出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による旅行記群。VTR-F乗り。分割日本一周計画遂行中。

富士山麓ツーリング570km【2】




【第二章】ぶどう園、樹海、高原



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道の駅たばやまから大菩薩ラインを小一時間も走れば、人里に近づきます。
左手奥に見えているのが恐らく甲府盆地

たどり着くのは塩山と呼ばれるあたりのエリアです。
このまま道なりに国道411号を進めば甲府に着きますが、ここで進路を南に切ります。


塩山から南に伸びているのが、塩山フルーツライン。


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盆地の縁の部分を伝っていくので、南下したこの時は右手がずっと市街地を一望できるような具合。
路面は綺麗ながら交通量が少なく、のびのび走れます。
ついつい「あ゛ーーーー」と温泉に浸かったときのようなうめきをあげながらスロットルをじんわりひねる。

名前のとおり、道の両脇はひたすら果樹園。道路自体も本来は農作業の車両が通るための道なようです。


ブレーキレバーが曲がったので、立ちゴケ直後は甲府あたりでバイク屋さんにでも駆け込もうかと思っていたのですが、案外曲がっていてもレバーは扱えたので、この頃にはもうこのまま最後まで走る気でいます。


フルーツライン走破後は県道34号を経て鎌倉往還へ。
県道の両脇にはぶどう園だらけで、走り抜けているだけでもそこらじゅうからぶどうの香り。
というか、走り抜けるバイクにすらぶどうの売り文句を投げてくるたくましさ。


その後20km弱ほど鎌倉往還こと国道137号線を南にひた走るのですが、写真も無ければ記憶にもほとんど無い……。
御坂峠のあたり以外は、とにかく山の合間を縫って進んでいくだけだった気がします。
あ、でもリニア実験線の高架にはちゃんと気付きました。



南に突き抜けると、その先はいわゆる富士五湖のエリア。
まずは河口湖にぶつかります。
ここまでメジャーどころに来るとさすがに交通量も多い。
よって写真は無い。すいませんまだそんなに止まったり走ったりしながら写真を撮る余裕がないんです……。


富士山界隈には何箇所か大学時代に訪れて馴染み深いスポットがあるので、そこに寄りつつ西へ東へ。

河口湖周辺は走るには良いエリアなのですが、いかんせん車が多くてゆっくり楽しむというような環境でもない。
山中湖と河口湖を結ぶ国道138号はツーリングマップルでは比較的ツーリング向きの道という表示になっていますが、先述のとおり交通量のせいで正直そうでもなかったというのが感想。


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しかし、山中湖のさらに向こうまで突き抜けてしまうと車通りはめっきり減って、良い具合に孤独の走りを楽しめます。


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もうちょっと先へ行くと静岡県入りして御殿場のあたりへ抜けることになるのですが、ここは一度取って返して西へ進みます。


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河口湖のすぐ南を南下。
こんなまっすぐな道でも制限速度は60なんだぜ。

途中メロディライン(車で走ると、路面を走る音が車内に響いてメロディに聞こえる道)があるのですが、バイクだと残念ながら何もない。
エンジンうるさいからじゃね? と、クラッチ切ってニュートラルで滑走してもなにひとつ聞こえやしない。畜生。


さて、河口湖の真南といえば、富士山頂があります。
お気づきの方もいるかもしれませんが、今回向かっているのは「富士スバルライン」です。


○富士山有料道路 富士スバルライン


絶対に寄ると計画していた数少ないスポットのひとつであり、今回の目玉にも据えていた道です。

名前のとおり有料道路で、通行料(というか往復料金)は1640円と有料道路にしても比較的お高め。
しかし、この道を使えばなんとバイク(車も行けます)で富士山五合目まで行けるのです。
行くっきゃねえ。納車からまだ1週間だけど行くっきゃねえ。


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森の中を駆け抜け、一つ目の駐車場である「一合目下駐車場」。
だだっ広いところにトイレがぽつんとあるだけです。
こうして停まっている間も目にするのは基本的に降りてくる車両ばかりで、この時間から登ろうって人はあまり多くありません。そして9月も頭だけれどやや涼しい。


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「樹海台駐車場」
名前のとおり樹海を見下ろす。
ワインディングをめきめき登って高度を上げていく。どんどん涼しくなっていく。


次の大沢駐車場は走っていたらコーナーの内側に不意に現れました。
慣れない運転でなんとかバイクを寄せて停車。

4輪ならとりあえず速度を落とせばどうにかなる感ありますが、バイクだと低速ってそれだけで転倒のリスクとの戦いなんですよ。さらにMTだから発進停止とかもう操作としては地獄ですよね。その手間がいいんですけどね。


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大沢駐車場は富士山の四合目下に位置します。
展望台からは南アルプスのパノラマをお目にかかれるという触れ込みですが、


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雲と空しか見えねえ。
……いやこれはこれですごい景色だけど。バイクで雲の上まで来てしまったわけだ。


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バイク撮りすぎですいません。許せ。反省はしていない。


ところで、出会うバイクのほぼすべてが僕よりベテランなライダーなわけでして、こう山道を走っているとびゅんびゅん抜かれます。
その時にこっちが気付いて端に寄ると、追い抜きぎわにライダー同士でしか分からない程度のお礼を返してくれることがままあります。確率としては半分くらい。

左手をハンドルから離してほんの少しだけこちらに手のひらを見せるという、ただそれだけの動作なのですが、バイク乗りくらいしか気付かないであろうその仕草がわりと好きです。


途中の駐車場としては最後になる奥庭駐車場はスルーして、スバルラインの終着点である五合目へ。


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海抜2305m、かなり涼しいです。
この時僕は長袖シャツにプロテクターのベストと薄いジャケットを重ねていたのですが、じっとしていたら肌寒かったであろうレベル。
そりゃそうだ単純計算で海面より14℃くらい気温が低いはずなんだから。


――というか、人多いですね。


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なんかやたらお店充実してますし。
そして日本語じゃない声が結構聞こえてきます。団体客の言葉はだいたい聞き取れない言語でした。


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噴火カレー。
……いいのか、本当にそのネーミングでいいのか……いや僕は別にいいんだけど……。


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五合目のレストハウスの周辺にいる人々を見ていると、どうやらここの駐車場まで車で来て、そこから山頂を目指す人もいるみたいです。
この時間はその帰りっぽい人々がちらほら見受けられました。


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スバルラインの終着点はそんな感じでした。
景色が綺麗なことには綺麗だったけれど、全体的な場所としての「思っていたのと違う感」が正直なところ結構ある。


帰りはエンブレの大盤振る舞いで山を下ります。
途中、登りの車線で故障したのか停車して乗客を降ろす観光バスを発見。難儀ですな……。


登りではたまに見える山頂や空を楽しみながら走れるのですが、下りは日の落ちかけた樹海を駆け下りるだけ。

山は基本的に登りが楽しいです。バイクなら、ね。
それはそれは脳みそから汁があふれ出そうになるくらいテンションが上がります。思わず歌います。


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こうして海抜857mの裾野まで降りてきました。
総延長29.5km、標高差1448mの道のり。
寄り道含めて登り約50分、下り約35分で走破です。(下りは途中で降りていない)


本格的に日が落ちそうになってきた時間帯、今日はこれ以上外を走ってもろくに景色は見えやしないので、宿へと急ぎます。
富士山を左手に見ながらぐるっと西側へ回る道、国道139号をチョイス。


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富士山から見てもう一本内側にも県道があるのですが、あえて外側を選んだのはツーリングマップル

「さえぎるものがない草原に富士山が雄大にそびえる」

と書いてあったからというそれだけ。
まだ真っ暗にはならなっていないだろうという望みのもと、朝霧高原を走りました。

実際この読みはわりと当たって、夜とも夕方ともつかないぼんやりした空にくっきりと富士山のシルエットが浮かんでいまして、写真では伝わりませんがそれはそれで幻想的な風景でした。


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ま、朝霧高原を抜けたら街灯のない樹海を何十分も走る羽目になったんですけどねー。

そのまま139号を南下し続け、途中で現れたバイパスを全力で駆け抜けるなどしながら富士宮へと抜けました。さらば山梨県


【第二章】塩山→朝霧高原編 ~終~