出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

山口県2泊3日の旅【1】




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【第一章】新幹線、洞窟、橋



2015年8月13日、朝7時過ぎ。

東京駅発の新幹線に乗車。

し、しんかんせんだと……。


思い返せば、これまでの完全に個人的な旅行といえば、深夜バスだったり自転車だったりと、ろくな移動手段ではありません。

そんな移動にばかり慣れていたせいか、すっと動き出して平然と時速200km超で走り続ける乗り物というのは、どうにも旅の始まりという感じは比較的しませんでした。

……まあ、4時間以上座っているとさすがにしんどくなってきて、お望みの(?)つらい移動に一歩近づく訳ですが。


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正午前に新山口駅へ到着。ここが今回の旅の始点ですー。

ロータリー抜けてちょっと歩いたところで、今回の足となるレンタカーの手続き。

さすがに東京からここまで車で来るという選択肢はなかった。
いつかやってみたいですけどね、ドライバー複数人で長距離ラリーの旅。


さて、新山口から車を走らせて小一時間。
着いたのは国内最大級の鍾乳洞、秋芳洞の入り口です。


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公営私営入り乱れる駐車場エリアから実際の入り口までの数百mは、なんちゃって商店街になっています。

時間が時間だけれど新幹線内では何も口にしていなかったので、ここで何を見るよりもまず昼飯となりました。


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名物(らしい。そう主張していた)瓦そば。
普段は団体客を受け入れているっぽい施設の食堂が、個人客を呼び込みしていたのでそこに入店し注文。呼び込みこそ熱心だったものの、中の店員さんが個人客の扱いに慣れていない感がすさまじかったけれど気にしない。

で、瓦そばって何ぞやという話ですが、固形燃料でファイヤーされた瓦の上で茶そばがじゅうじゅう言っています。
いわく、焦げ目が付いたくらいがおいしいらしい。しかし上手く焼かないと基本焦げ目はすべて瓦にこびりつく。
焼いた後は、つゆにスライスしたレモンを投入していただきます。ひたしすぎてぽん酢みたいな味になりました。

味はまあまあ。量もまあまあ。
同行者はおいしいおいしいと食べていましたが……。


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カロリー補給後は洞窟探検ですよ。
正面入り口から入ります。大人の入洞料は1200円。

入場ゲートからちょっとばかり林の中を歩かされ、いよいよ秋芳洞の入り口へ。


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でけえ。
奥多摩日原鍾乳洞もなかなかの規模だったけれど、さすが日本一の知名度だけある。
ちなみに入場ゲート以降にお手洗いはありませんのでご注意を。


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中もでけえ。
公開されている部分は、普通に歩いても端から端まで30分以上掛かりました。
車で来ていると入ったところから出て行って車に戻る必要があるので、つまり往復で1時間程度は掛かるということです。

この広さを「昔の人が造った」と言われたとしてもまあ驚きますが、自然にできたって言うんですからとんでもねえ。


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棚田みたいになってるやつ。


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大松茸(おおまつたけ)。


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マリア観音
とかなんとか、特徴的な鍾乳石には逐一名前が付けられています。どこの鍾乳洞もまあ同じようなことしてますよね。

個人的に「巌窟王(がんくつおう)」という名前がかっちょえーというか完全にモンスターハンターを連想していたのですが、


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すごいことにはすごいのだけれど何が巌窟王らしさなのか正直分からない。


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正面入り口から入って最奥部(も、観光コースの出入り口ではある)にある3億年のタイムトンネル……という名の人口トンネル。
その名の通り地球というか生命の歴史のイラストがトンネル沿いにダイジェストで繰り広げられます。


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秋吉台指定区域内の草原は、一般車両の乗り入れは出来ません。
(右下の追記)

他に、「秋吉台でのキャンプは、秋吉台家族旅行村および秋吉台オートキャンプ場でご利用下さい」バージョンもあります。


さっきから揚げ足取りや雑な紹介しかしていませんが、基本的には「うおーすげえええ」な気持ちで見て回っていますよ秋芳洞


さて、洞内の観光コースで本来見どころであろうスポットをろくに紹介していませんしする気も特にありませんが、個人的におすすめしたいのは「冒険コース」。

入洞料とは別に300円を払えば通ることができる、天然のアスレチックコースとでも言いましょうか。狭い隙間をくぐり抜けたり、急斜面を登ったり降りたりします。


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スタート直後からこの梯子(?)である。
ですがこの梯子こそ、冒険コースが何たるかを観光客に的確に伝えていました。この梯子がクリアできるなら恐らく最後まで大丈夫であろうという難度です。


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1グループに一本ちいさな懐中電灯を渡されますが、カバーしきれない薄暗さ。そして足元は滑りやすい。


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上りきったところ。この背後は踏み入れないくらい狭い洞窟がちょっと続いているのですが、そこにコウモリがいっぱいぶら下がっているのが見えました。懐中電灯で照らすとバタバタする。
なお、洞内は当然ながら上れば上るほど暑くなるため、この中間地点ではスタート時は想像もしなかった蒸し暑さが待っていました。写真が白く靄がかかっているのもそのためです。

あとは相変わらず滑りやすい下りを攻略しゴール。通過には15分ほど掛かりました。


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さあ下界へ戻るよ。

秋芳洞を出て商店街の来た道を戻って駐車場までたどり着いたら、またちょっと車を走らせて今度は地上世界を拝みます。行く先は「秋吉台カルスト展望台」。こっちは展望台から駐車場までタダです。


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眺めはとってもよい。
だだっ広い草原の草木の陰に、ちらっと車やバイクが走り抜けているのを見つけるととても気持ちよさそうなのです。ただちょっと石灰岩の露出が少なくてカルストっぽさがあまりうかがえない……夏だから茂っているのか……。


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せっかくなのでカルストをちょっと歩いてみます。

乗馬のサービスを脇目に見ながら自然観察路っぽいところを歩く。馬は記念撮影でもお金を取るようなので下手にカメラを向けられませんでした。


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草原と言うにはちょっと背が高すぎるんだな。
草の中に時々突き出た白い石を見かけるんだけれども、やはりカルストっぽさはあまり無い。


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答えはすぐ近くの博物館にあるらしい。


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この質問にいたっては投げっぱなしである。
某グリーンアドベンチャーみたく、めくったら答えが書いてある方式にしてくれよう……。

ところでこの界隈の案内板等で見たドリーネやらウバーレやらといった単語、高校時代の地学以来ですよ目にしたの。


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しばらく歩いて谷を越えたら草原の広場に出ました。
開放感あって気持ちよくはあるんだけれど、「あーこの景色写真でよく見たやつー!」となるためにはもう少し季節を選ぶべきだった模様。


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展望台のところに戻ったら、夏みかんソフト。うまい。

で、夏みかんソフト完食後は、


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律儀にも足を運びました、秋吉台科学博物館。
2階建てで建設時はそこそこお金掛かっていそうですが、なんというかたぶんバブルの名残なんだろうな感がすごい。

さらっと見て回ったものの、先ほどの問題の答えは見つけることができませんでした。
いまだに真実を知らずじまいなので誰か教えてください……。


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秋吉台を歩いている時から、カルストのど真ん中を貫く道を走っている車たちがすごい気持ちよさそうだったので、次の目的地へ移動がてら走る。

今回の旅行では基本同行者が運転することになっている(運転の練習をしたいとのこと)ので、僕は珍しく助手席に座って存分に景色を眺めます。

相変わらず草ぼーぼーで見晴らしがいまいちなタイミングが多いものの、時折ふっと広がる視界がたまりません。歩くのもいいけどドライブで走り抜けるのも乙です。



次の場所には、秋吉台から下道で90分ほどで到着。
今回の行程で僕が真っ先に行きたいと挙げたスポットがこちら。


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知る人の間では超有名スポットの角島大橋です。

1993開通、全長は1780m。
いっちょまえの観光地であり、車のCMでも使われている模様。

撮影スポットとしては県道から陸側に逸れた高台の道が一般的(上の写真もそう)ですが、橋の本州側の付け根のすぐ東に広い駐車場があるので、そこを使うことをお奨めします。


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日の入りの時間ギリギリに到着というか、タイミングとしてはベストでした。
撮影スポットとしては先述の高台になっている側道の他に、わざわざ設けられた展望デッキのようなものが県道沿いに設けられているのですが、やっぱり高台のほうが絵的に良いです。


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そしてこのアングルも忘れちゃいけねえ。
横断歩道のど真ん中で車が来ないかびくびくしながらしゃがんでシャッターボタンを押していました。


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やっぱり上の方がいちばんいい景色だよねってことで高台に戻れば、日の入り待機の人々がわさっといます。


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そんな具合に、日がとっぷり暮れるまで、じんわりじわじわ太陽が沈んでゆく様子をぱしゃぱしゃと撮っていました。ほんと撮りすぎました似た構図ばっかりなのに。ここでは割愛します。


辺りが暗くなって手持ちのカメラのスペックではどうしようもないくらいになったら、車に乗り込みます。
秋吉台同様、見ていて気持ちの良い景色は走るに限ります。


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景観を守るために橋の高さが抑えて作られているので、実際走ってみても「うひょおおおお気持ちいいいいいいいいい」というような開放感は正直なところ思っていたほどではありませんでした。とはいえ、海の上を一直線に走るというだけで十分にテンション上がりますけれど。


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島を適当に一周したら、今日の観光はこれにて切り上げ。島ではBBQなり色々できるらしい。灯台もあった。

ここから宿までは運転手を僕に交代し、夜の真っ暗な山道を90分ほど走り続けました。
カーナビに宿の場所を入力して走ったのでどこを通ったかは全くもってわかりません。が、まあだいたい国道191号だったんでしょうきっと。

道幅が十分にあったのでさほど危険は感じなかったものの、バックミラーやサイドミラーに映る景色が真っ黒で、ブレーキを踏むと己のブレーキランプで真っ赤に染まった景色がぼんやり浮かび上がる様子は怖いです。


本日の宿泊地は萩市内です。
東萩駅から200mくらいの場所という、翌日即観光可能なポジショニング。なお探したのは僕ではありません。

さて、宿に着いたのは21時過ぎですが、我々はまだ夕飯を口にしていない。
こんな時間だと開いている店もなかなか無く、とことこ捜し歩いた結果、


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東萩駅前の居酒屋で海鮮食いました。
ようやく飯にありついたと言いながらわりと眠かった印象があります。


【第一章】秋吉台・角島編 ~終~