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出かけた時から帰り道

旅行記。一人旅だったりそうじゃなかったりバイク(VTR-F)だったり。

イタリア卒業旅行7日間【4】




【第四章】胸、尻、便座



4日目の朝です。


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この日は一日中自由行動で、泊まるホテルは一緒。
スーツケースを部屋に置いたまま手荷物を持ってフィレンツェにくり出します。

……ところでどうでもいいんですけど、

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このホテルの鍵がすごいごついんですよ。無くさないからいいんですけどね。

希望しだいではポンペイ観光へ行くオプションツアーなぞもあるのですが、我々は終日フィレンツェをチョイスしております。つまるところのオプション無し。
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そして朝食はやっぱりのコンチネンタル。

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ベーコンが一枚あるだけでもパンの喉の通りようがだいぶ変わってくるんだけどなーと思いつつ、寝ぼけた身体でもそもそ咀嚼します。
添乗員さんなんかは席に落ち着いて食事を取ることもせず、恐らく自分で買っておいたであろうリンゴを片手にかじって歩きながら、ツアー客に話しかけたり話しかけられたりしていました。
添乗員って大変だ……。


ところでこの添乗員さんの服装について、旅行も中盤になってようやく気付いたことが。
必ず襟付きのシャツジャケット、下はジーパンでないパンツ。足元は歩きやすそうではあるけれどスニーカーではない……つまり、ネクタイさえ締めればドレスコードのあるお店にも立ち入ることができる服装。

仕事中だからってのもあるんでしょうけれど、たぶん何かあった時にどこでも行けるようになんだろうなーとここにきてようやく悟ったのでした。


朝食を済ませたら早速観光へ。
昨日と同じ路線のバスに乗り、中心部へ向かいます。チケットは昨日のうちにフィレンツェ観光で必要になりそうな分を買い蓄えているのでスムーズでした。


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知らない土地の朝の空気というのはえてしてわくわくするものである。
さてさて、本日どあたまの行先は12時間くらい前にも目の前を歩いたここです。


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うふぃつぃー。

美術館の説明はめんどくさい&キリがない&間違えていたら嫌なので↓でも見てください。
めんどくさい人は、要するにルネサンス期の芸術の宝庫だとでも思ってください。
僕でも知っているような絵がゴロゴロしている、イタリアというか世界でもトップクラスに著名な美術館です。

○Wikipedia 『ウフィツィ美術館


ご存知の方には言うまでもなく、ウフィツィとは英語で言うところのオフィス。かつても行政機関の庁舎が美術館になっているのです。
同行した仲間のひとりが「うひちい、うふぃちい」としか言えていませんでしたがウフィツィです。


ウフィツィといえばとにかくチケットの確保が難しいことが巷では有名。

トップシーズンだと当日券では入館に数時間待たされるため予約に殺到するものの、その予約チケットも入場時刻が15分単位で厳密に決められているという恐ろしさ。
ネット上を調べてみると、日本語向けの前売り券代行手配サービスなんかもあるようです。

ちなみに僕らは(たぶん)公式のオンライン予約サービスである↓ここで購入しました。久々に語学脳の記憶を引き出し、頑張ってイタリア語と英語を読みました。
(買ったことは事実ですが保証はいたしかねるので自己判断でお願いします)

○B-ticket

支払い方法はクレジットカードを選択し、情報を入力。6人まとめて注文しようとするとなぜかエラーが起きたので、別の仲間にも頼んで3枚+3枚で予約購入をしました。

特別展をやっていたので入館料は12.5ユーロ。それに予約手数料4ユーロの計16.5ユーロ。
……美術館として見ると間違いなく日本より割高なのですが、中身を考えるとあまり高いとは思えない。


ちなみにですがあの有名な外観は、


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残念ながらこんな有様です。
観光としてはオフシーズンなこともあって(この時期に旅行だー! ってなってるのは日本の大学生くらい)、ウフィツィに限らずそこかしこで修復工事中でした。


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予約時刻の9時まで多少時間があったのでその辺をふらふら。
ヴェッキオ宮の前にいるダビデさん(ミケランジェロ広場に引き続き2人目)をパシャリ。


時間より前に、ネット予約のプリントアウトを事前予約者専用の3番窓口に持って行って予約番号を提示し、入場券をゲット。
プリントアウトを用意していなくても、番号さえ控えていれば大丈夫との噂も。

時間になったらその入場券を手に1番窓口へ行けば、すんなり入館です。
とは言ってもたぶんあの人気なら当日券だろうとすんなり入館だった気がする……まあいいや。


我々6人は入場後に一時解散。昼食時に再集合となりました。
後で話を聞いたところによる6人の行動は、

・館内をほぼ時間いっぱいまで練り歩く(僕ともう1人)
・30分くらいで退場してショッピングに行く(2人)
地元の美容室で散髪(2人)

3つ目は完全にギャンブラー。


とりあえず僕としては来たからには見るしかない見るしかない。
もう一人の仲間と2時間以上ウフィツィをぷらぷら歩きました。

わくわくが止まらない館内ですが、どうも絵の展示というか並びが事前に軽く確認しておいたそれと違う。あるはずの場所にその絵がなかったり、そもそも部屋自体が閉じられていたり。

標示を見る限りではどうやら工事か何かしていたようです。
というか露骨に工事中の部屋がある。さすがオフシーズン……。
でも結局、場所は変われど有名どころは階を変えるなどしてどこかしらには展示されていました。


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見たまえこれがかの有名な廊下だ。

3階の展示室を結ぶこの廊下はU字になっているのですが、昨日見つけたヴァザーリの回廊の終着点もこの廊下になっています。
偉い人の仕事場=政務庁舎(オフィス)ということですな。


ヴァザーリの回廊は基本的に立ち入ることも見ることもできないのですが、その終着点の扉のありかを建物の並びから目星をつけるのはわりと簡単です。
僕ともう一人で「ここだねー」と言って閉ざされた扉を見ていたら、目の前で関係職員がその扉を開けて回廊の中へ。

チラッと見えた! 中がチラッと見えた! 廊下になってた! すぐ先が突き当たって曲がってた!

と、扉チラリズムに興奮する東洋人ふたりでした。


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そんな回廊の行く先――ヴェッキオ橋も、廊下の窓からガッツリ見ることができますよ。

お分かりとは思いますがこの廊下だけでも見ごたえは十分でして、窓からはドゥオーモを見ることだって、


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クレーン越しに可能です。さすがオフシーズンクオリティ。
いや僕はあまり残念とは思っていないというかこれはこれで乙だなと思いながら写真に収めていました。


もちろん、ウフィツィの誇る至宝も舐めるように見てきました。舐めてはいません、一応。
日本に来れば壁ひとつにその絵一枚だけの展示にしてもわんさか行列になるような絵が、平然とぽんぽん並んで掛けてあるから恐ろしい。


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たとえばここはボッティチェリの部屋ですが、このラインナップでもったいぶり感ゼロって……イタリア怖い……。
ちなみに、写真中央やや左にある『パラスとケンタウロス』は、数ヶ月前に日本で観ました。一枚で特別展のメイン張っていました。それがこんな密度で掛けられている……。


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ヴィーナスの誕生』のところには、触って確かめることのできる石膏ボードが併せて設置されていました。
もちろん触りました。どことは言いませんが触りました。硬かったです。


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これ以上あーだこーだ書いても僕の予備知識のなさが露呈するだけですし美術館の解説ならよほど優秀な媒体がいろんなところにあると思うので、中身についてはこの辺で割愛。

スケジュールの都合上3時間もいられませんでしたが、もちろんそんな時間で全部しっかり見ることができるはずもなく。それでも一応、見逃した部屋が無いように一通り練り歩きました。
いつかまた来られた暁には、ウフィツィの中で日中まるっと過ごすみたいなゆったり贅沢な時間を過ごしてみたいですな。


ちなみに、展示室にはリュックや大きな荷物を持ち込むことはできません。
そのまま入場しようとすると、入口の脇にあるクロークで荷物を預けるよう指示されます。クロークの利用は無料
なので、展示室内にも持ち込みたい荷物がそこそこある方は小さなバッグをまた別に用意しておくと捗るでしょう。



ウフィツィの出口は入口の反対側、建物の裏手にあるので、出たところで迷わないようご注意を。


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ヴェッキオ宮の中にも入ってみましたが、上の階にある五百人広間などを見るにはまた別に時間とお金がかかります。ので、1階部分の中庭でイルカを抱くキューピッドだけ写真に収めて撤退。


シニョリーア広場で同行の仲間6人は再集合し、昼食を求めふらふらと街を歩きます。

どこからともなく『Over the Rainbow』が聞こえてくるなーと思っていると、


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遭遇しました。街中で演奏しているだけあって、かなり上手いです。アレンジというかオリジナルっぷりも凄まじかったですが。

写真を撮らせて貰ったこともあって、ほんのわずかばかりのおひねりを投げておいたら、その後カメラを向けたときにカメラ目線で吹いてくれました。ちなみにカメラ目線のタイミングは撮り逃しました……。



サックス吹きのおっちゃんと出会ってから5分ほどで小さなバール(BAR)を発見し、そこで昼食にすることに。道にテラス席を設けていたので、そこを陣取りました。


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これがバールの外観。テラス席があるのでカフェっぽくもありますが、注文を取りに来るようなことはないのでどちらかと言えば確実にバール。
ところでバールとは何ぞやという話ですが、ついでにイタリアの外食事情について簡単かつ適当に解説いたします。
イタリアで外食といえば、僕が体験したお店は大きく3種類に分けることができます。


【BAR(バール)】
その名の通りバーなのですが午前からやっていて、立ち飲みや立ち食いが基本の飲食店。
……なんだけど、たいていは申し訳程度のテーブルとイスがあったり、場所によっては今回のところのようにテラス席も用意している。
サンドイッチやコーヒー類をはじめとした飲み物、お菓子などを売っている。
食事の価格は、サンドイッチが5ユーロ前後かそれより少し高いくらい。飲み物の組み合わせ次第では10ユーロに到達するものの、だいたい1桁ユーロで抑えられる。
すぐ食べたい時や食費を抑えたいときの朝食や昼食、あるいは地元感あふれる場所に突っ込んでみたい時におすすめ。


【TRATTORIA(トラットリア)】
バールとリストランテの中間と言えばそんな感じ。リストランテは高くて嫌だけど落ち着いてごはんしたいという人は、この表記を探すといいかもしれない。
食事の価格は10ユーロ前後。飲み物や食べ物のチョイスの仕方、あるいは店そのものによっては限りなくリストランテに近い会計になることもあるので注意。


【RISTORANTE(リストランテ)】
要するにレストラン。気持ちお高めのレストラン。
とはいえ街中のその辺にあるリストランテにはドレスコードなんてそうそう存在しないので、お金に余裕があればじゃんじゃん入って大丈夫です。たぶん。
食事の価格は20ユーロ前後。ワイン次第では余裕でもっと高くなる。


他にもピッツェリアとかオットリアとかあるようですが僕は未経験なのでスルーを決め込みます。実際にも街中でよく見る看板はダントツで上記の3種で、その他は時折ピッツェリアを見かけるくらいでした。

ちなみに、トラットリア以上の店になってくると店がWi-fiを無料で飛ばしてくれていることがちょくちょくあるので、使いたいときは店員さんに聞いてみよう。
ツイ廃にも安心な国それがイタリア。


そんなわけで、この日の昼に入ったお店の中はこんな感じ。


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店主と客はわりとずっと世間話をしていて、いかにも地元のお店感があって楽しいですよ。もっとこういうところにたくさん突撃すればよかったなと。それこそが旅の醍醐味ですよねと。

ちなみにこのアングルの背中側にトイレへ続く扉があるのですが、普通に開けようとしてもロックがかかっています。カウンターの中にスイッチがあるようで、買い物後に言えば開けて貰えます。要するにトイレ使うなら何か買えよと。

そのシステムを知らずにあっれー開かないよーってなった時も多少驚きましたが、


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開けてもらって入ったら急な下りの螺旋階段が現れた時もビビりましたよね。


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おといれっと。
旅行記で現地の便器の写真をアップするところってそうそう無いのではなかろうか。

張り紙がいっぱいありますが、どうやら「大と小と紙以外の余計なもの流すんじゃねえ」とか、「ここ押すと流せるよ」的なことが書いてある模様。

……というか、どうして便座がないのかな? ん?

とお思いでしょうし僕も思いましたが、イタリアではこれがわりとスタンダードです。

ホテル以外の、公共性の比較的高いトイレでは便座がないのはザラなので覚悟してください。

ちなみにこの時は小用だったので特に差し支えなかったのですが、一週間の旅行です。もう片方の用件で、かつ便座の存在しないトイレにエンカウントした時もありました。

――座るしかないそのヘリの部分に紙を並べて腰を下ろしてみました。

うかつに座るとケツが便器の中に落ちそうになるので、妙なところにエネルギーを使いながら用を足しました。
あと、一度だけ便座も紙もないトイレにぶち当たりました。
場所はたしかこの日の午後に行った某美術館で……いやはやティッシュ持ってて良かった。


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こんな話の後ですが、ランチタイムですよ。
ツナサンドとカプチーノを頂きましたよ。うまかったですよ。


6人でぽかぽかのテラス席でぼーっと建物を見上げながら「次どうしよっかー」などと言っているうちに、次もまた各自で自由行動に。
日没前にドゥオーモ前集合なので、僕はそれまでフィレンツェの街を練り歩きつつ土産ものをみつくろっていく方向でいきます。


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昼間の共和国広場。昨晩は仲間との集合時間に遅れそうで小走りしていた場所です。
出店のお土産を物色しながら広場を歩いていると、突然呼び止められました。

日本語で、しかも名前を呼ばれて。

何事!? と思い振り返ると、声の主は我々のツアーの添乗員さんでした。
自由行動中のツアー客から何かしらヘルプの連絡が入った時にすぐ向かえるよう、旧市街で待機がてら観光していたみたいです。

というか、1クラスくらいあろうツアー客の学生たちの名前を覚えているという驚き。
そして、ツアーの中でも6人という一番の大所帯な我々だったはずが僕一人で歩いていたので、向こうにも逆に何事っていう顔をされました。大丈夫ですみんな生きてます。


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おうまさんだよー。御者さんもなんだかそれっぽい格好だよー。
馬車はドゥオーモの近辺になら常に何台か待機しているので、興味がある人はどうぞ。料金は確認していません。


次の目的地へ向かう都合上、いったんドゥオーモの前を通過。

街の中心に当たる教会は、「ドゥオーモ」「鐘楼」「洗礼堂」の3つで構成されるのが基本(ピサの斜塔なんかもこのうちの鐘楼にあたる)。
ですが、フィレンツェに入ってから洗礼堂の写真が一度も現れていない。
……それは、工事中で幕が張られている為何も見えなかったからです。


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だがしかし天国の扉と言われるここだけは見せていた。とはいえこれレプリカらしいですが。

この洗礼堂の東側に位置するブロンズの扉の製作者はコンペで決められたのですが、優勝者はギベルティという人とブルネレスキという人の2人となってしまい、しょうがないから2人で作ってねとなったそうで。でもブルネレスキさんの方はこれを辞退し、ギベルティひとりで作れることに。結果、彼はこの扉に生涯の大半を費やし、一方のブルネレスキは多くの作品を残して比較的有名になっちゃうというなんとも言いようがないお話。


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ドゥオーモからさらに北西の方へ。ウフィツィからずっと石畳ばかり歩いていたので、久々の舗装路。

向かっているのは、アカデミア美術館です。
サンマルコ広場方面の隣には美術学校が併設されています。
「ここは美術館じゃないよ学校だよ」的な立て看板に気付かずスルーして入ろうとしたら、入口のおばちゃ……お姉さんにすごいめんどくさそうな顔をされて「ここはmuseumじゃなくてschoolだ」といわれました。ごめんなさい。


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こんな感じにのっぺりしたところが美術館の入口です。こう見えて中は結構広いです。

ところでフィレンツェの美術館のセキュリティはわりと厳しくて、ウフィツィもここも飛行機に乗る時のそれ並といっても過言ではないチェックされっぷりでした。
こういうところでもたもたせずに荷物と上着をキャストオフできるいでたちというのも重要かもしれない。

混む時期は入館するにも並ばなければいけないようですが、入館自体はすんなり。ちなみにチケット代はクレジットでも清算可能です。

ここに何しに来たかといえば、


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まあダビデさんですよね。
これで、

ミケランジェロ広場
シニョーリア広場(ヴェッキオ宮前)
アカデミア美術館(これがオリジナルであり本物)

のすべてのダビデさんを拝んだことになります。ダビデ巡り完了。


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こうして来館者と比べてみると、かなりでかいのがお分かりいただけるだろうか。
我々の背丈では(物理的に)足元にも及ばないのである。

ダビデさんの脇を抜けて別の部屋へ行くと、彫刻がいっぱいつまった何気に素敵な部屋もあります。絵の部屋もあります。


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実はこの美術館、展示室は3階建てでして、2階3階は中世のキリスト教絵画(というかその時期は絵画≒宗教画)がたんまりと展示されています。……が、人が全然いません。

アカデミア美術館を終わりにする前に、恐らく多少なりと需要のあるであろうアングルをお届けしますね。


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ぷりけつ。

ちなみに、ショップにはダビデさんの身体の各部位をどアップにしたポストカードが売られているのですが、顔や手の甲はもちろん、股間もあります。
マジです。お土産に是非どうぞ。
……僕は買いませんでした。



サンマルコ広場をぷらっと歩いてから、再びドゥオーモの方へ南下。


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通りの向こうにじんわりと鐘楼の姿が見て取れるのが素敵。
何よりもこのフィレンツェの町並みをてくてく歩き回るのが楽しい。


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チェーン店だけど、この「EATALY」ってネーミングのセンスが好き。
先ほどはサックス吹きのおっちゃんを紹介しましたが、街中のアーティストは他にもいます。


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道に絵を描く人。しかもこの一人だけではなく3人くらいいました。
……しかし、なんで描くのがフェルメール(=オランダの画家)の絵なんだろうか。



これまでというかこの先も基本的に観光の話ばかりになりますが、ちびちびとお土産は購入しております。

イタリアの地図に各地方で有名な食べ物のイラストが添えられたタペストリ(5ユーロ)だとか、レモンリキュールだとか、ベネチアでは安物の仮面も勢いで購入しています。……仮面誰かいりませんか。使いどころが極端に少ないくせにかさばるんですよアレ。


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まあそんなこんなで、珍しく買い物目当てに市場なぞ来てみました。
ウフィツィ美術館から徒歩3分くらいのところにある「新市場のロッジア」という場所。


ガイドブックを開くと「みやげもの屋台が並ぶ」と書いてありますが、市場の8割がたが革製品でした。屋台の間を歩くと革のいい匂いがそこらじゅうに。

……これは、今ここで財布を買うしかない。

何の根拠も無くそう確信し、自分用の長財布をひとつ購入しました。フィレンツェの紋章が打ち込まれた、どこのブランドということもないけれどとりあえず革である事はたしかな財布。

買う財布はこれにしようと心に決めてから、値札をつまんでこれ見よがしに首を傾げて唸っていると、何も言っていないのにお店の人が5ユーロくらいまけてくれました。多少ですが言葉を使わずして楽に値切れました。
……いやまあ元からそういう商法だってのは置いといてさあ。


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写真は通り過ぎた時に撮ったものですが、仲間との集合時刻が迫ってきたのであとはドゥオーモの周りをうろうろします。


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こんなのがファサードとはいえ建物の壁面になってるなんてどうかしてる(最大の賛辞)。

ダイナミックかつ繊細に作りこまれたファサードを見る時は、絵のように至近距離で壁を見つめたり、遠くから町並みに溶け込む様子を眺めるのもよし。


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西向きのファサードは時間によって日の光を浴びた時の表情がだいぶ変わるので、小まめに見に来るのもまたいいかもしれません。
旧市街地のど真ん中なので目印代わりにもなりますし、行動の起点がてら是非どうぞ。


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ドゥオーモがすごいのは、柄さえもすべてその色の石をはめ込んでつくっていること。
近くに寄って見ると「面倒くさかったろうなあコレ」感もひとしお。



仲間6人が全員集まったところで、まずはドゥオーモの中を見学。


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中は案外普通というか、「ぎょえええなんだこれすげえええええ」といったような感想にはぶっちゃけならなかった。たぶん世界遺産を浴びすぎて麻痺してきているのもある程度あると思う。


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ぶったまげる感じは無いにしても、ぴりっと背筋が伸びるような雰囲気っていうのはありますよね。
神を信じる信じないという信仰心はさておいても、人々が築き上げるその場所の持つ力というか空気感のようなものがこういったところには確かに存在すると僕は思っています。


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見上げればそこにはヴァザーリ工房作の『最後の審判
……写真が小さくて見えねえ? ちゃんとしたのを見たければ各自でググって下さい。

ちなみに、ドゥオーモ内部の見学は無料です。ミラノのように「写真撮る奴はここに金置いていけ」システムでもなく、タダでパシャパシャできます。

しかし、我々はこれから課金してドゥオーモをさらに楽しむ。


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泣く子も黙るクーポラへのチケットである。
クーポラというのはドゥオーモのドーム部分を指す言葉。階段を上りに上ってその上からフィレンツェを一望できる素敵なチケットです。

チケットはたしか鐘楼や洗礼堂(この時は閉鎖中)との共通券で10ユーロ。売り場はドゥオーモ周りではなく、洗礼堂のすぐ北側の建物の1階内部、奥まったところにチケットカウンターがありましてそこで入手できます。クレジットカードも使えた気がします。


話に出たついでにクレジットカードについて。日本以上にわりとどこでも通用する印象です。
露天のようなタイプでなければ、だいたいの店舗と飲食店でVISAは使えたと記憶しています。

飲食店なんかでは、会計時にカードを出すと「じゃあ今から読み込むから付いて来て」とレジまで店員に連れられ、(恐らく「悪用していないですよ」というアピールとして)目の前でカードスラッシュされサインを求められることもあります。



そんなことよりもクーポラだ。
ドゥオーモ見学の入口とはまた異なる場所から入り、チケットを提示します。
クーポラへの入口と出口はたしか年2回季節ごとに入れ替わるのですが、この時期は北側から入ることになります。

クーポラの最上部までは階段で463段


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写真では伝えきれない階段の狭さと急さ。
足腰がそれなりに強い歳のうちに行くべきと思われます。


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時々ぽこっと開いている窓からは、フィレンツェの町並みが垣間見えます。
いやしかしこれは一番上まで上ってからの楽しみにしたいところ(と言いつつガッツリ覗きこむ)。


階段のおよそ中間地点まで来ると、それまで階段オンリーだった空間から一度開けた場所に出ます。


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最後の審判がさっきよりもすごい近くに。
ここはちょうどドーム部分の付け根に位置し、内壁に沿った狭い通路を半周して次の階段室へと進む順路です。
どうして半分かというと、もう半分は帰り道の時に歩くからです。


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眼下の風景はこんな感じ。
ただ、身長よりも高い透明な板の塀がぐるっとめぐらされているため、高さのわりに足がすくむような感覚というのはさほどありませんでした。
下とか上の絵とかじっと見たいのだれけど、通路はすれ違ったり追い抜いたりができないほどの狭さなので進むしかなくて残念スポットでもあります。


この通路を境に、直線的な建屋部分からドーム状の内部を進む形へと変わるため、階段の形というか雰囲気もちょいと変わります。


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なんかこう両側の壁が弧を描いているのは、ドームが2重になっていて、その間を我々が通っているからです。
大きなドームを煉瓦製の重たい構造物で成り立たせるための工夫だそうですよ。


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こんな景色になればクーポラの頂上はもうすぐ。
空間の形からして、お椀型のてっぺんに向かっている感がすごい。


大学生がほぼノンストップかつハイテンションで階段を上り続けて約13分ほど。
463段目に足を掛けたら、いよいよフィレンツェの景色を欲しいままにできる場所に到着です。


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この旅行の中で、景色を一目見て息を呑んだ瞬間という表現がもっとも相応しいのはここでした。

が、写真が下手くそなこともあってその素晴らしさを伝えきることができません。
見渡すかぎりの赤銅色は、地元の土を焼いて作られた屋根の色。
そこに傾いた陽の光が差し込み、深みを増していました。


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建物の高さが揃えられ平原のようにも見える町並み。
しかし目を凝らせば、その隙間を縫うようにめぐらされた石畳の上を、人や車が行ったり来たりしているのがたしかに見えます。


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我々の立つクーポラの影の長さが、それ自身の高さを物語る。

元々この時間を狙って来ていたのですが、陽が沈んでゆくにつれて街並みの陰影はより濃くなっていきます。


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西側に集まってゆく人々。真西の部分の最前線となると、日没20分前くらいから陣取っていないと思い通りの場所で日の入りを拝むことは難しいかもしれない……というくらいの混み具合でした。

ただ、この時西側で日没ばかりに目を向けるのではなく、日を背にした東側の景色を楽しむのも個人的におすすめしておきたい。


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するすると伸びていくクーポラの影をながめたり、地上には光が届いていないのに自分たちの足元だけは照らされている瞬間を楽しんだり。
屋根も夕陽に背を向けた側の方が、いい色味を出しています。ので、人気の西側だけでなく是非東も見てみて下さい。

クーポラの上は360°歩いて回れる全方位パノラマなのですが、そこを取り囲む柵はかなり低めです。
ひとたび柵を越えれば、お椀型の屋根を転がり90m下の石畳に叩きつけられるであろう場所。そこと自らを隔てる柵はたかだか胸下くらいの高さです。それも相まって感じられる開放感。
身を乗り出さない程度に近寄れば空を飛んでいるような眺めと言っても差し支えはない。


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やがて鐘楼の向こうに見える稜線へと陽は落ちまして……。


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日没後も高度があるだけにしばらくは手元も明るい。
この時の遠くの方の、ふんわりと靄がかかったような空気感が綺麗だったのだけれど、これもやはり実際に目にする他はない。

景色はひたすらに綺麗でぽかんと口を開けながら、ぼんやり眺めたりカメラを構えたりしていたのですが。

ここに来てふと、自分よりはるかに前からこの街を知り、興味を持ち、行きたいと思っているであろう母を差し置いてこの地に立っていることを猛烈に申し訳なく思いはじめて、一人なんともやり切れない気持ちになっていたのはまた別の話。
曲がりなりにも美術館博物館へ行く習慣が僕にあるのは、ひとえに親の影響ですゆえ。
あの時の景色は、見せてやりたいなと本気で思えたものでした。


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感傷に浸っているうちに、足元の街はすっかり夜の様相です。
それでもはるか遠くに望む景色は薄明るい。
とはいえそんな状態も長くは続かず、空の色相はものの10分前後でに暗い色へと染まっていきました。


夜景は夜景で綺麗ですしそれこそちゃちなカメラと技術では捉えようがない美しさなのですが、やはりフィレンツェらしい景色となれば屋根の色ありきであって、とりあえずは日の出ているうちのクーポラ登頂をお薦めします。
そういった意味では夕方から日没にかけてを見られたのは良いタイミングだったかもしれない。


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上りがあれば下りもあるんだよ。

ちなみに、先述の『最後の審判』をすぐ頭上に拝む通路はこんな具合です。


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僕ですら普段どおりに歩くのはちょっと無理そうかなレベルの細さ。
立ち止まれる余地なぞあるはずもない。

ちなみにクーポラから地上までの帰りは、大学生の脚で所要時間10分程度です。


下界に下りれば、そこはフィレンツェの夜。
さっきまで上に立っていたクーポラに見下ろされながら、フィレンツェ最後の夜の石畳を歩きます。



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ミラー越しに「AMBURANZA」の文字が見えるよう鏡文字でプリントされた救急車。日本のを見慣れているからかあまり救急車っぽくない印象のカラーリング。


あとはバスに乗ってホテルへ戻るのみですが、帰りのバスを途中下車してショッピングスタート。
昨日の晩がフルパワー散財モードだったので、今晩のごはんは打って変わってつつましく大型スーパーで調達した食材を持ち帰り部屋でパーリィとなりました。

ここで活きるのが時間制のバスチケット。
乗って降りて買って乗って降りるを規定の時間内(90分)に終了させればチケット1枚分の料金で帰れるので、時間を多少気にしながらもわりと悠々と夕飯選びをしました。


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イタリアではコープのスーパーがメジャーだそうで、今回立ち寄ったのも例に漏れずコープ。
コープのくせにショッピングモールのようになっていて、マーケットの敷地もひろびろ。


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写真には残していないのですが、買い物カゴが面白かった。
底にキャスターがついていて、取っ手の代わりにスーツケースのような長い持ち手が。
それを犬の散歩のようにコロコロ引いて店内を練り歩くのです。


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惣菜も売っているのです。パックにされているのもあれば量り売りのコーナーもあります。


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チーズと肉とワインの品揃えの豊富さはやはり日本の比ではなかった。

ワインですが、高いものを探せばキリがないので「最も安いワインはボトルいくらか」と売り場を探してみました。
せっかくなので売り場最安値のそのワインAと、4倍くらいの値段のワインBを購入。ホテルで目隠しでの利きワインをやったのですが、僕は確率でも1/2のそれを見事外しました。どっちも酸味しか感じないんだもん……。

最安値のワインがいくらか、その答えはちょっと後で。


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調味料のコーナーにはこんなのがありましたよ、キッコーマン
照り焼きのソースなんかもあるのですがこの広大なマーケットにコーナーはささやかである。

あと、アメリカの生み出した悪しきトマト調味料ことケチャップはどこにも見当たらない
軽く探したけれど少なくとも目に付くところには無かった。さすがイタリアとでも言うべきか。

あとどうでもいい話ですが、イタリアのプラスチックバッグ(レジ袋)は非常に薄くて破け易いので買い物をした後は気をつけて下さい。どうやら環境に優しい素材のようですが、真っ当な量しか詰めていなくても、角が当たるとみるみる穴が広がっていく。


178.jpg(20:57)


ホテルのお部屋に戻ったらぱーりーたいむ。

部屋で調理できないことを踏まえて出来合いのものを買い揃えたら、なんだかんだトラットリア程度の店でご飯食べられるくらいのお金が掛かっている気がするけれど考えたら負けだ。


ところで、先ほどの売り場最安値のワイン。

……赤ワインが1.99ユーロでした。

ボトル一本(750ml)が日本円にして260円程度。容量単価でいえば下手な店の水より安い可能性さえある値段。
酒とチーズだけは日本より明らかに安い国、それがイタリア。

ただ、この日の夕飯のコストは結局外で食べるのと大差なかったような気も……。



余談ですが、なぜかこのタイミングで写真を残していたのでついでにご紹介。
イタリアでは炭酸水と普通の水が売られているのは先述の通りですが、


179.jpg(20:31)


左が炭酸、右がナチュラルです。
バリバリの観光スポットの中でもさらに良心的なところだと、炭酸水を持ってレジに並んだ時に「こっちで大丈夫?」と訊いてくれることもありますよ。



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第四章 ~終~