗ですし海も真っ青です。そこまでピーカンじゃない天候ですら青い海ですから、夏場の天気がいい日はそりゃもう最高でしょう。
そして神津島は人口がちょうど良い。信号はひとつで村落は一箇所。大島はなんだかんだで「幹線」という概念がありましたが、神津島はもうその道しかありません。そして荷物を2時間放置しても盗られません(※保証はしません)。民宿もごはんが美味しくてかつフリーダムでした。
今回の旅では原付を借りていますが、島にはレンタカーもありますし最終日なんか徒歩で回っています。皆さんも船旅と離島を是非楽しんでみてください。ただし山に登る場合はそれなりの装備をするのが賢明です。小さな島とて登山の危険とは常に隣り合わせですので。
僕もいつかまた神津島へ行って、今度は赤崎遊歩道で海に飛び込んでみたいです。
以上、最後までありがとうございました。
旅行期間 2017.3.24~2017.3.26
旅行記完成 2017.6.8