出かけた時から帰り道

バイクや車やフェリーや列車や飛行機や自転車による全国(時々海外)の旅行記群、分割日本一周の記録です。VTR-F乗り。(子育てのため長期旅行お休み中)

日本海と黒部ダムを目指す旅【2】




【第二章】路面電車、大雨、釜めし



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――12時10分、金沢駅4番ホーム、北陸本線富山行き。


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しらさぎ号やサンダーバード号のような特急もありますが、貧乏旅行は鈍行列車でございます。

それでも金沢―富山間は1時間くらいで着いてしまいます。座れるならこれで十分でござる。


車内は意外とハイカラ。
首都圏でもどこぞの真ん中通るオレンジ電車の払い下げ車両を使っている某路線よりは明らかに新しい感じでした。

ことこと揺られて60分。


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着いたよー。


深夜バスが金沢に着く前に一度富山駅に寄っているので厳密には本日2度目の富山駅ですが気にしない。

そして衝撃の事実。


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北陸には改札を自動にしちゃいけないという法律でもあるのだろうか。
それともあれか、豪雪地帯だからこそ人の温かみを忘れないようにという計らいか。


切符を手渡しすればすぐ目の前は駅の外。
トヤマといえばニホンカイ、マスノスシというよく分からない思考をしていた呼飛ですが、富山は新しいものを柔軟に取り入れる街でもあります。

ということで、こんなものが走っているんですね。


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近未来的な路面電車でござい。低床でめちゃくちゃかっこいい。


富山市街には大別して2種類の路面電車が走っています。
……ライトレールと区分されるらしいのですがその辺いろいろ定義が被っていたり曖昧だったり。


○Wikipedia ライトレール



富山には「セントラム」と「ポートラム」という2つの路線がありまして。


セントラム」はJR富山駅の南側を走る路線です。
環状運転も行っているのですが、かつて存在した環状運転が高度経済成長の頃の路線縮小で廃止。2009年に復活したのだとか。

ポートラム」はJR富山駅の北側から海に向かって突っ走る路線。
図解するとこんな感じ。


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セントラムは「富山地方鉄道富山市内軌道線」、ポートラムは「富山ライトレール富山港線」と実は所轄が違うんですな。

その辺はウィキさんに丸投げしたいと思います。


○Wikipedia 富山地方鉄道富山市内軌道線

○Wikipedia 富山ライトレール富山港線


ちなみに、セントラムには昔ながらな感じの車両も走ってます。


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ところで時刻でお気付きだとは思いますが、お昼時をとうに過ぎています。まだ食べてはいません。

しかしこの日の昼食として食べるものは元より決めていました。
駅前でそれを購入し、食べる場所を求めて環状線に乗ります。


――30分後。


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ますのすし@富山城址公園


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(゚Д゚ )

( ゚Д゚)

(゚д゚)


(゚д゚)ウ-(゚Д゚)マー(゚A゚)イ-…ヽ(゚∀゚)ノ…ゾォォォォォ!!!!



……残り1/3くらいのところで飽きましたけどね(ぁ

修学旅行らしき学生さんたちに見られながらますのすしを掲げ写真を撮る呼飛の気持ちを答えよ。


ちなみに、上の写真の向こうに見えるのが富山城です。
天守閣は1954年再建の鉄筋コンクリート構造。中は郷土資料館になっています。

○富山市郷土博物館ホームページ

そして、もちろん最上部に出ることもできます。


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金網があるしで「うおおおお!!」感があるとは言い難い景色。


ちょうどこの写真を撮ったあたりから雲行きが本格的に怪し……というか降ってきたよ。
傘は持っているので大丈夫なのですが、旅行先で片手が塞がるというのはどうにも。

ますのすしを食べた時までは降ってなくて良かったなーと思いつつ次の場所へ移動です。


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移動のセントラム車内。乗り心地はなかなか良いが座席は浅い。


……さて、これからどこに行こうとしているのかという話ですが。

富山といえば薬売り。
相変わらずウィキペディアを見てみたところ、『富山の売薬』という項目までありました。……字面だけだとアブない臭いがしますね。


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富山駅前の広場にもいらっしゃる薬売りの図。


とりあえずそんな訳で、今でも昔ながらの丸薬作りの実演というかあわよくば体験までさせて貰えるかもしれないというお店をリサーチしそこに足を運ぶことにしました。


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○池田屋安兵衛商店ウェブサイト


富山駅南側の路面電車セントラム)の「中町」あるいは「西町」で下車後2分ほど歩いた場所にあります。

中に入ると、正面には薬作りの器具が。
練った原料をミンチのようにくり出しては一粒大に切り分け丸薬へと成形する工程のものでした。


最初は他のお客さんはちらほら程度にしかいなかったのですが、店先の通りに観光バスが到着。
すると中から自分の親より年齢層の高い方々が降りてきて、次々と店内に入ってくるのでした。

そうやって団体客が来るたびに店の方がその器具を前に実演し解説するので、毎回こんな光景になってました。


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数百個レベルの切り分けた粒をまとめて板で上から撫でてやることで丸くしてやるのですが、これがなかなかどうして難しい。
人の少ない時にやらせて貰いましたが、マダドガスみたいなのが沢山できました。


池田屋安兵衛商店さんの主力製品は「越中反魂丹」という丸薬。
胃痛、腹痛への薬ですが、全国への普及っぷりからこんな言葉があるそうで。


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越中富山の反魂丹

  鼻くそ丸めて万金丹

    それを飲む奴ァあんぽんたん



ちなみに万金丹とは、伊勢発祥で600年の歴史を持つ同じく胃腸の為の薬です。

伊勢くすり本舗 萬金丹の歴史


アグレッシブ富山。



さらに何が凄いって、上記リンクの萬金丹の歴史で、

越中富山の反魂丹、鼻くそ丸めて萬金丹」という俗謡でも親しまれてきた萬金丹は――


いいのか、それでいいのか伊勢よ。



話は池田屋安兵衛商店さんに戻りまして。

このお店のすぐ隣はお土産屋さんになっていて、いずれの団体客の皆様も丸薬作りの実演を見る→興味ある人は薬を買う→土産屋に移動という流れを踏んでおりました。
結果土産屋は激混みな訳ですが、銭湯の桶で有名なケロリンのグッズなんてのも売っててなかなかに楽しい。

ちなみにケロリンですが、この店の裏手に製造会社の本社があるそうです。
また首都圏の銭湯の経営者には北陸出身の方が多かったそうで、銭湯の桶がそれなのも同郷だかららしいという噂。

そんな感じで思っていた以上に薬屋さんを楽しんだのでした。



一通りショッピングを済ませたら、外の雨はもっと酷い事になっていました☆

この後はそのまま富山駅の反対側に出て海を見に行く予定だったのですが、雨の強さにその決意を砕かれとりあえず宿へ行く事に。

ホテルは富山駅のそばだったので路面電車で移動するも、下車後雨模様はさらに悪化。というか豪雨。昼には屋外でますのすしを食っていたとは思えない。

脛まで水溜りに足を突っ込んだりしながら予約していたホテルへ。
ちなみになんてことはないビジネスホテルです。



そこそこ雨脚が弱くなってから、再び外へ。
外は既に真っ暗です。

今回の旅のコンセプトは


黒部ダム見たい。日本海見たい」


なので、たとえ日没後だろうと見に行かない訳には行かないのです。翌朝からは日本海沿岸を離れてしまうのですから。


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富山駅の北側からポートラムに乗って、反対側の終着駅岩瀬浜へ向かいます。
セントラムの方は旧型と新型の車両が入り乱れていますが、ポートラムは全てが最新の低床車両です。


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30分弱ほどで岩瀬浜に到着。
ここから海岸まではさらに10分ほど歩きます。

日没後の観光なぞ勿論想定していないエリアなので、街灯もそこそこの真っ暗な住宅街(たぶん)。


暗闇の中かろうじて視認できる看板を頼りに、砂浜の海水浴場に到着しました。

無理くり撮影した写真がこちら。


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波音が怖い。

写真を撮る以外に特にできることもなく、すごすごと撤退いたしました。



富山駅に戻り、晩ごはんにありつけるところを探します。

ラーメンという気分ではない。
せっかくなら海の幸を食べたい。

選択肢は多くないものの、ホテルで貰った食事処のマップから探し出したのがこちらです。


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「釜めし ふる里」


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今回の旅行で一番上手い飯だったと言っても過言ではない。
しかも↑の鍋と釜めしのセットでたった1500円くらいだった気がする。

あと、「干しげんげのから揚げ」なるものも頼んでみました。

げんげとはこのあたりで知られる深海魚だそうで、漢字で書くと「幻魚」。
名前に誘われて注文したのですが、ビジュアルは焦げたししゃもみたいな感じで特に目新しさはなかったので割愛。
うまいっす。



そんな感じで怒涛の1日目これにて終了です。


【第二章】富山編 ~終~