本記事に、社会通念上相応しくない内容が含まれている旨ご指摘をいただき、当該箇所を修正・削除いたしました。(経緯をご説明すること自体が当該内容の示唆に繋がりかねないため具体的な言及は避けます)。(2021/8/19)
「そんなところに何があるの?」
「何しに行くの?」
今回の行先を言うと、大半の人がそう訊ねてきました。
たぶん、そんなことを言う人にはなんて答えたって分かってもらえない。
でも、まずはこの写真を見てほしい。
(『海上保安庁海洋情報部 海域火山データベース』より)
「伊豆諸島最南端の有人島」「日本一人口の少ない村」「到達難度日本最強クラス」「二重カルデラ」
これだけでウズウズしたら、きっと貴方は僕と同類です。
当記事は青ヶ島観光のためのデータ・リンク集です。実際の島の雰囲気や景色、各地の様子などは旅行記をご覧ください。
(旅行記本編はこのデータ集を見なくてもお読みいただけます)
きっかけ
僕が青ヶ島のことをちゃんと知ったきっかけは、八丈島で観た「世界ふしぎ発見!」でした。
青ヶ島とトカラ列島を特集した放映の日、僕はたまたま八丈島を訪れていて、夕食後に宿の人と島の焼酎を飲みながら番組を見ていました。もともと八丈島はじめ各離島に遊びに来るような人間なので、それを見て憧れないはずもなく。その場で宿の人にも青ヶ島へ行くことを薦められました。
詳細は後述しますが、青ヶ島は行くこと自体が難しいとされる場所。行きたいなとは思いつつも、会社勤めが果たして行けるのか、まあ行けなくても仕方ないよな……と心のどこかで思っていました。
しかし、GWはどこ行こうお盆はこっちにしようとあれこれ旅の計画を練ったり調べたりしているうちに、「青ヶ島、その気になれば2泊3日で行けるじゃん」と分かったのです。
青ヶ島とは
位置
東京から約360㎞、伊豆諸島の中でも(有人島の中で)最南端に位置する島。東京23区のほぼ真南で、緯度としては宮崎あたり。
人口
2018年2月1日時点で169人。避難指示が出ている地域等を除けば、日本で最も人口の少ない村です。
住所
島内全域が「東京都青ヶ島村無番地」。郵便物は名前だけで届くそうです。
地理
面積は約6㎢。東京ディズニーリゾート3個分と書けば歩いて簡単に回れそうですが、島内はアップダウンが激しいため実際は数字以上に大変です。海底からの高さ1,100mの、富士山形の火山の先だけが海面から顔を出しているような状態で、頂上部は世界でも珍しい2重カルデラを形成しています。島内最高地点は大凸部(おおとんぶ)と呼ばれ、海抜423m。
気温
2月に行きましたが、気温に関しては東京より気持ち暖かいかな程度。服装に関してはいわゆる東京地方とほぼ変わらないつもりで大丈夫だと思います。地形によって風が尋常じゃない場所があるので、体感ではまた変わってくる可能性があります。
宿泊
計5つの民宿またはキャンプ場のいずれかとなります。渡航時に青ヶ島での宿泊先を訊かれることがあるので、事前の予約が事実上必須です。キャンプ場も予約と当日の村役場での申請がそれぞれ必要なようです。
民宿の予約にあたってそれぞれの民宿の雰囲気を下調べできると良いのですが、ネット上に旅行記が決して多くはないのが現状。
行き方・アクセス(2018年2月時点)
本土からの直通手段はありません。まずは八丈島まで行き、そこから船orヘリに乗ることで行けます。(八丈島の時点で東京から約300km、伊豆諸島では青ヶ島の次に最南端)
東京⇒八丈島
東海汽船(竹芝発):約11時間、1日1便
ANA(羽田発):約50分、1日3便
八丈島⇒青ヶ島
伊豆諸島開発「あおがしま丸」(連絡船):2.5時間、週4~5便
東京愛らんどシャトル(ヘリコプター):20分、1日1便
交通機関は整備されているものの、ネックになるのがその就航率の低さ。島の案内パンフでも注意を呼び掛けています(写真↑)。元々就航率の高くない連絡船は時化る冬場には50%前後まで下がり、ヘリも霧の多い初夏に就航率が下がります。一年を通して比較的安全パイな手段はヘリですが、1日1回来て帰っていくのみで定員はたった9名。観光客のみならず住民の移動手段としての機能も当然強いため、時期によっては予約も大変です。青ヶ島の到達難度が高いとされるのは、主にこういった交通機関の細さにあります。
島内の移動手段
島民の方のほとんどが車移動です。観光客もだいたいはレンタカーを借りるか、宿の車で乗せて行って貰えたところにだけ行っているような印象でした。ちなみに島のレンタカーは民宿経由で借りるようです。
徒歩だけで島を一通り見て回ることも不可能ではないものの、足腰と体力に不安がある方にはまずお勧めしません。島に居合わせた観光客のうち、徒歩メインだったのは見たところ僕ともう一人(とてもアウトドア慣れした若い女性キャンパー)だけ。大凸部以外のだいたいの場所は舗装路のみで行けるため足元はそれほど悪くありませんが、たとえ集落内でもアップダウンが壮絶です。
2泊3日青ヶ島旅行プラン(2018年2月)
1日目
07:30 羽田発(ANA1891便)
08:25 八丈空港着、あおがしま丸の就航決定を確認
08:50 タクシーで底土港へ(3.5km、1400円くらい)
09:30 あおがしま丸出港(当日は遅れにより09:45出港)
12:30 青ヶ島(三宝港)着(当日は遅れにより13:00着)
以降青ヶ島滞在
2日目
終日青ヶ島滞在
3日目
09:45 青ヶ島発(東京愛らんどシャトル)
10:05 八丈空港着
14:05 八丈発(ANA1894便)
15:00 羽田着
アドバイス
ご覧いただければ分かる通り、各交通機関がすべて通常通り運航しないと成立しえないスケジュールです。どこかの段階で足止めとなれば即これ以上進めないor帰れない状況になるリスクはある程度覚悟する必要があります。
スケジュール上は2日目の終日滞在をカットして1泊2日で往復することも可能といえば可能ですが、量としては観光に充てられる日が2日はあった方が個人的にお薦めです。予定が許すなら一週間くらいはいたいところですが。
往復の動きとしては往路がミソです。当日中の青ヶ島到着を目指すなら羽田発は1便目であることが必須。空港からタクシーで底土港へ移動し、港であおがしま丸の切符を購入・乗船しました。
あおがしま丸は八丈島を出ても、青ヶ島を前にして接岸できず引き返す可能性もありますので注意が必要です。
3日目の復路は事前に予約していたヘリで八丈へ戻りました。八丈島から当日中に羽田まで戻るためには14:05発の2便または17:20発の3便に乗ることができます。
旅に向けた準備
ANA(羽田~八丈島間)予約
ヘリの予約が取れる前からネットで済ませました。この他と比べれば圧倒的余裕。
愛らんどシャトル(ヘリコミューター)予約
予約は1か月前の同日から可能(日曜を除く)。ネットと電話で予約を受け付けています。
しかし、電話では1か月前の9時から受付開始の一方、ネットでは3時間後の12時から予約可能となるため、予約は電話の方が3時間先にできます。
9時になってすぐは回線が集中していますが、30分も経てば繋がります。往復ともに予約開始日の9:30頃に電話をしましたが、いずれも問題なく座席が確保できました。観光の閑散期であろう2月を狙ったおかげもあるかと思いますので、これが混雑期になるとまたどうなるかは分かりません。
電話口で希望の便を告げ、名前や電話番号や支払方法等の質問に答えると、予約番号をその場または折り返しの電話で伝えられます。ネットから支払う場合はその予約番号で公式サイトからログインします。
民宿予約
飛行機とヘリの予約を済ませてから、青ヶ島村のウェブサイトを参考に宿へ直接電話して予約。島に行くようになってからは慣れてきたものの、半ば普通のお宅に電話するようなものなので、かつてはちょっと勇気が要りました。
旅の装備
島の中でもどのあたりまでどのくらい行くつもりかにもよりますが、簡単な山道を歩ける服装・多少の距離は歩くことを想定した装備・出先で雨に降られた時の備えは最低限必要かと思います。
僕はマウンテンジャケット+インナーダウン+ジーンズといった感じ。もとよりしこたま歩く予定だったので、登山用のジャケットとナップザックを新調しています。トレッキングシューズは以前から履いているものを使用。
観光スポット
旅行記本編または村のウェブサイトをご参照ください。基本的に、観光客のための要素というのは皆無ではないものの希薄です。海に囲まれているとはいえ断崖絶壁で荒い海なので、海水浴場やマリンスポーツもありません。ただし、「何もない」があります。
地図
青ヶ島村ホームページ内のイラストマップが情報・精度共に非常に優秀です。イラストマップと侮るなかれ。
島内の民宿などでも同じマップが載ったパンフが置いてあります。
旅行記本文
※当記事はあくまで参考程度とし、実際に青ヶ島への旅行を計画する際には必ず各団体・交通機関の公式サイトをご確認ください。万が一当記事の情報による不利益があった場合も責任は負いかねます。