出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

イタリア卒業旅行7日間【6】




【第六章】石畳、大理石、骸骨



おはようございます。ローマの朝です。

イタリア旅行6日目、内容的にも日程的にもいよいよ大詰めといったところでしょうか。
ずっと団体で行動した昨日の午後から一変、本日は何の制限もない終日自由行動です。


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まずは朝飯。
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昨晩リゾットを注文したダイニングにて、コンチネンタルです。
やっぱり結局一番豪勢だった朝食は初日でした。出オチでした。
いやさ、「固形物がシリアルとパンだけの朝食が我慢できな~い><」的な話じゃないのですが、やっぱりパサパサもそもそで味も似たようなものばかりのコンチネンタルは喉を通りづらいですよね(結局文句を言う)。

炭水化物オンリーなコンチネンタルであることが事前に分かっているのであれば、たんぱく質や脂質やビタミンミネラル類を自ら持ち込むのはありだと思います。
ただ、そういったものを買出ししようとしても、惣菜をさくっと手に入れられるコンビニ的な場所があまりないので結果めんどくさくなってしまうんですよ。

カップ麺持ってきてるだろって? いや確かにアリかもしれない。
これがもしも日本人の学生限定の団体ツアーで周りが日本の大学生ばかりでさえなければ多分やっていた。日本人の、しかも同年代だらけの中ではさすがに羞恥心があった。


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フィレンツェ同様にローマの宿も連泊となるので、スーツケースは置いたままローマ観光へれっつらごー。
写真はホテルから徒歩10分ほどの景色です。

昨晩こそバスでホテルの入口まで寄せてもらえたのですが、最寄りの地下鉄駅まで歩くとなると20分くらいかかります。中心部には地下鉄に乗ってさらに20分。
時間は掛かるけれど貧乏弾丸ツアーである以上背に腹は代えられないですし、この偽らざる生活感を拝めたのであればそれはそれでアリ。


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地下鉄駅の入口。幹線沿いにあることもあってこの辺まで来るとわりと往来は賑やか。活気があるかといえばそれはまた別の話だけれど……ともかく街っぽい感じです。


入口こそ日本と変わらずせまっこいですが、一度もぐるとかなり広々とした地下空間なのが海外のメトロあるある。
例に漏れず、イタリアのここもかなり大胆な造り。
というか、わりと深い。ローマの地下鉄はA線とB線の2本だけというわりに、大江戸線副都心線レベルにはもぐっている。

……たぶんこれ、下手に浅い部分につくって掘り進めるたびに遺跡掘り当てちゃってなかなか作業進まないリスクを徹底回避しに行ったんだろうなあ……。


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地下鉄一日フリー切符~。

地下鉄の切符には何種類かありまして、

【BIT】1.5ユーロ
1回使い切り。たしか75分とかそういう時間制限がある

【BIG】6ユーロ
当日かぎり乗り降り自由。つまり1日4回以上乗るならこちら

【BTI】
価格は覚えていないけれど3日間乗り降り自由。

他にもあった気がするけれど覚えていない。

なお、これらを売っている自動券売機がわりと不親切。このアルファベット3文字と値段だけがやたら主張していて、言語を英語に切り替えて説明を読んでももぱっと見どれがどんな切符だか見当がつかない
……お前の英語力の問題ではという疑問は受け付けない。

あらかじめ何の切符を買うかと、その名称あるいは価格を調べておいて損はないかと思います。
そして迷った時は一番安いのを買っておけばとりあえずその一回は乗車できるはず。


ちなみに、たしか券売機では紙幣が5ユーロ札しか使えません。
我々は6人という人数のパーティだったのでその場で両替や立て替えをできましたが、少人数で行く場合には小銭を多く持っておきましょう。キオスクで購入する分にはその辺の制限はないようですが、僕は券売機でしか購入していないので分かりません。

2日目のところにも書きましたが、50セント以上の硬貨(50セント、1ユーロ、2ユーロ)は基本的に持ちすぎて困ることはありません
ので、ハナから「硬貨は日本円に戻せないし……」等々をわざわざ考えて立ち回る必要はないというのが持論です。50より細かいのは積極的に使いに行くつもりでいいかもしれません。あるいは泉や大道芸人への投げ銭要員


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さて話が逸れましたがA線に乗車しますよ。

A線B線がぶつかるのはローマ市街のほぼ真ん中に位置するTermini(テルミニ)駅
東西線南北線が交差する飯田橋駅とでも思ってください(雑

イタリア語はほぼローマ字読みの解釈で駅名が聞き取れるので、アナウンスを聞き取る時なんかもわりと安心。
いやここは第2外国語が伊語に近い西語だったことをアピールすべきポイントなはずなのですが、いかんせん何も覚えていない。


車内でつり革を掴みながら残り駅数を数えていると、隣の車両からアコーディオンの音が。

各々立ったり座ったりで動きを止めている乗客の間を縫うように、小学校高学年~中学生くらいの男の子と小学校中学年くらいの女の子が地下鉄の中を歩いてきます。
男の子の方がアコーディオンを弾き、女の子は両手で空き缶を持って片っ端から乗客に上目遣い攻撃。
これがまた美少女なもんでうわあって思いましたがそんなこと言い出したらキリがないのでスルーしました。

こういうのに限らず、ミラノで登場したミサンガ売りや、道案内等でチップを要求してくる輩がいるのでご注意を。


さてさてまた話が逸れましたが、くだんのTermini駅で下車しB線に乗り換えます。


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A線と比べ外装への落書きが明らかに多く、ビジュアルから世紀末感を漂わせてくるB線
実際の治安に関しても見た目どおりだそうです。

B線乗車後は間もなく目的の駅に到着し下車。


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ローマ兵の出勤風景。正面から撮るとお金ぼられるから無理だったよ。

降りたのはB線のコロッセオ。その名の通りコロッセオの目と鼻の先にある駅です。

ということで朝一で向かったのは言わずもがなのコロッセオ
ローマ兵コスプレのおじさんも、実は昨日見た(日本人に写真撮影の金を要求する)ローマ兵と同一人物。彼は駅から地上に出ると、似たような格好をした仲間数人のところへ合流していました。


普段はコロッセオのチケット売り場ってすごい混んでいるらしいのですが、さすが閑散期は10分も並ばずにチケット購入→入場まで済みました。
チケットは12ユーロ。1枚で、ここコロッセオフォロ・ロマーノラティーノの丘に2日間入場可能です。

共通チケットということは、どこで買っても同じな訳で。
コロッセオのチケット売り場が混んでいる時は、ちょっとだけ歩いてフォロ・ロマーノのチケット売り場に行くと比較的すぐ買えて、そのままコロッセオのチケット購入済みの列に並ぶ事ができるそうですよ。

で、地上ではいつの間にか雨が降り出していたので写真はいきなりコロッセオ内部へ。


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2000年前の建物だってよ……なんで残ってるんだよ……。

ボロボロだったり小さい穴がボコボコ空いてたりある程度修復されていたりと当時の姿かたちそのままというわけでは決してありませんが、それでもこれだけしっかり残っていると逆に2000年経っているという実感が湧かない
すげえええええってなりたかったのですが、あまりの現実味のなさにどことなく「ふーん」というフラットな感情のまま見て回っていた節さえある。そして雨止めよ。

上にもちらっと書いた、コロッセオの壁面にボコボコ空いている穴ですが、いわく仕上げの大理石を留めるボルトの穴だったとか。でもなんか適当にググってみると諸説出てくるので僕にはよく分かりません←


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有名な話ですがこのグラウンド部分の迷路は迷路じゃなくて地下施設があらわになっただけです。

せっかくなので同じ場所からパノラマ撮影機能を使ってみるとこんな感じです。

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世界遺産の塊ともいえるローマですが滞在できる時間はごくわずかなのでさくさく進みます。

次に向かったのは、先ほどからちらほら名前の出てきている「フォロ・ロマーノ」。
ローマ時代の街の中心部がそのまま現代まで姿を残しているのです。あとの細かいことは割愛。


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まあ要するにローマ時代の遺構ってやつだ。

たぶんすごいんだけど、コロッセオの時点から既にその辺の感覚が麻痺しまくりでいまひとつこう迸ってくるものが……。

そして、敷地そのものがわりと広大。カフェや売店といった施設もなく、日差しを遮るものもほとんど無いので夏場ならきっと大変でしょう。予備知識のある人、あるいは相応の興味がある人でないとひとつひとつ全部を見て回ろうという気にはならないかもしれない。
長距離を歩くことを厭わないかどうかというのも大きいかと思います。知名度のわりには、好みの別れるスポットな気がしました。
……事実、我々のパーティはここの途中から一時解散の各自自由行動になったぜ。


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散々な言い様だけどよくよく見ると色々すごいですからねここ。あんまりというかほとんど知識を伴っていないけれど。

ちなみにこちらのフォロ・ロマーノ、中にトイレはありますが、


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噂の便座なし便器でしたご注意ください。
僕の後に入れ違いでイタリアに旅立った女子に帰国後「こういう便器ではどうしたの?」と訊いたら、「気合いで中腰」という回答が帰って来ました。それじゃあうんこしたくても力入れようがないからできないねって思いました。


さすがにラティーノの丘方面まで全部を網羅するのはよしておきましたが、小高い場所からフォロを眺めてみました。場所としてはファルネジアーニ庭園のあたりと思われます。


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さっきから本当に散々に言ってますが、こうして見れば何も分からない僕だってあーすげーなーって気分にはなれる場所です。
まあどうせコロッセオに入ろうとチケットを買えば勝手に共通券になるので是非歩いてみてください。コロッセオはまだなんとなく分かるにしても、これらの遺構が現代までずっと残っていたってのも気になる。



フォロ・ロマーノを離脱し、フォーリ・インペリアーリ通りコロッセオから離れるように進みます。

ちなみにこの通りからふっつーにフォロ・ロマーノの外観を見ることができるので、ぱっと見るだけ見たい方はここからどうぞ。

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すっかり晴れ模様になった通りはストリートパフォーマーだらけです。

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↑このナリでこの人実は微動だにしていません。

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ダントツの雑さ。

パフォーマーだけでなく普通(?)の露天もあります。


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のだめがローマで焼き栗を食べているシーンがあるそうで。
既に6人の仲間内でも自由行動だったこの時、ひとりの女子と歩いていたのですがそのシーンを引き合いに出して食べたいと言っていました。


そろそろ昼飯どころを探そうと言いつつそんな感じの店に一切めぐり合わないまま、次の観光スポットに到着。


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ヴィットリオ・エマヌエレ2世記念堂
通称ヴィットリアーノとも呼ばれるこの建物は、ローマのランドマークのひとつ。

イタリア統一を記念し1911年に完成。ヴィットリオ・エマヌエレ2世という人こそがそのイタリア統一を果たした人物です。↑の写真で建物のセンターにぽんと立ってる騎馬像がその人。
中も(おそらく)それにまつわる博物館になっていて、無料で入ることができます。正直トリコロールの国旗がいっぱい並んでいるばかりで、解説文を読む気も読むスキルもない我々は早歩きで展示室を通り過ぎたのですが。


話は入口に戻りまして、正面の階段をのぼった中腹辺りには2人の兵士が微動だにせず直立しています。
なんでも、無名戦士の墓守なんだとか。


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格好いいのでこういうの好きな方はぜひ。

外から見たとおり建物は広々とした造りで、要するに建物内へ入ってからもわりと階段を上ります。
ただ、ここのいいところはお金を払わずにトイレが使えること。
なんだそんなこととお思いかもしれませんが、この一週間のうち最初で最後の「街中にあって誰でも入れる無料のトイレ」でした。その分女性はちょっと並んでいたけれど。

階段を上りまくった先にもちゃんと良いことはあって、広大な展望スペースがあります。


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コロッセオ方面をバックにたたずむ鳥さん。目つき悪い。

正直「ここはおすすめ! ローマが一望できるよ!」というほどの場所でもなかったのですが、お金を払ってエレベーターに乗るとそこよりさらに上へ行けまして。きっとそこからなら良い景色が見られるんじゃないかなーとそう思います(タダのところで引き返したので知らない)


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同行者とこいつにアテレコしようという話になりまして、

「ハッ寝坊した!? ……なんだまだ1時間寝られる」

が採用となりました。


ヴィットリオ……この建物の名前いちいち打つのめんどくさいな……の面した広場の名前はヴェネツィア広場
すぐ近くのところに、路面電車(厳密にはライトレールですねこれ)の乗り場もありました。


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こういうのもちゃんとあるんだなすごいなーと思いましたが、これを最後に利用するどころか姿すら見ていません。観光地というよりは住宅地を結んでいるのかしら。



こう見えて、時間も時間だしとお昼ごはんを食べる場所を探している我々2人組。
しかし、どうにもそれっぽい店のありそうな雰囲気にならない。


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いや鍋ドラマーを探していたわけじゃないんだよ。


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いや路地裏に音色を響かせるクラリネット吹きを探しているわけでもないんだよ。


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神父さん御用達みたいな店の立ち並ぶ通りに出ちゃったりなんだりしてますますごはんは遠のく。
食料を求め、我々はとりあえず人の集まりそうなパンテオンの方へと抜けました。


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ローマ唯一のゴシック式教会であるサンタマリア・ミネルヴァ教会の前にそびえる、これまた珍しい象のオベリスク

ここで「オベリスクってなんだよ」って思った方は僕もよく分からないので一緒にウィキペディアで勉強しましょう(リンクになっています)。


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最終的に行き着いたのは、パンテオンのすぐ北東にあるこの狭い通り。
往来にテラス席を構える小さなお店に決め、そして迷わずテラス席を選択。寒いのにね。

10ユーロくらいでピザとグラスワインまで出てくるという大変リーズナブルなお店。
2人とも赤ワインを頼んだはずなのに、オーダーが終わるなり白が出てくるから何事かと思ったらサービスでした。


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イタリア来てからこっち、そんなに好きじゃなかったはずのワインはうめぇしピザは言わずもがなうめぇし、昼間っから食うか飲むかぷらぷら歩くかばっかりで最高だな!?

しかもローマは良い感じの路地が多くて素敵な街だ……。
ちなみにここから約30時間ほど、僕はずっとローマの路地の虜になります。以降の観光の半分以上を路地めぐりに費やしているといっても過言ではなくそれが事実。

ここで酒を投入したのと路地にテンション上がりまくりなのが相まって、日本にいる人々へピザにかぶりつく様子を写真で送るなどしていました。あの時写真を送りつけたみなさんご迷惑おかけしました反省はしていない。


腹ごしらえを済ませたら、ほろ酔い状態で先ほどは昼飯最優先のため脇を通過していったパンテオンへ。


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お察しの通りかつての神殿。今はラファエロエマヌエレ2世のお墓があります。
ローマ時代の2世紀に再建されたものだとはにわかに信じがたい。
ていうか2世紀に「再建」ってなんだよ。


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中はこんな感じ。
天頂部分にぽこっとまんまるい穴が空いていて、差し込んだ光がスポットライトみたく壁に当たっていました。


パンテオンを出ると、一行(2人)は西へ。
直線距離にして200mくらいのところにあるのが、ナヴォーナ広場です。


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世界の四台河川を擬人化した「四大河の噴水」。ベルニーニの作です。昨日のサンピエトロの祭壇と同じ人です。
バックはサンタ・アニェーゼ・イン・アゴーネ教会……という打ち込むのさえまどろっこしい名前。

この広場は細長い円形をしているのですが、それは元々戦車競技が行われていた場所だからなんだとか。
……戦車といって現代の戦車を思い浮かべた人は『ベン・ハー』をご覧くださいませ。

四大河の噴水」の他にも、「ネプチューンの噴水」「ムーア人の噴水」と3つの噴水が並びます。
そんなところにいる人々はというと、


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……ほう。


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……ゆーてタネ分かりやすいぞこの人たち。


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いや君はひねりすらないというかコンセプトが謎だよせめて笑顔でやろうよ。

大道芸人なようでなりきれていない感が否めない人たちがちらほらといます。
ちなみに、1枚目の宙に浮いてる(っぽい)やつですが、違う人が同じネタをローマ中でやっているのをちらほら見かけます。翌日パンテオン前でも他人の同業者を見つけました。


ナヴォーナ広場を去ろうとしたところで、もよおしたのでトイレを探すミッションスタート。
一応探してみたけれどもちろん無料のところなんてあるはずもなく。

一番最初に見つけたのは、広場の地下に設けられた公衆トイレです。ただし有料。1ユーロ。


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地下鉄の入口みたいだけどお手洗いです。

トイレとしては割高というか、同じ1ユーロでもバルならエスプレッソを頼みつつトイレにも行くことは可能だ。圧倒的に割に合わない出費だ。
しかし背に腹は代えられぬ。そこそこ差し迫っていた僕は1ユーロを生贄に個室トイレをオープン!!!


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青い。

※一応断っておきますが写真の色合いは一切編集していません。

汚いのをごまかしているんだか分かりませんが、がっつり青い照明を使っていました。
というかどうして便座がないのだ相変わらず……金取るならそこは完備して欲しかったよ……。


トイレから広場に戻ると、一緒に行動していた友人が栗を買っていました。
ちょっと貰いました。


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買った本人も言っていたので正直に書きますが、日本で食べる甘栗よりも甘くなくてパサパサ気味で要するにそんなに美味しくなかったです。


さてさて、6人グループが一次解散となってからここまで一緒に行動していた友人とも、次に行きたい場所がそれぞれ違ったのでここで一旦お別れ。
以降はしばらく一人での観光になります。


ということで、ローマでやりたいと思っていたことをおっぱじめます。

路地と無名の教会めぐり

明日にかけてずっとその辺ばかり足を運ぶのでご了承くださいませ。
なお、無名と言いましたが、行った先がたまたま「実はそこそこ有名な教会」だったりする可能性はあります。あくまで、路地を歩き→その辺にあった教会に突撃するというスタンス。


なお、現時点での記憶と地図を頼りにどの辺をどう歩いたか可能な限り書き留めて紹介するつもりですが、読み飛ばしても差し支えないので興味ない人はその辺の地名等をスルーしてください。

そして、いかんせんテンションアゲアゲで練り歩いては突撃を繰り返したので定かでなかったり間違っていたりは大いにありえます。


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ナヴォーナ広場から東へと進み、スペイン広場の方へ。
道の名前はコンドッティ通り。昨日スペイン階段の上から撮った通りを向こう側から歩いてきています。

コルソ通りを渡ってすぐ、右手に教会がありました。
名前もよく分からんけどとりあえず入るべ。


教会というのは基本的に誰でも入って大丈夫な建物であって、拒まれはしないんだーというのは、ミッション校出身の大学同期から聞いたこと(もちろん相応しくないことをしないのが前提ですが)。

なら入るしかねえだろと思いつつも、最初はちょっとしきいの高さを感じる。
それでも重たい木の扉を押し開けられたのは、なんというかもはや旅の恥は掻き捨て精神でしょうか。せっかく一人でいるわけですし。


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……とかいう躊躇も、ひとつ目に入ったところで消し飛んでしまったんですけどね。

失礼ながら、ここに来てようやく「ああ、ローマってすんげえ街だなあ」という気分に。

ガイドブック「地球の歩き方」の、地図上に存在は表示されているものの、紹介どころか名前さえも記されていない教会
ろくに下調べもせずぽんと来てしまったけれど、それでもこの「ただごとではない感」を肌で感じられるあたりに、ローマのローマたるゆえんを感じました。

いや、これまで見てきたものも十分すごかったんですよとは言っておく。

グーグルの地図とストリートビューでも発見したものの、それでもこの教会の名前は表示されていない……。


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さて次。来た道を少し引き返して、コルソ通りを北上。

ポポロ広場という超キュートな名前の広場に向かって歩きます。
広場の中心のオベリスクがまともに見えてきたなーというあたりで左手に現れるのが、サン・ジャコモ・イン・アウグスタ教会


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ローマで3番目に古い教会だとか。
ちなみに、この裏手には病院が併設されています。むしろ教会より病院が先という話も。
……すごい知ったように書いていますが、諸々書きながら調べていることでして、実際この時は

「あ、教会だ入るぞ! うっわーすげーなーどうやったら写真に映えるかなー」パシャパシャ

くらいのことしか考えていません。アホですね。


教会にふらっと立ち寄る事に抵抗がなくなると、雨宿り・暑い日寒い日の緊急非難場所・疲れたときの座る場所にもなるので、そういう面でも非常に捗る。空間としてもいるだけで落ち着きます。

ということで、教会に入るたびに腰を落ち着けて壁や天井を見上げ、5分くらいしたら地図を確認して外に出るというのをひたすらに繰り返しております。


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どんなに大通りでもふと横を見ると素敵な路地がある。そう、ローマならね。

コルソ通りをそのまま歩き続け、ポポロ広場へと出ます。


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これは真正面の景色ですが、振り返るとそこには双子の教会が。


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こちらから向かって左が
サンタ・マリア・イン・モンテサント教会
反対の左側が、
サンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会

……知るか! 「双子の教会」としか覚えてなかったわ! 正直すまん。

この双子の教会に入るかと思いきやなぜか入ろうとせず、広場の東端にある階段を上り始めました。
上り続けること5分弱。「ピンチョの丘」というその名の通り、丘の頂上に到着です。

僕らのツアーでは、都市に着く前にその都度手描きのマップを添乗員さんから貰っていました。
そのツアー会社の職員が描いたらしいのですが、手描きといえどその完成度はとてつもない。どれくらいかというと、最悪そのマップ一枚だけでその都市の観光ができるくらいには。

で、そのマップに「眺めよい!」というコメントと共に、ベンチに座るカップルのイラストが載せられていたので思わずお手並み拝見したくなった次第です。
なお、あえてもう一度言っておきますが一人で歩いています。


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うん、まあぶっちゃけ、眺めかなり良かったんですけどね。


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「NICOLE TI AMO」(ニコル愛してる)

ってヘリの部分に思いっきり書かれているのを見つけたときの僕の心のフラットさたるや。
これが日本語で「ニコちゃんずっとずっと愛してる☆」とか書かれていた日にはきっと相当イラっとくるだろうなあ……。


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たとえぼっちだろうと、眺めのいい景色をぼーっと見てい方にはおすすめです、ピンチョの丘
てっぺんの部分はわりと広く、移動式の出店やバイオリンを弾いている人や電子ピアノ弾いている人や何かのミュージックビデオを収録している人たちやらがいました。


ピンチョの丘を後にして、そのまま丘の斜面沿いを南東へ。


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スペイン階段を上った先へと続く道であるものの、観光客の人通りはほぼ無い。
右手の景色は良さげなのですが、木々が邪魔でそこまでの景観にはなっていません。

10分ほど歩けばスペイン階段に到着。


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ミラノでいきなりハトの餌を手渡そうとしてきた黒人のにーちゃんに遭遇して以来、ここまで現地の変な人に絡まれることがほぼ無かった僕ですが、ここでとうとうミサンガ売りに話し掛けられました。
見た目は普通のイタリア人(?)のにーちゃん。

伊「ニーハオ!」
僕「(露骨に嫌な顔をしてみせる)」
伊「(以降英語)どこから来たの?」
僕「(一応英語)日本だよ」
伊「ああ日本か! ナカタはいい選手だったよね! 今もほら、インテルにナガトモがいるだろ? 彼もすごいプレーヤーで――」
僕「(適当に相槌打ちながらスペイン階段を見下ろす)」
伊「どうしたんだいそんな辛気臭い顔して。ローマは笑顔が似合う街なんだよ?」
僕「(誰のせいじゃ……)」
伊「ほらスマイルスマイル」
僕「(苦笑)」
伊「うんいいね! じゃあ今日の僕と君の友情の証だ(ミサンガを差し出してくる)」
僕「いらないっす(避ける)」
伊「そんなこと言わずにほら(近寄る)」
僕「いらないっす(ぷいっ)」
伊「そっかばいばーい」
僕「ばいばーい」

だいたいお察しかと思いますが、英会話の能力なぞ到底持ち合わせていない僕はJapanとNo thank youしか喋っていませんハイ。

あくまで僕の一週間程度の経験ですが、街中でひとり地図を広げていようと特に変な人に絡まれることはありませんでした。
こういったミサンガ売りなんかも目を合わせなければ基本的には寄って来ない気がします。
ただこの時は偶然目がかち合ってしまった。そっちの方に向かって歩いていたらさも友人を見つけたかのように歩み寄って来やがった。


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ミサンガ売りのにーちゃんに絡まれたすぐそこのみやげ物の出店。
フィレンツェに比べるとベタベタなグッズがいっぱいです。
小さいコロッセオの置物なんかは面白いなーとは思うものの、手に取ってみるとわりと残念クオリティなことが多いので気をつけるといいかもしれません。

個人的には「あっこれ自室に飾りたいなー(部屋汚すぎて無理だけど)」と思えるものや実用的なもの(革物等)はフィレンツェの方がよく目に入った気がします。


ところで、ここスペイン広場には地下にA線の駅があります。名前はスパーニャ駅というそのまんま。
地下鉄の1日券を買っているので、そこそこ使わねば。


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どこ行っても思うけれど、日本の地下鉄ってやっぱり明るい。
先の震災による節電の結果多少は薄暗くなりましたが、それでも十分明るいですよなあ。


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というか黒を多く使っているからなんでしょうかね。

乗車したものの、次の目的地までは一駅。バルベリーニ駅で下車です。
ながーーーーいエスカレーターで地上へと出るとそこは、


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駅と同じ名前のバルベリーニ広場
中心にあるのはトリトーネの噴水。作者はベルニーニで、サンピエトロの中にあるあの天蓋をつくった人と同一人物です。


観光客なんて片手で数えられる程度しかいないような広場にもかかわらず、「セルフィー、セルフィー」と言いながら自撮り棒を売り歩く人がここにもいる。

ミラノでもベネチアでも見ましたが、ここローマはことに自撮り棒を売り歩く人(えてして白人ではない人がほとんど)が多い。ただ、なぜかフィレンツェだけは多少いるもののそこまで多くなかった印象。
本当にびっくりするくらいというか明らかに供給過多なレベルで随所に散らばる自撮り棒売り。自撮り棒が流行る前はこの人たちは何を売っていたんだろうかと思うとすごい不思議でした。


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広場から交差点をひとつ越えたくらいの場所にあるのがこの蜂の噴水。これもベルニーニ作。
ベルニーニとかバルベリーニとかさっきからややこしいんだよ!!!


さて、わざわざバルベリーニ広場で降りたのは目的地があったからです。


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カプチン派修道会博物館
バルベリーニ広場側から見て蜂の噴水のすぐ向こうにあるのですが、あまりにもしれっと建っているので見逃しそうになります。二手に分かれる上り階段をのぼって建物の中へ入ります。

入場料は6ユーロ。
入ると、名前の通り博物館としての展示が続きます。正直よくわからねえ……。
ここで有名なのが、博物館の展示を抜けた先、最後に控えている地下墓所です。

約4000体の修道僧の骨が納められ、壁から天井からシャンデリア、何から何まで全て人骨で装飾されているのです。
地下墓所として並ぶ5つの部屋は、すべてがひたすら骨で構成されています。遠目では何気なく見ていた壁の模様さえ、よく見ると身体のどの部分なのかさえ分からない小さな骨でつくられている。
ぞっとすると同時に、ここまで来ると綺麗だなとさえ思ってしまう。

ここの通称は『骸骨寺』。
死生観が変わるとも言われる場所です。
撮影禁止なので残念ながら写真はありません。が、光景が気になる方はこちら。↓

○Google画像検索『骸骨寺』

出口の手前にある売店ではポストカードなんかも売っています。
よくよく調べてみると、骸骨寺と呼ばれる場所はイタリアならミラノ等、他にも世界に何箇所かあるみたいですね。



骸骨寺に入る前に、先程別れたはずの友人とすれ違うなどしながらも、単身行動は続きます。

夕飯は再集合して一緒に食べてホテルへ戻るという行程なので、それまでは再び路地と教会をねりねりと巡り歩きますよ。


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前日にローマ入りしてからずっと思っていたのが、「バイク多い」。

普通自動車の免許でどの排気量まで乗れるかは知りませんが、明らかに日本でいう原付以上のバイクにおばさま方がまたがりぶいぶいと路地を走らせている。
そして、道の脇には写真の通りバイクの駐車がずらり。


さて、適当に歩くにしても路地と小さな教会の多いエリアを歩きたい。
そこでおすすめしたいのは先ほど登場したパンテオン周辺。このあたりは教会が多いのもさることながら、細い道が入り組んでいてうかうかしていると迷子になるとてもテンションの上がる一帯です。


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クィリナーレの丘を左手に見つつ西へ。
丘とか言いつつ周りの建物とほぼ同じ高さだし下は近代的なトンネルにぶち抜かれているしで最初は丘だと気付かなかった。

トリトーネ通りをずっと歩いていると、モンテトーリオ宮のあたりに出ます。


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広場にいる警官たち。かっこいいんだけど、あまり仕事している様子ではない。

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そしてコロンナ広場の近くで見つけた教会で一休み。
ごめんいま地図を見返してもどこだかは分からないんだ。
というか、前後の写真からルートを推測するに、「地球の歩き方」の地図にも載っていないんじゃないかと思われます。

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こちらがモンテトーリオ宮といってイタリアの下院なのですが……なんかデモやってる怖いでも写真は撮っておいた。


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そして再び教会へ退避。
パンテオンのすぐ北東にあるCapranica広場に面した教会です。
が、薄暗くて怖いよ。中にいる人が他に1人しかいなくて何こいつって目で見られたよ。


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この辺からはもうひたすら教会と路地にハァハァしながら歩いていた記憶しかないので、ぶっちゃけそろそろ文字にして説明することがない……。


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サンタ・マリア・マッダレーナ教会
Googleストリートビューでこの空間を一望できるくらいなので、それなりに著名のようです。(知らない)
さすが天井の絵や彫りもつくりが非常に細かくて、素人目にもすげえと分かる。


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そして、こちらがパンテオンの1ブロック西側にあるサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会。なお、名前は調べながら書いている今はじめて知った模様。

ここにはカラヴァッジオの絵があるのですよー。


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ローマの観光地には中韓はじめアジア人がわりと多い(当然ながら時期的なものもあって日本人が一番多い)のですが、この教会は人の数のわりに白人ばかりだった。

そしてここの内装もなかなかにすごいですよっと。


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そんなこんなで、教会と路地を求め歩いているうちに再びナヴォーナ広場に戻ってきてしまいました。
せっかくなので、広場に面しているサンタ・アニェーゼ・イン・アゴーネ教会へ突撃。


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独特な雰囲気なんだけどいかんせん上手い具合に撮ることができなかった。



ローマをはじめ、イタリアの都市部には胡散臭いものから胡散臭いものまでたくさんの物売りがそこかしこにいます。
露店を構えてるようなところはまあいいのですが、ふらふらと歩き売っている(そして買っている人をほとんど見たことがない)ちょっと怖いのは、

・革のブランド(?)バッグ(フィレンツェが印象的)
・自撮り棒(本当にどこでもいる)
・時計(ピサで遭遇)
・サングラス(ピサで遭遇)
・ミサンガ(これは見るからに売っているわけではない)
・鳩の餌(結局ミラノでしか見なかった)

そしてこれ。

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ローマでちらほら見かけた、謎のスライムを木の板に叩きつけるおじさん
叩きつけると「ピキューーーーーーーーーッ!!!!!!」と聞こえるのだけれど、果たしてあれは本当にスライムから発せられている音なのだろうか……。
たぶん売り物です。僕は買う勇気がありませんでした。


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せっかくパンテオン付近まで戻ってきたので、ピザを食った通りをもう一度パシャリ。
好きだわーこの通り好きだわー。


さて、そろそろ同行者たちとの再集合時刻が迫っておりますゆえ、ぼちぼちそちらの方向へと向かいます。

再集合地点はローマ三越前
あれっ……ついさっきまで真逆の方向に歩いていた……?
とりあえず、写真を撮りつつもさくさく向かいますよ。


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すっごい普通の身なりでエレキギターを弾くおっちゃんとか、


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すっごい普通の身なりでチェロを弾くにーちゃんとか。

日が傾いてくると、仕事終わりなのかストリートのミュージシャンが増えてくる。
広場が多いからこういうのも多いのか、そもそもこういうことに寛大な文化なのかなーと。


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観光の動線になっている道から一本外れると、物静かなローマの石畳を歩けるので是非お試しあれ。
すごくかっこいいけれど、だからこそ住むには不便なこともきっと沢山あるんだろう。



ローマ三越で6人再集合を果たした後は、近くのトラットリアへ入ってお夕食。


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僕はラビオリを食べました。
構成としてはラザニアと変わらない食べ物です。
というか、イタリアの食事はみんな

チーズ!
小麦粉!
トマト!
ワイン!
以上!

みたいなノリ。しかしうまいから許す
……ぶっちゃけこの頃から徐々にお米が恋しくなりつつあるものの、いざこっちの食事を口にしてしまえば非常に美味いのでその間はそんなこと一切忘れているのである。

それにしても観光都市ローマの飲食店はすごくて、いわゆるトラットリアのレベルならほとんどの店舗がフリーWifiを設置している
Wifiを使用可能なら、お店に入って席に座ったときにパスワードをウェイターから聞きだして繋ぐだけ。
もしポータブル式のWifiを持ち歩いていなかろうと、定期的に携帯を繋ぐことはわりと可能であります。


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腹が膨れたらホテルへGO。
レプッブリカ駅から地下鉄A線で帰ります。

今朝フリー切符を購入した訳ですが、この日の乗車回数は計3回。
元を取ることができなかった……結構歩いてしまった……。

この日見て回ったところはだいたい2km四方に収まるエリアだったこと、そしてパンテオン周辺から地下鉄の駅までは最短でも1km程度の距離があるため、「なら歩いちゃえ」となってしまったことが要因。まあ、運賃が馬鹿高いわけでもないので元がどうこうというのは気にせずでいいんじゃないでしょうかね。


ホテルの最寄り駅に到着後、駅そばのコンビニ(としか例えようがないのだけれど個人の商店)へ。

水やらの必要なものを買い足すついでにお菓子のコーナーを見てみると、


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おいしい。
というかパッケージがどう見ても某「やめられないとまらないえびせん」だろうこれ。

そして買ったのはこれ。

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TEMPURA!!!!

さすが世界の和食だね!!! どんな味がするんだろう!!!

食べてみたところ、わりとそこそこ天ぷらっぽい味がしました。
「これは何味のお菓子でしょう?」と言われて食べたら正答率35%くらいになりそうなきわどい風味です。


……というか、パッケージ写真のそれは天ぷらじゃなくてエビフライだ。



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第六章 ~終~