出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

船と原付で行く神津島【4】天上山・裏砂漠・民宿「よねき」

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(15:16)

引き続き、ラヴ&ピースな天上山を歩き回ります。地元の子が作ったと思われるこの標語のパネル、荒涼とした天上山を歩いているといきなり現れるから怖いし浮いてる。

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(15:16)

 

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(15:21)

表砂漠なる場所につきました。砂漠と銘打つわりに、しっかりちゃっかりテーブルと椅子が備えつけられています。

不入ガ沢や山頂のような縁の部分はものすごい風で寒いくらいでしたが、このあたりまで来るとだいぶ穏やかになります。

 

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(15:22)

両脇に石が並べられていないとどっちに向かえばいいのか分からないような砂漠を歩いていたかと思えば、

 

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(15:27)

脛の高さくらいしかない松に囲まれたけもの道を歩いています。

 

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(15:29)

 

また視界が殺風景になったその場所を裏砂漠と言います。さっきはオモテでこんどはウラです。

伊豆大島裏砂漠スケール感にテンション上がる感じでしたが、こちらはなんというか世界がモノクロというか自分以外に生き物がいなくなったかのような雰囲気です。

 

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(15:32)

あまりにも寂しい風景なので三脚を立てて自撮りをしてみる。

意図的に並べられた石が道を示しています。これがなければどこへ向かえばいいか本気で分からない場所です。

 

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また植物が生えているゾーンに突入したかと思えば、

 

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あっという間に自分の背丈くらいまで覆われたりする。茂っている植物が見たことない不思議な生え方の松だったりシダだったりするので、ちょっと不気味です。いわく、本州だったら2000m級の高山に生息する高山植物も見られるんだとか。

ところどころ道はかなり狭く枝葉がガスガス手足に当たるので、半ズボンなどは避けた方がいいかもしれません。

 

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(15:40)

ちなみに、このあたりの砂は明るい灰色というかほぼ白いです。ちなみに砂浜の砂もこれと一緒です。白と言ってもサンゴ礁のあるあたりの白い砂浜とは違う、火山性のガラスっぽい(近くでひとつひとつ見ると透明な)砂です。

 

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(15:43)

神津島自体はそんなに大きくない島なはずなのに、この天上山だけでものすごいスケール。

 

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(15:47)

永遠に生きる。

標示されている番号は分かれ道だったり交差点だったりとチェックポイントになるのですが、そもそもこの番号が天上山のどのあたりに位置するのかを示した地図があまり多く設置されていません。

なので番号と位置が振られたマップを見つけ次第写真を撮っておくなりで記録することをお勧めします。方向感覚はある程度活かせますが、なにぶんどこが道だか分かりにくい場所が多いので意図しない道を選んでしまう可能性があります。

 

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(15:48)

新東京百景展望地

天候次第では富士山まで拝めるようですが、似たアングルでビジュアル的にもっと見晴らしのいいポイントは他に沢山ある気がします。

案内板でもやったら目立つのでつい期待を抱いてしまいましたが、ぶっちゃけ微妙な感じでした。もっと天気が良ければまた感想は違ったかもしれません。

 

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(15:48)

 

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(15:52)

不動池。池と言っても水はほぼ枯れていて、ぐしゅぐしゅに湿った土に苔がむしている状態でした。裏に回るとかろうじて水たまりがあります。

 

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(15:52)

ともすればこの苔のもしゃもしゃ具合も結構気持ち悪い。場所によっては踏むとじゃばじゃば水が染み出ます。

ちなみに中央の小島は祠になっていて、竜王が祀られているそうな。

 

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(15:54)

不動池を離れて元来た場所の方へと周回しつつ戻ります。このあたりの山の外縁部は足場が悪いうえに滑落の危険があるので特に気を付けるといいでしょう。

 

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(15:58)

天空の丘。なんちゅー思い切りのいい名前だ。スーファミ時代のRPGか。

ここに限らず外縁部に来てからはわりとずっとこんな見晴らしが続いています。

 

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(16:01)

 

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(16:01)

あの小島なんて、今までに人が踏み入ったことがあるんだろうか。東京都なんだよなあここ。

 

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(16:03)

左手前が式根島、中央は新島、左隅の奥にぼやけながらもつんと立っているキスチョコ型の山利島です。

しっかり晴れていればもっとたくさん見えるのでしょう。

 

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(16:08)

ババ池。この看板をはじめ現地のほとんどの標示は「ババア池」ながらも、なぜかアの字が軒並み露骨に削り取られています。あれは公的にやられているのかそれとも誰かが私的にやってしまったのか……。

 

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(16:11)

尾根を越えると不入ガ沢が見えてきました。天上山の台地部分をおおよそぐるりと一周してきました。

裏砂漠あたりを折り返し地点として一周に掛かった時間はおおよそ70分。さらに奥側のもう一つの登山口(黒島登山口)からのルート中にもいくらかスポットはあるようですが、周回ルートにできないので組み込んでいません。
全般的に岩場や茂みの中や砂地を歩くため、実際歩いている時間以上に内容はハードです。

 

 

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(16:14)

さて帰りましょう。ここからは来た道を戻るだけです。

 

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(16:24)

10分で原付のところまで戻りました。

ちなみに、行きの9合目にやたら心配してくれたおじさんとすれ違って以来(つまり10合目到達以降)、ここまでまったく人の姿を見ていません。裏砂漠は本当に孤独でした。

 

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(16:43)

その後林道をねりねり走り、かつて石が切り出された神戸山の方へ走ってみるなどしましたが、特に見るべきものに出会わず&ゴリゴリの砂利道オフロードエリアに突入&原付レンタルの返却時間が迫っていることにより途中で断念して引き返しました。

 

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(16:58)

神津島オートサービスに原付を返却。表向き釣具屋さんですがこの奥側に原付が何台も停まっています。

ちなみにレンタルはすべて日帰りのみでの取り扱いになります。レンタル可能時間は17時までだったので本当にギリギリまで乗り倒していました。

 

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(17:01)

神津島オートサービスから歩いてすぐのところにある商店で今晩用の飲み物とお菓子を購入。

 

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(17:03)

ちょうどこの時防災無線のチャイムが島中に鳴り響いていたのですが、軒先に繋がれていたこのわんこがずっとチャイムに合わせて遠吠えを繰り返していました。あれは間違いなく歌っているつもりだ。

 

神津島に到着後すぐチェックインして荷物を置かせて貰っていた民宿に戻ると、ちょうどご主人が廊下に現れ

温泉入りに行くなら送りますよ

とのこと。ありがたくお言葉に甘えて送っていただきました。

 

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(17:20)

ということで本日2度目の神津島温泉保養センター

今回は露天風呂に先客がいたので中の写真はありません。

 

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(18:14)

ロビーでテレビを観ながらぼーっとする至福の時間。

 

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(18:14)

頭上にはどでかいカジキマグロが。

行きの車内で「帰りは電話くれればまた迎えに行きます」と宿のご主人が言ってくれたので、落ち着いたところで電話を掛けました。

 

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(18:25)

外で迎えの車を待つ。

ご覧の通り、神津島温泉保養センターの入り口目の前には無料の足湯もあります。
そして、車を待っているうちにパラパラと小雨が降りはじめました。

 

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(18:31)

迎えの車内。しっかしここまで至れりつくせりに送迎してもらうと申し訳なさがすごいです。

 

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(18:36)

なるべく近いところで一人だけ下ろされるの図。この道がどれだけ狭いかお分かりいただけるだろうか。

宿に戻ったら、夕食までしばらく待機です。

 

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(18:37)

 

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(18:38)

定員4名の部屋でしたが、あの広さに4人はかなりギリギリサイズな気がします。

 

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(18:38)

 

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(18:49)

 

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(18:55)

神津島にはローカルチャンネルがあります。船の運航状況や港の様子が延々と垂れ流されています。

 

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(18:57)

アシタバの相場まで放送されています。

というかテロップで流れ続けている「中学校3年生を送る会」がすごい気になる。神津島なら「俺テレビに映ったぜー!!!!!」が本土より超余裕なのではないでしょうか。

そうこうしているうちに夕食の準備ができたようで、階下から名前を呼ばれました。

 

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(19:06)

――めっちゃ豪華でやんの。

船盛(魚はメジナです)に金目鯛まるまる1匹の煮つけに竜田揚げに生姜焼きという全員4番打者状態

僕はもともとそんなに量を食べない方ですが、食べられる量としてはギリギリな量でした。ですがとても美味しいので全部食べるのも苦ではありませんでした。美味しさのあまり己の胃のキャパの狭さを恨むという思いをするのは初めてかもしれません。

 

改めて本日の宿泊先を紹介しますと、温泉まで送迎してくれたり美味しい料理が惜しみないボリュームで出てくる本日の宿泊先は民宿「よねき」さんです。夕食でこれだけの量が出ておきながら1泊2食7,000円でした。ぶっちゃけこれだけ商売っ気の薄い宿泊先も今までに未体験です。

 

……そして、ここで衝撃のニュースがあります。

この民宿には計5部屋が存在しますが、本日の宿泊客は僕ひとりです。

 

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(19:12)

広い部屋で僕一人だけで食べているので超寂しい。喜びを分かち合う相手がいない。

ちなみにこの部屋ですが、僕が原付を返して帰って来た時にはこのお家のちびっこたちがゴロゴロしながらでかいテレビで耳をすませば』を観つつお絵かきをしていました。きっと宿泊客がいなければ普通に生活空間としてリビングだったりするのでしょう。

宿泊客は1人だというのになんだか申し訳ねえ……。

 

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(19:04)

船盛は尾頭がついていましたが、身は明らかに一匹分より少なかったので、あとの分はきっとご家族のおかずになっているのでしょう。(一応言っておきますが文句ではありません、ボリュームは十分すぎるのでこうでもしてくれないと食べきれないです)

全て食べ終えてから、住人の生活スペースの方に「ごちそうさまでーす」と声を掛けたのですが、返事はなく。わざわざ呼び出すのも申し訳なかったので、いなくなったことが分かるように戸を半分開けた状態で食堂兼リビングを去りました。

 

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(19:52)

予想をはるかに上回る夕食に非常に満足しながら部屋に戻ってテレビをつけると、島のローカルチャンネルでは保育園の合唱が放送されていました。やはり神津島育ちは誰もがテレビの子役になれるようです。

 

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(20:51)

ところで外がものすごい風と雨なんですよ。台風ではないんですけどすごいんですよ。写真じゃ分からないと思いますが。

明日はもともと雨予報だったので、今日のうちに原付で走るべきところを一通り走り回った次第でした。

 

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(20:54)

灰皿がすごいローカル感溢れる記念品だった。

 

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(20:56)

そしてなぜか壁には神津島のでかいポスター。

もうちょっと小さいやつなら是非家に欲しい。

 

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(20:56)

商店に売っていたビックルとカラムーチョをお供に神津島の夜は更けていきます。

 

 

u-travel.hateblo.jp

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