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出かけた時から帰り道

旅行記。一人旅だったりそうじゃなかったりバイク(VTR-F)だったり。

自転車東京湾一周210km【3】




【第三章】神奈川



【さようならCHIBA】


ところで今から乗ろうとしている東京湾フェリーですが、その頻度は約1時間に一便。
つまり逃すとその場で1時間待ちぼうけを食らうのである。

休めるという意味では良いのかも知れないが、自分は今日中に帰らねばならぬのである。
そう、走行距離が既に100kmを超えているとしても、まだ帰路とはいえない。

さすがに日没までには千葉を離脱したいと考えていたところで、

49.jpg(18:00)


きたあああああああああああああ


50.jpg(18:02)


きたあああああああああああああああああああああああああああ


51.jpg(18:02)


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


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よっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああ


53.jpg(18:10)

ばちこーい。

ちなみにこの時背後にはたくさんの車と人、1台のバイクがありました。当然ながら自転車は自分だけでした。
そんなこんなで迎える搭乗時刻。フェリーは出港予定の10分前に待機しましょう。

55.jpg(18:11)

1階甲板部分。この直後、ここにぎっしりと自動車が詰まります。

……その片隅に、

54.jpg(19:01)

やたらしっかりと固定される自転車。
時刻がすっ飛んでいるのは降船時に撮った写真だからです。

56.jpg(18:15)

さて乗船ですが、このフェリー意外と大きい。

上の写真だと手前はラウンジっぽくなっていますが、大半の座席はバスのような椅子が何列にもなっているような感じです。
乗っている人数に対してかなり座席数が余っているので、中にはその座席を一列占拠して横になっている人も。

勿論ここに来るまでにへとへとにはなっていたものの、練り歩いて写真を撮らずにはいられない。
やられているのは自転車を漕ぐ筋肉なので、歩きには実はあんまり支障がなかったり。

57.jpg(18:17)

「よこすか海軍カリーパン」なるものが売っていれば買って食わない道理はない。
まだここ千葉県だけど。出航すらしてないけど。

まだ見ぬ神奈川に思いを馳せながらカレーパンを食す。意外と辛かった。

神奈川上陸後のルートを地図で追っていると、やがて野太い汽笛が。
座席を揺らすエンジン音に誘われて、カメラを片手にデッキへ出ました。

58.jpg(18:26)

さようなら千葉。あれだけひぃひぃ言いながら坂を上っていたのも今や懐かしい。

59.jpg(18:30)

進行方向を見れば向こう岸も見えます。千葉と神奈川は意外と近いのです。

デッキで東京湾を見渡していると、なかなかどうして行き交う船が多い。
自分の乗る船もコンテナを積んだ小ぶりのタンカーを避けるためにあからさまに舵を切ってました。

61.jpg(18:32)

このフェリーのスタンスとしてはあくまでも神奈川基点らしい。


東京湾フェリーは1時間に約一本の頻度で出ていますが、その片道は35分。
要するに一隻が行ったり来たりするのではなく、

60.jpg(18:40)

こんな風に二隻が海上ですれ違う事になるんですね。向こうはこちら以上に人が少なそう。

乗船後の写真がものの5分10分でみるみる暗くなっていますが、神奈川に着いた時にはもう夜でした。




【こんばんはKANAGAWA】


フェリーへの乗船は車より先でしたが、降りるのは一番最後。
自動車がバンバン出て行った後から、キコキコとゆっくり続いて出ました。

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紛うことなく完全に夜です。そりゃそうですよ7時過ぎだもの。
たった今フェリーを降りたばかりでこれから神奈川と東京を縦断するんだけどなー。……なー。

土地鑑のない夜道をさかさかと漕ぎ進めます。
信号で停まる度に地図で現在地を確認しますが、もはやお馴染みの進まなさにいちいちしょんぼりしながらペダルを踏みます。


ただ千葉県側と大きく違うのは、道路の環境。
道幅が広くて自転車でも悠々と車道を走れるのと、路面が綺麗なのでスピードのロスが少ない。

この路面の状況が、一度漕ぎ出してからスピードを維持するのにどれだけ力が要るかというところに大きく影響するので、体力面で馬鹿にならないことをこの時点で学習しておりました。
一般的に歩道は車道よりも路面が粗く、細かいアップダウンや段差も多いので、走れるのであれば極力車道を走る事で体力をセーブして行きます。

それと、沿道が千葉よりもどことなく賑やか。
夜道にもかかわらず気分的にも環境的にも助けられて、「さすが神奈川さんやっぱちげぇや!」などと思いながら千葉県を振り返る事もせず東京を目指す。

「これは既に帰り道だ」

という意識は気分的にもかなりプラスで、フェリーで十分足を休める時間があったこともあって、少しずつながらもなかなか順調に進んでいました。


……が、いかんせん夜道なのであまり取り上げるべき写真もない。
日没前に比べてそもそも撮っている量も激減しています。

63.jpg(19:41)

横須賀市役所前で一枚。
相変わらずのローペースですが、体力や精神的には順調です。

川崎や横浜までの距離表示の青看板は極力見てみぬ振りをしました☆


事前の調査により、

「横浜周辺は斜面に家を建て道の先に山があればトンネルにするシムシティっぷりがうかがえる」

という話は知っていたのですが、まさにその通り。
アップダウンは比較的少なめで、斜面をぶち抜いたトンネルを何度もくぐり抜けました。

64.jpg(19:49)

トンネルの入口にもなんかオサレな模様があるあたりさすが神奈川さん千葉とはちげえや

65.jpg(20:09)

横浜市です。
地図の縮尺と進度を照らし合わせて帰るのは何時になるだろうと不安に思いながらも、肉体的にはそこまで疲弊していませんでした。

ただし、関内までもうすぐといったところでエネルギーの欠乏を身体が訴えます。
沿道にあったすき家に駆け込み、牛丼を食らいつつ今後のルートを絞っていきます。

神奈川上陸段階ではとにかく国道1号を突っ走って環八にアクセスするつもりでいました。
ルートとしては覚え易く迷いにくいので精神的に楽(自分が走るべき道を探しながら走るのはなかなか疲れるんです)ではあるのですが、こうしてしっかり休むからには最短ルートを選定した上で確実に進みたい。

ということで、後に「すき家」会議と呼ばれる審議の末策定したルートは以下
横浜を通過後に綱島街道で北上
→日吉を越えたところでぶつかる府中街道に入る
→あとはその辺で多摩川を渡って環八に乗ろう!!(結局アバウト)

今思うと素直に国道1号と環八のぶつかるところまで走った方が楽だった気がしなくもない。

しかし当時の自分はこのルートを選んでしまった。
気持ち内陸寄りを走るのでアップダウンの多さが懸念されたが選んでしまった。
結果やっぱり綱島街道はアップダウンが多かったが進んでしまったものは仕方ない。

66.jpg(21:46)

横浜。ブルーライトヨコハマ

ひとつ前の写真からかなりの時間が過ぎていることにお気付きだろうか。30分ほど牛丼を食っていたというのもあるが、横浜市はでかいのだ。

それにしても夜10時の横浜である。響きだけはお洒落だ。
みなとみらいの交差点を行き交う人はまさか僕が今日千葉からキコキコやってきているとは思うまい。

67.jpg(21:53)

横浜を抜けつつ、東京湾一周を反時計回りで行わなくて良かったとしみじみ。
景色の変化に富んだ神奈川を前半に通過し、あの千葉を日没後に迎えていたらどれだけ暗い気持ちになっていただろうか。

気付いたら国道1号ではなく15号に入っており綱島街道の入口を一時見失うというアクシデントもありましたが、その後綱島街道に突入。

ここで呼飛、革新的な漕ぎ方(当時)を編み出します。
先に行っておくと、今振り返ってみればすごいダサい。

それが「いち、に、いち、に」とつぶやきながら漕ぐというもの。
なんだそんなこととお思いになるかも知れないが、これが馬鹿にならない。
意識してリズムを作ってペダルを漕ぐ事になるので、精神的にも肉体的にもかなり負担が減るのです。

テンポが乱れがちな上り坂でもこれでしっかりとペースを維持できるようになるので、それなりにアップダウンが存在した綱島街道も千葉の頃に比べて着実に距離を縮めていく事が可能となりました。

「次は最初からこれをやろう」と思ったものの、次またやりたいかと言われたら決してそんな事はなかった。

68.jpg(22:43)

日吉駅前。朝には早稲田を通過していたのでなんちゃって早慶制覇。

さて、この日吉を通過してから最大の懸念事項が発生します。
雨です。

小雨と本降りを繰り返すも、雨をしのぐ手段は持ち合わせていない。
日没後はしまっていた帽子を被り、前カゴに入れていた地図をビニール袋にくるむ程度でひたすら漕ぎ進めます。

府中街道に入ったところまでは良かったものの、暗いこともあってそこから多摩川を渡る予定だったポイントをロスト。もうどこでもいいからとりあえず多摩川をまたぐポイントを己の方向感覚で探し出します。


【第三章】神奈川 ~終~