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出かけた時から帰り道

旅行記。一人旅だったりそうじゃなかったりバイク(VTR-F)だったり。

東京~熱海間自転車往復220km【復路】

東京熱海間自転車往復220km



【第二章】復路【熱海→東京】



本日の宿は、親水公園から目と鼻の先にある「旅荘 天城」というところ。
素泊まりオンリーで、一人で宿泊の場合は一泊5500円~6000円程度。
たしかこの日は5500円だかそんな感じだった気がします。


37.jpg(18:54)


一言でいえば無駄に広い。
この写真では伝わりきらないくらいには広い。

4.5畳と6畳の二間。
風呂トイレは部屋内にあるものの、風呂は1回にある共同の浴場を予約して使ってくださいとのこと。



風呂の入り口にあるホワイトボードに自分の部屋番号のマグネットを貼って予約し、夕飯を求めて熱海の街へ繰り出します。


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思っていたより夜の熱海は人通りが少ない。そして開いているお店も少ない。

そんな中、かろうじて開いていた居酒屋っぽいお店を見つけ突入。
名前は「雨風(あまから)亭」といいます。

せっかく海沿いなんだから海っぽいものが食べたいと思い、


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鯵の刺身定食をチョイス。うまかった。
ちなみにレモンサワーも頼んだ。
一人で酒を飲むのは、ためしに家で氷結を飲んでみた時以来、人生で2度目である。

飲み食いしながら、店のおっちゃんと花粉症の話などしていました。




食後は熱海の町をぷらぷら。
脚を酷使した後なので数百m規模でしか出歩かなかったけれど、そもそもふらっと道草を食う気になった時点で、一日で200km超を漕いだあの時よりもだいぶ元気である。


40.jpg(20:15)


ネオンの「熱海銀座」というそのネーミングがシュール。

宿に戻ってから少し時間を置いて風呂へ。
共同の風呂といっても家族風呂的な規模でした。


41.jpg(20:21)


風呂上りに一杯やりながら、観たこともないドラマをぼんやり眺めるのも悪くない。
ドラマに出ていた真木よう子はやはり可愛い。















翌朝。


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一晩お世話になりましたの図。
なんとなく部屋の広さが分かっていただけるだろうか。いちばん奥の部屋は寝る時にしか使っていない。


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ちなみに外観はこんなもんです。うっかり見逃してしまいそうな、さりげないたたずまい。

さて、今日やるべきは東京への帰還のみですが、せっかく熱海に来て何もしないのも悔しいので、せめて親水公園くらいはとふらふら。



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「ああ、クレヨンしんちゃんの映画『嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』に出てきた景色そのまんまだ……」と一人感心しながらシャッターを切る。


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愛車と共に。
それにしてもこんなひょろっちい乗り物で静岡まで来たのかと。


親水公園を抜けたら他を観光もせず帰路へ就きます。
いや、本当は観光したいさ。だけど昨晩の山道を漕ぎ続ける寂しさを思い出すとそんな気にもなれねえ。早く家へ帰りたい。


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アディオス熱海。
二度と自転車では来ない。来たくない。もううんざりだ。


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ものの20分ほどで湯河原の市街へ到達。
途中の山道は車がびゅんびゅん抜けていくし、上りも下りもせっかく生み出した勢いを殺したくないので立ち止まる気になれない。結果写真に乏しいのです。


伊東の大動脈国道135号をそのまま小田原まで突っ走ってもよかったのですが、前日最も焦りと不安を覚えたエリアであるこの道を漕ぐにはあまり気が乗らない。
ということで、一本内陸側を走る県道740号線にシフトを決意。分岐路でくっと左折すると、ゼロでこそないものの車通りは劇的に減りました。


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真鶴界隈のここが分岐路。

道幅は相変わらず狭く、アップダウンやカーブにいたっては明らかに国道よりも激しい。しかし、車通りの少なさはそれに勝る負担減をもたらしてくれます。


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国道と違って、この道幅のまま平気でヘアピンカーブをかましてくる。


途中、上り坂をがんばってキコキコ漕いでいると、工事現場の誘導をやっていたおっちゃんに声を掛けられました。

おっちゃん 「うおーすごいな、この坂(漕いだまま)上っちゃうんだ」
僕 「これから東京まで戻るんです!(キコキコキコ」
おっちゃん 「ほおおおおおおおおおお気をつけてなあああ」
僕 「はぁーい☆(キコキコキコキコ」

こういう時に一人旅っていいなと思うんです。


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出発から1時間ほどで小田原に差し掛かる。

所要時間としてはほとんど往路と変わりないものの、精神的なコンディションがてんで違う。
周りの明るさと道路状況というのは乗り手の心理に多大なる影響を与えます。



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国道を走っていると車通りのせいで周りの景色を楽しむ暇なんてないけれど、こっちは全くそんなことはない。
時折眼下に、「あ、あの道昨晩走ってたな」というのが発見できる。


国道に戻ってまもなく西湘バイパスの始点へと差し掛かり(もちろん脇目に見ながら下道をキコキコする)、あっさりと国道一号に到達。


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ここまで来れば、万が一の時に助けを呼びようがないという事もないし、それ以前に帰る道をはっきりと分かっている。

国道一号を平塚まで走ったら129号を北上。東京都に差し掛かろうかというところで鶴川街道に乗れば、調布ICあたりにすっと出られます。よしいけるぞ。東京湾の頃とは比べ物にならない計画性だ。

ということで、小田原市街をちょっぴり観光。


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小田原城でーす。

嘘でーす。たまたま通りがかった有名なういろう屋さんで-す。

そしてこの辺で再び自転車のチェーンが歯車に噛み合わなくて一定周期ですっぽ抜ける事案が発生。小田原は呪いの町なのではないだろうか。僕の家の祖先はこの辺出身らしいので何かあるんじゃなかろうか。



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国道1号を漕ぎ続けて1時間ちょっとで大磯町へ。
対向車線側に、往路で撮った密集看板がうかがえます。


大磯入りから30分ほどで平塚市に突入。このあたりもただただ国道を走るのみです。
鼻歌でもなんでも、歌いながら自転車を漕ぐと気分は楽になるし漕ぐスピードは均等になるしでわりとお奨めですよ。ただしその辺の道行く人に聞かれるリスクは常にある。

そんで、平塚に入ってすぐあたりでこんなものを見た。


55.jpg(11:45)


平塚の塚。

なんのギャグだ。

そして疑問に思うのは、
「平塚」の「塚」がここにあるなら「平塚」の「平」はいったいどこへ行ったのか。


さて気を取り直して、平塚から国道129号線を北上します。


12:30頃には厚木市内に到達。
一周のようなルートではなく往復であることのメリットは、後半(復路)のルート設定が非常に楽であること。デメリットは通る道が既知なので目新しさを感じられないこと。


56.jpg(12:42)


写真内の左側でつんとしているのが大山。
それにしても、この界隈での大山(おおやま。だいせんではない)の存在感は素晴らしい。
どこまで北上してもずっと付いてくるんだもの。


57.jpg(13:01)


途中で国道を外れたところ。
このバブル時代の産物的なようこそ看板が見ていて楽しい。

津々浦々の自治体にこういう「ようこそ」「また来てね」的な看板ってかなりありますが、あれを見るとなぜかテンションが上がるのは僕だけではないはず。


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あゆみ橋という橋を渡って相模川越えです。
県道51号を使って海老名市を突き抜ける算段。


どうでもいいけれど、このときすごくトイレに行きたかった。自転車漕いでる場合ではなかった。結局漕いでトイレ探したけど。
確か、スポーツセンター的なところに突撃して一命を取り留めました。施設の利用者がおじいちゃんおばあちゃんばかりですごい注目を浴びたけれど、背に腹は代えられない。


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海老名市


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座間市と県道51号をひたすら北東に進みます。
座間市の方が栄えているように見えたのはきっと小田急線の駅のそばを通ったからだよねそうに違いない。


車道が狭く車も自転車も互いに気を使う状況を「道路状況が良い」と呼んで良いかは分かりませんが、アップダウンが少なく走りやすい道をすいすい進み、14:18相模原市に突入。

というか、今回の道のりでアップダウンが激しいのは神奈川東京の県境周辺と小田原~熱海間くらいですわ。まあそこがとても辛いのですが。


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相模原のパッチョ。
このイラストでは確認できませんが、パッチョの注目すべき点はやたら生々しく描かれたぷりけつだと思っています。


国道16号に出る手前で左方向の比較的細い道へ。
ちょうど相模女子大のあたりですね。女子大……エヘヘヘヘグヘヘヘヘヘハァハァハァ

なお写真はありません。


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そしてついに東京入り。

どっこいここは東京ととはいえ南の突端である町田市。
またいずれすぐ川崎市に戻る運命です。


あとは鶴川街道をすいすい走って調布へ向かうのみ。
このあたりからはもう特筆する必要のないくらいに道は十分広く走りやすい。


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などと思っていると、軽い峠道では10cmくらい高くなったドブ板だけの路側になるなどしてあなどれない。
アップダウンもそれなりにあるけれど、ひとつひとつがすぐ上ってすぐ降りるため、自転車的には楽な方。

往路で走ったもっと西の方(八王子界隈)は、上りも下りも長く続く。それが苦しいのです。


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峠のところでふたたび神奈川入り。平地は余裕しゃくしゃくの道幅でかっ飛ばせるものの、やはりアップダウンが起こると道幅は一気に狭くなります。


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ものの7分で都内再突入。
小田原と二宮町でも思ったけれど、こういう入り組んだ場所って「めんどくせーから看板の数はぶいちまおうぜ」ってならないんだろうか。ならないんだろうな。


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そのまま鶴川街道を驀進して、ついに多摩川を渡る。
ここから先は疑いの余地なく正真正銘の東京都だ。



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橋の脇で油圧ショベルが1台だけでぽつんと土地をならし続けていた。
なんでそんなことをしていたかは良く分からないけど、寂しい構図だったので思わず2分くらい見守ってしまった。


多摩川を渡りきったその先は調布市
まもなく見えてくる中央道をくぐると、神代植物公園の脇を通過します。


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だんだんと日が傾き始めましたが、どうにか日没前には自宅にたどり着くことができました。


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ふろはふろやで。
わかっとるで。



家に着いた後、ふと思い出して自転車を見たところ、


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尾てい骨の跡がしっかりサドルに残っていました。
写真は帰宅後すぐのものですが、翌日も消えずに凹んだままでした。
20時間近く乗り続けるとはそういうことなのだ。






ということで、東京熱海間往復自転車の旅でした。


まず言えるのは、東京湾一周をはじめとしたこの手の自転車長距離企画は二度とやらないであろうということ。

一日目終了時のTwitterでも書いていますが、己の体力の想定と現実のズレが怖くなったことが大きな理由です。前回とほぼ同じ距離を今回は2日間に分けたというのに、なかなかに疲れた状態での往路ゴールでした。

夕飯どころを探してふらふら歩けたり、帰りがけに銀行へ寄ってお金を下ろすほどの余裕はあったものの、いつ調子が狂ってしまうかも分からない。
宿の部屋でひとりテレビを見つつお菓子を食べつつ、湯河原前後の山越えを振り返ってそう思いました。


結局全2回で終了(させるつもり)となる長距離自転車企画ですが、帰宅することの喜びを味わうことができる点ではかなり効果的です。この短時間で帰宅にあれだけの安心感を見出せることもそうそうないのではなかろうか。……いや移動中も楽しいことは楽しいですよ。

ということで、己のキャパと相談しながら体力があるうちにやってみることをお奨めします。ただし保証はいたしかねますがっ。
好きな時にふとペダルを止めて道端にカメラを向けられる旅は乙なものです。


以上、最後までありがとうございました。


旅行期間 2015.3.5~2015.3.6
旅行記完成 2015.10.4


東京―熱海間自転車往復220km ~終~